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Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ
PROFILE
Yuko Takeuchi 1980年、埼玉県生まれ。1年半ぶりとなる主演映画『サイドカーに犬』(シネスイッチ銀座、渋谷アミューズCQNほか全国ロードショー)が6月23日から公開。待機作に行定勲監督の最新作『クローズド・ノート』(9月29日から全国東宝系ロードショー)、『ミッドナイト イーグル』(12月から全国松竹系拡大ロードショー)など。また自著にエッセイ集『ニオイふぇちぃ』『ニオイふぇちぃ2』のほか、自身初のフォトエッセイ『タヒチ旅日誌 たびぼん』が好評発売中。現在、資生堂の美容サプリメント「コラーゲン EX」「コラーゲン アップデート」や資生堂「TSUBAKI」、JR西日本、JOMOの広告に出演中。
http://www.stardust.co.jp/rooms/ yuko/index.html
齋藤正弘(ジェイヌード) =インタビュー、文
奥村恵子=写真
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竹内結子 インタビュー
未来のためにいまは走るのです
薫は泣かない女の子でしたね。
それとも泣くに泣けなかったのかな?
わたしだったら
お父さんに体当たりして
ワーワー泣いていたと思う。
自分を殺す?
いいえ、自分を増やすんです
その容赦のない暑さや突然の雷雨のように、夏はいっさいのためらいなく世界を圧倒する。だから夏の出来事はすべてが幕引きされてから、さまざまな感傷を映した残像となって、じわりと深い感慨をもたらす。
「はなちゃん(薫を演じた松本花奈さん、9歳)と共演してみて、『どうしてかしら?』と考えさせられることがありました。カメラの前に立つはなちゃんには、計算なんてなにもないんです。それなのに演技として成立してしまうし、芝居のキャッチボールができてしまう。わたしにはとても不思議でした。でも、あとから気づいたんです。わたしはあれこれ考えすぎて、頭でっかちになっていたんだって」
映画『サイドカーに犬』という過ぎた日の夏の物語を振り返りながら、こころのうちの残像を竹内さんは言葉にしはじめた。
「わたしが演じたヨーコさんという女性は住んでいるところも職業もよくわからない。突然、薫の家にやってきて、台所でタバコを吸いはじめたりする。わたし自身の体験や感性では理解できないことの多い女性で、演じるための拠り所がみつからない。以前のわたしだったら、お引き受けしない役どころだったかもしれません」
『サイドカーに犬』の出演まで、しばらく映画の仕事を休んでいた。そのブランクを埋めるのに十分なほど、この作品はチャレンジングであり、結果的に多くの課題をあたえてくれた。
「出演を決めたのは、あたらしい視界が開けたら楽しいなぁと思えたからなんです。はなちゃんからあらためて気づかされたのも、お芝居というものは頭で考えるものではなく、目の前の相手とキャッチボールができるかどうか……。それはわたしを殺すということではなく、わたしを増やすこと。自分自身を型にはめず、振り幅を広げていくことなんです」
大人の女の真価が
問われるのは
つらいことに
直面したとき
あらゆることから学ぼうとする姿勢をもちつづける限り、こころの若さは保つことができる。いつまでも、みずみずしくいられる。それは女優であっても、ひとりの女性としてもおなじだろう。
「すてきだなと感じるのは『深い!』と、うなるような瞬間があるひと。そうしたひとたちと親交を深めるには経験はもちろん、知識や教養も大事だと思うんです」
それが竹内結子流、大人の女性のあるべき姿。その理想にはまだつづきがある。いわく「笑顔を絶やさぬ精神の強さとたおやかさ」があって「いかなる物事にも寛容で、丁寧な心配りと言葉遣い」ができること(自著『ニオイふぇちぃ2カロリーオフ』から)。
「つらいことが起きたとき、泣けば許されたのは子どものころまで。泣きはしないけど、不平不満をくちにするのは高校生ぐらい。だれもが文句をいいたくなることがあるんだから、そんなときこそ笑ってかわせるのがすてきな大人ですよね。笑いながら毒を刺すことができたら、さらに上なんですけど(笑)」
それらを煎じ詰めると、「ひとりで立って生きる」ことが理想。しかし……。
「かわいいといわれて、素直にうれしくなる自分がいる。その一方で『かわいい』の意味が愛玩動物を手のひらに載せてかわいがるようだとしたら、『イヤ、そーじゃない!』と思う自分もいるわけで。『なんでも思いどおりになると思うなよ!』と言い聞かせる自分がいる反面、『よしよし』ってされたい自分もいる。我ながら、ややこしいなぁと(笑)」
取材の日、朝から降りはじめた雨がやむことはなかった。それでも明けない夜がないように季節はめぐる。そして間もなく、夏の日差しのように笑顔のまぶしいヨーコさんはドロップハンドルの自転車に乗って、スクリーンのなかにやってくる。
「あらためて出演した作品を観ると、撮影の折々に抱いた感情や考えが甦るんです。それはなつかしむようなものではなく、現在の自分自身に訴えかけるなにか。応援だったり、いましめだったりするわけです。作品をつくることによって、毎日のわたしがそこに刻まれていく。いまという瞬間は二度と返ってきません。そしていまという時間が、わたしの未来をつくる。だから、立ち止まりたくはないんです」
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