女のシックスエレメント

市橋有里

PROFILE

1977年徳島県生まれ。中学校入学時、陸上部の部長だった姉のボーイフレンドに誘われて入部。中学卒業後の1993年に上京、東京ランナーズ倶楽部で本格的トレーニングを開始。99年、世界選手権セビリア大会で銀メダルを獲得。現在、2月に開催される「2007東京マラソン」に向けてトレーニングを積んでいるほか、ランニング教室やマラソン大会のゲストランナーなどの活動も行っている。腰高で軽やかなランニングフォームは、しばしば“理想的”“エレガント”と評される。


インタビュー、構成=若山あや
写真=峯 竜也


市橋有里さん
Ari Ichihashi マラソンランナー

1 st element

笑いジワもご愛嬌!


以前はマラソンに一直線で、友人から「ロボットみたい」って言われたこともありました。そのひと言はけっこうショックだったんですけどね。それがテニスの伊達公子さんやDJの南美布さんのような表情が豊かな女性と出会って、本当にキレイだなあって感じるようになりました。最近は、「市橋は笑顔もいい」って評判なんですよ。「自分を追い込むこと」から解放されたのかな。でもちょっとシワが気になるんだけれど(笑)。


2 nd element

レース前は炭水化物パーティー


マラソン選手の場合、食べたものがすべて身体やレース結果に出るので、普段から食事のコントロールがたいせつ。とくにレース当日はスタート時間から逆算して、だいたい3~4時間前に炭水化物をたくさん食べます。ご飯やお餅、カステラ、お饅頭、何を選ぶかは人それぞれ。パン好きの私は、ときによっては1斤食べてしまうぐらい大量に炭水化物を摂る。大変そうかもしれないけれど、ある意味、「今回は何食べようかな?」なんてイベント感覚で楽しんでいるんですよ(笑)。


3 rd element

北欧スタイルのわが家にて


マラソンをはじめてから約10年間ずっと、早朝から走ることが当たり前でした。だからつい最近まで知らなかったんですが、朝寝坊って本当に心地いいんですね (笑)! 私はベッドから脱けだすとまず深炒りの豆を挽いて、コーヒーを淹れて飲む。そんな朝のひとときが1日のなかでいちばん心地いい時間かな。カフェなら田園調布にある「えんがわ」。パテがおいしいお店で、ここでマッタリと過ごすのも大好き。民家を改造した北欧風のつくりで、北欧雑貨屋のような部屋に住む私の好みにピッタリ!


4 th element

キッチンで筋力トレーニング!


別の人生があるなら小料理屋さんをやっていたかも、というぐらいお料理が大好き。合宿先ではみんながファッション誌を見ているなか、私だけ料理本を読んでいましたから(笑)。いくつもの小鉢に繊細な料理を盛りつけたり、飛竜頭(ひりょうず)なんかを手作りしたりと、けっこう手がこんでるんですよ。スペインで食べて感激したサフランの煮込み料理も得意。お気に入りのル・クルーゼの鍋はお肉が早くやわらかくなるし、ほかのもので作るよりも美味しく感じる。重量があるので、筋トレにもいいし(笑)! 赤、黄色、青と色ちがいもだいぶ集まりました。


5 th element

3年間のわたし探し


2000年のシドニーオリンピックを境に、23歳から約3年間マラソンの第一線から遠ざかっていました。競技選手を続けるか、女性としてはやはり結婚も……。走るのはやめて完全に立ち止まり、ただもがいていた。そのあいだはミネソタでホームステイしたり、車の免許を取ったり、お料理教室に通ったり。そんな自分探しの旅にピリオドを打つきっかけとなったのは、ロンドンマラソンに参加する伊達公子さんの練習パートナーを務めたこと。彼女の楽しんで走る姿を見て「ああ、こういう走り方もあるんだ」ってはじめて気がついたんです。結果を残すためだけのレースではなく、エンジョイするためにもういちど走ってみよう。もやもやが吹っ切れた瞬間でした。


6 th element プラスα

女性ランナーとして


最近「きれいに走りたい」を実践している女性がふえてるなあって感じます。フォームはもちろん、ウエアやメークも意識しててみなさん格好いい。レースにはスタイルの規制はありませんが、私自身は走りのじゃまにならないようシンプルを心がけてきました。2月の「2007東京マラソン」は選手としての最後のレースにするつもりです。その後もゲストランナーのお話をいただいているので引退ではないけれど、少しペースダウン。これからは大好きなアクセサリーを身につけたり、ランニング・ファッションも楽しみたいですね。