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Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ
Juri Ueno 1986年、兵庫県生まれ。現在全国公開中の『奈緒子』を皮切りに、2008年は数々の出演作がつづく。2月23日放送のテレビドラマ『ロス:タイム:ライフ』(フジテレビ系、23時10分~)、2月28日の『まるまるちびまる子ちゃん』(フジテレビ系、19時~)、3月1日には『地球46億年冒険の旅 アース・オデッセイ“地球とは何だ?”』(TBS系、21時~)。そして4月10日から放映開始の連続ドラマ『ラスト・フレンズ(仮)』(フジテレビ系、毎週木曜22時~)の出演が決まっている。また犬童一心監督作品『グーグーだって猫である』などの劇場公開作品も待機中。
齋藤正弘(ジェイヌード) =インタビュー、文
枦木 功=写真
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上野樹里 インタビュー
ささやかでシンプルな
むずかしい約束
ハタチは大人0歳。
だからもうすこしで大人2歳です。
ハタチのころは焼けこげるくらい、
自分に目を向けていました。
いまはちょっと力がぬけたと思います。
気性があらいのもおさまった?
う~ん、おさまってないか(笑)
声なき号泣。
そのシーンが
生まれるまで
「ちょっとこのピアノみて。すごいよ!」
彼女のまえを歩くスタイリストやヘアメークさんたちは気にとめなかった、1台の古いピアノ。それはインテリアの一部として、目のまえの風景にとけこんでいました。
でも、彼女は見過ごしません。飛びつくように近づくと、鍵盤までのびたレースの覆いをはずすこともなく、レースのなかにあたまをもぐりこませて、ピアノを弾きはじめたのです。
でも、ホントに音が鳴るのかな? 感触を確かめたかっただけみたいです。流ちょうにワンフレーズだけ演奏すると、被写体である自分の到着を待つ撮影スタッフのもとへ走りよっていきました。
このようにして、上野樹里さんとの時間ははじまりました。
劇場公開作品としては前作の『虹の女神 Rainbow Song』などから1年と数カ月。その間に出演した『のだめカンタービレ』や『冗談じゃない!』といったテレビドラマとは、ヒロイン像や演じ方がまったくちがう、あたらしい上野樹里さんに会える。それが、最新作『奈緒子』です。
「映画の現場って、たいへんだから。そのなかでお芝居に集中するのも、やっぱりたいへん。でもその経験がつぎの作品づくりの免疫になるし、客観的に観てみても『奈緒子』から“つらかった感”が伝わってこなくてよかったです。なによりも奈緒子という役のおかげで、これまでにない自分を引きだしてもらえたのがよかった」
誠実で一途、でも少女時代からの暗い記憶をひきずる高校生、奈緒子。演じるうえでは極端にセリフの少ないこの役を、樹里さんはこぶしをにぎり、肩に力のはいった立ち姿や、深々とあたまを下げる長いおじぎ。そして「もう一度」と言われてもなかなか繰り返せない感情のはいった芝居で表現しています。
たとえば、こんなシーン。笑福亭鶴瓶さんが演じる西浦監督と駅伝部の仲間たちでできた人の輪から、すこしはずれたところに奈緒子はいます。そしてかれらを見守る奈緒子の顔が大写しされると、彼女は声をあげずに大粒の涙を流し、やがてよろこびや安堵の表情を浮かべるのです。
「このシーンは2回撮りました。1回目は三浦春馬くんが演じる雄介に目線をあわせた涙。そのときは咳こむような激しい涙を表現しました。そして2回目は西浦監督の気持ちを感じとりながら、静かに泣いてみました。結局使われたのは2テーク目。それでよかったと思います。雄介をずっと見守ってきた西浦監督の思いを重ねることで、より深いところがお客さんに伝わるんじゃないかと思うんです」
作品づくりへの強い思いと集中力。数々の現場から聞こえてくるのは、こうした女優・上野樹里への賛辞です。
「集中力といっても、カメラのまわっていない時でも『奈緒子です』とやっていたら不自然。意識して演じてることになってしまうから(笑)。カメラを向けられ、照明をあてられると自然に奈緒子になるんです。暗いお部屋に置かれたままの植物って弱々しいですよね。それがカーテンをザザーッと引いてお日さまの光をあててあげると、急に元気になる。そんな感じです」
そして「演じるということは生き方をみせて、感じてもらうこと」と言います。
「この『奈緒子』という映画は、生きることに背を向けていた雄介と奈緒子のふたりがちゃんと向きあい、前に進みだそうとする物語です。自分で演じていながらも、奈緒子の生き方っていいなぁと思いました。ちいさなことでもいいから信頼されること。シンプルだけど大切なことです。わたしは求めに応えられるニンゲンでありたい」
今度は
どんなポーズに
しようかな?
右足の赤いサンダルを脱ぐことからはじまった撮影は、自然にあふれだす樹里さんの表情やしぐさを追いかける時間でした。
「つぎ、どんなポーズにしようかな?」。感じるままに動いていた樹里さんの動きがとまり、「う~ん」と考えこむような空白がうまれたとき、樹里さんとの時間は終わりを告げました。
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