Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ

杏

PROFILE

Ryoko Hirosue 1980年、高知県生まれ。女優。昨年末はドラマスペシャル『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン』『遙かなる約束』、短編映画『Presents~合い鍵~』など話題作への出演がつづき、2月10日からは阿部寛さんとともに主演を務める『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』が全国東宝系にてロードショーされる。またポニーキャニオンから好評発売中の『わんこ THE MOVIE』でナレーションを手がけるほかに、韓国人歌手MAY(メイ)の初アルバム『a Little Happiness』(1月31日発売)の収録曲『さよならの陽射し』のプロモーションビデオに主役として出演。現在、資生堂TSUBAKI、日本コカ・コーラ「からだ巡茶」、京王電鉄などのブランドキャラクターとしても活躍。オフィシャルサイトは、http://www.ryoko-hirosue.org/


インタビュー、文=齋藤正弘
(ジェイヌード)
撮影=奥村恵子(Image)


広末涼子 インタビュー
晴れやかな日にすてきな女性を夢見ながら

お花を習いたいと思っています。
お稽古をつづけることで
これまでとは違うものの見方、
奥深くにあることまで
みえるんじゃないかと思って。

おばあちゃんのぬくもりがこもった
大切なゆかたがあります

 そばにいると笑顔や歓声が自然とこぼれでる。広末涼子さんとすごす時間は、いつもそんなふうに流れていきます。「じゃあ、また会いましょう」と席を立つころには、なんだかとても元気がもらえて、うれしい気分になっているのです。
 たとえば「ちょっとみてください」とほほ笑みながらプリクラの写真をみせてくれたり、お気に入りの映画や本の話をしてくれたりと、会話の輪を楽しく華やかにするためのこころづかいがさりげなくできる。それが素顔の涼子さんの魅力です。
 この日の涼子さんはいつもよりゆったりとしたやさしい笑顔を浮かべていました。その表情はたおやかで、はんなりという表現がよく似合います。
 今回の衣装を用意してくれたのは、和装のスタイリストとして有名な江木良彦さん。着物は総しぼりの梅柄。帯じめと帯あげが、京風のはんなりとした風情をうまく引き立てています。
「この衿もとにみえる伊達衿っていうんですか? ほかの色もためしてみたんですけど、やっぱりこの若緑色に落ちついたんです」
 女性たちのために日本が何世代もかけて守り、高めてきた和装文化の奥深さに、あらためて涼子さんも感じ入っているようです。
 その涼子さん自身も母から娘へと受け継がれる、たくさんの贈り物に恵まれた女性のひとりです。
「さすがにお着物の機会はそれほど多くありませんが、毎年夏になるとゆかたを着るんですよ。最近はいろんなデザインの品ぞろえが増えて、お値段も手ごろになってきましたよね。ですから、おとなになってから買い足したものもあります。それでもわたしがいちばん愛着を感じているのは、おばあちゃんが何度もそでやすそを直してくれた、ずいぶん前から着ているゆかたなんです」
 お正月の時期になると、笑顔を浮かべながら、はつらつと家事を切り盛りするお母さんの姿が目に浮かぶそうです。
「実家では年越しそばを用意するのも、ちょっとした騒ぎになるんです。除夜の鐘とともに食べはじめて、0時までには食べ終えるのがしきたりでして、食べはじめは最初のひと突きよりはやくても遅くてもダメ。ぴったりに食べはじめないといけないんです(笑)。その段取りを取りしきる母はいそがしそうでしたけど、とても嬉々とした表情でした。それとわたしにとってのお正月料理といえば、やっぱり母の味になります。栗きんとんや松前漬け、煮しめ……。お雑煮は鶏に三つ葉、にんじん、大根が添えられています。わたしの好物ですか? おせちに入っていたレンコンの酢の物。酢の物って、男の人にはあまり口にあわないんですかね? お箸をつける人が少ないので、独り占めできてうれしかったです(笑)」
 日本といえば孤立した閉鎖的な島国というイメージもありますが、涼子さんにとっては島国だからこそ密度が濃くて深い、不思議な魅力があるそうです。
 そんな日本の晴れやかさがくっきりとあらわれる季節。それが、お正月。家族みんながすがすがしく、笑顔でいられるこの時期を迎えると、やっぱり日本人に生まれてよかったと実感するそうです。
 そんなふうに感じられる機会を、節分の豆まきや端午の節句、七夕といった季節を感じさせる年中行事をとおして、東京の生活でも増やしていきたい……。2007年を迎えての抱負を、涼子さんはうれしそうに披露してくれました。


お手本にしたいすてきな生き方の
女性たちに恵まれています

 伝統的な日本の価値観はもちろん、現代女性の姿を誇らしく感じることも多くなった、と瞳を輝かせながら涼子さんはいいます。
「日本女性の技術や感性が世界的に評価されるようになったと思うんです。女性の活躍の場がずいぶん広がりましたからね。それに女性の眼からみても『すてきだな、きれいだな』と感じられる人が多くなったと思いませんか? 奥ゆかしさやつつましさといった美徳を大切にしながら、伝統的な習慣や価値観をからだのなかに潜在的にもったうえで、さまざまなあたらしいことをとりいれて、学んでいるからだと思うんです」
 女性としての人生をより豊かに、いつまでも成長しつづけられるようにするためには、あたらしいことに挑戦することが大事。そう涼子さんはいいます。
「家庭に入っても趣味などをもち、毎日活発に生きている女性って、すてきだなぁと思うんです。それぞれの世界にある知識や技術を身につけることはもちろん、なにかに打ちこむことって、とても価値のあることだと思うんです」
 その口ぶりは、理想とする女性を目の前にしながら話しているかのように明快です。
「そうなんです。わたしのまわりには妻や母としての務めを立派に果たしながら、茶道に華道、ゴルフにテニスといった趣味にも熱心な女性が多いんです。そういう女性たちといっしょにすごすと、ものすごいパワーがもらえるんですよ。わたし自身は、主婦のみなさんが趣味として打ちこんでいるのとおなじくらい、あるいはそれ以上の喜びを与えてくれる仕事に恵まれていると思うんです。それでも『わたしもがんばらなくっちゃ!』って元気をあたえてくれる女性たちに会うと、わたしもそんな人になりたいと思うんです」