選書
幼さという戦略
「かわいい」と成熟の物語作法
阿部 公彦
ISBN:9784022630384
定価:1540円(税込)
発売日:2015年10月9日
四六変判並製  256ページ  選書0938 

「幼さ」のあふれる現代の日本。漫画のキャラクターから生活小物に至るまで、目につくのは無害で安心感の漂う幼さ、弱さ、かわいさばかり。消費文化の中心は善良な弱者たる個人の欲望で、人々は「幼さ」を社会構造の中で強要されてきたと言える。成熟して「大人」になるというライフサイクルは揺らぎ、大人も老人も生涯を通じ「幼さ」を演ずる。しかし、そんな「幼さ」が自ら声を持って語るとき、独特の魔力をたたえた不思議な磁場が生まれることがある。本書では太宰治『人間失格』の弱さや村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の依存性に注目しながら「幼さ」特有の心理、美学、思想を確認し、その潜在力をさぐる。谷川俊太郎、武田百合子、ルイス・キャロルに加え、成熟や老いと格闘した江藤淳、古井由吉も題材となる。気鋭の文芸評論家が精緻に幼さの語りの豊かな可能性を探る興味尽きぬエッセイ。

ネット書店で購入

★のネット書店は、在庫のない場合や取扱いのない場合があります。

電子書籍の購入

ご注文はお近くの書店、ASA(朝日新聞販売所)でも承ります。