アフリカから アリが苦手なネコ

[アフリカから]

アリが苦手なネコ

島岡由美子

Shimaoka Yumiko

 ザマニザカレ(むかしむかし)のお話です。
 ある日、ネコは、ネズミを捕まえると、いつものようにさんざんいたぶってから殺し、その肉を食っていました。あとは、ネズミのしっぽだけというときになって、別のネズミがネコの前を、ささっと横切りました。
 ネコは、尻尾をそこにおいたまま、そのネズミを捕まえることに夢中になりました。ネズミも必死で逃げますが、やっぱりネコにはかないません。もう少しで壁の穴に逃げ込めるというところで、ネコの爪の餌食となり、さっきのネズミと同じように、さんざんいたぶられてから殺され、食われてしまいました。
 ネコは、二番目のネズミをきれいに平らげると、さっき、ネズミの尻尾を残してきたことを思い出し、その場所に戻って食おうと顔を近づけました。
 すると、ネコが残したネズミの尻尾には、アリがいっぱいたかっていて、その上ネコの小便よりも臭いにおいがしました。
「こりゃあ、たまらん」
 ネコは思わず後ずさり。
 恨めしそうな顔でアリをにらみつけると、あきらめてどこかへ行ってしまいました。

 それからしばらくして、今度は、ネコがバッタを捕まえて食べていました。
 一匹目のバッタを半分かじったところに、ぴょんと違うバッタが飛び出してきたので、ネコは食べかけのバッタを残して、今見つけたバッタを捕まえに行きました。
 ネコは、二匹目のバッタをつかまえてたいらげると、食べかけで残してきたバッタのことを思い出し、さっきの場所に戻りました。
 ネコが顔を近づけると、半分にちぎれたままのバッタには、アリがいっぱいたかっていて、その上ネコの小便よりもっと臭いにおいがしました。
「こりゃあ、たまらん」
 ネコは思わず後ずさり。
 恨めしそうな顔でアリをにらみつけると、あきらめてどこかへ行ってしまいました。

 一方、二回もご馳走にありついたアリたちは大喜び。
「ネコはいい奴だ。僕らにいつも食べ物をわけてくれるもの。これからも、ネコについていこう」
「いこう、いこう!」
 こうみんなで相談すると、アリたちは、きちんと一列になって、ネコの後を追いました。

 そのときから、ネコはアリが大の苦手。アリを一匹でも見つけると、顔をしかめ、ほうほうの態で逃げていきます。でも、アリはネコが大好きで、今日もおこぼれにあずかろうと、きちんと一列になって、ネコのあとを追っかけているのです。

 ネコとアリの話は、これで、おしまい。
 気に入ったなら持ってきな。いらなきゃ、海に捨てとくれ。