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「第5回朝日時代小説大賞」は、従来の枠にとらわれない時代小説の書き手を発掘する賞として位置づけ、プロ・アマを問わず、幅広い人材発掘をめざします。進取の気性に富んだ意欲的な作品で挑戦してください。
主催・朝日新聞出版 協賛・テレビ朝日
選考委員(五十音順)
縄田一男 松井今朝子 山本兼一
<応募規定>
(1)長篇の時代小説。未発表の作品に限る。
(2)応募資格はプロ・アマを問わない。
(3)枚数は400字詰め原稿用紙300枚以上400枚以内。ワープロ原稿の場合は、A4
判の用紙に40字×30行を目安に印字する
こと。原稿用紙への印字は不可。400字換算での原稿枚数、作品の梗概(800字
以内)、筆名(本名)・住所・電話番号・年齢・経歴を明記した別紙を添えること。
(4)締め切りは、2012年12月31日(当日消印有効)。
(5)宛先
〒104-8011
株式会社朝日新聞出版 第5回朝日時代小説大賞事務局
*応募は郵送に限ります。
(6)入選作発表「小説トリッパー」2013年秋季号(9月発売予定)
*途中経過は13年夏季号(6月発売予定)に掲載します。
(7)正賞=記念品 副賞=200万円
(8)受賞作は朝日新聞出版より刊行します。出版権および映像化権その他の権利は、朝日新聞出版に属します。
(9)応募原稿は返却しません。コピーをとっておいてください。また選考経過についての問い合わせには応じられません。
(10)二重投稿はご遠慮ください。
(11)優秀な応募作品については、テレビ朝日でのドラマ化を検討します。
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縄田一男
時代小説界は、今、大家から中堅、新鋭の諸作、そして、大ブームとなっている文庫書き下ろし長篇まで、驚くほどの活況を呈している。
その中で、新しい文体と発想、さらにはテーマを盛り込んだ瑞々しい作品と出逢うこともしばしばだ。が、注意しなければならないのは、このジャンルには多くの約束事があり、それらを無視すると、作品が、時代小説のかたちを借りた何か別のものになってしまう点である。前述の新しい試みは、そうした約束ごとの間隙をぬって成されてこそ、真の輝きを放つのである。私が望むのは、登場人物が鬘をかむっているのではなく、本当の髷を結っている作品だ。時代小説のパターン化を打ち破りつつ、その一方で基本を遵守しながら斬新さを盛り込む--この難事を果たさんとする勇気ある書き手、出でよ!
私は、心から参った、と叫ばずにはいられない作品と出逢うことを、切に望んでいる。
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 写真/大橋愛
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松井今朝子
時代小説に限らず、SFにしろ、伝奇小説にしろ、私がそこに求めるのはリアティー、真実らしさである。小説は今さらいうまでもなく全体が虚構だからこそ真実らしさがどうしても必要になる。そして何よりも真実らしくあってほしいのはそこに描かれる人間だ。 「芸」というものは「実(じつ)と虚(うそ)との皮膜(ひにく)の間にある」と看破したのは往古の近松門左衛門だが、虚構を真実に思わせるかどうかが決め手となるのは、三百年の時を経た今も変わらない。つまり真実らしい虚をつくのが文芸であろう。 時代小説では壮大な虚がつける。それが時代小説の醍醐味といっていいかもしれない。ただし虚が大きければ、一方で小さな真実を丹念に積み上げて隙間を埋める地道な作業をしないとたちまち崩壊する。簡単にバレてしまう虚をついて白けさせるのは児戯に等しい。虚実の境目が見えないくらいの壮大な虚で、どうか私たちを酔わせてほしい。
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山本兼一
時代小説、歴史小説では、なんといっても主人公のあざやかな生き方が読みたい。古い時代を舞台にすれば、現代を背景にしては書き得ないユニークな人物を造形することができる。
武士であろうが職人であろうが、姫君であろうが遊女であろうが、身分や性別を問わず、世の中のうねりに身を置いている主人公をどれだけ魅力的に、かつ明晰に浮かび上がらせることができるか――。
堂々たる生き方はすばらしい。義と情に引き裂かれ、苦悶する主人公にも惹かれる。切なく心あたたまる夫婦の物語も読んでみたい。時代設定とモチーフを最大限に活かし、読み手を魅了してやまない人物を造形してほしい。
作品を仕上げるには、なによりも書き手の情熱が大切だが、それを十全に表現する技術も欠かせない。情熱と技術の両面で、清新な力のあふれる作品を待ち望んでいる。
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