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Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ
Kou Shibasaki 1981年、東京都生まれ。2008年は4月26日公開の『少林少女』(本広克行監督)につづき、秋にはドラマ『ガリレオ』(CX系)の劇場版『容疑者Xの献身』(西谷弘監督)が公開される。また3月には初のベストアルバム『Single Best』『The Back Best』の2枚を同時にリリースするなどアーティストとしても活躍中。多くの楽曲の作詞もみずから手がけた。「女優として演じた役だからこそ感じることのできた感情が作詞のあたらしい引き出しを開かせることもあります」と柴咲さん
http://www.stardust.co.jp/rooms/kou/
森 鈴香(ジェイヌード) =インタビュー、文
奥村恵子(Image)=写真
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柴咲コウ インタビュー
虹色プリズム
光をあつめて
がんばるということは
辛抱して耐えることだと思っていたんです。
でもいまは少しちがう。
ちょっとでも楽天的になれたらいいなぁって。
そう。ひたむきに、笑顔で、前向きに。
大切なのは自分自身に
手をかけてあげること
この日、何度となく柴咲コウさんの口からくりかえされた言葉。それは「すこやかに」の5文字。この言葉は最新作『少林少女』で演じた凛という女性と向きあいつづけた日々を経て、柴咲さんのなかにあらたに書き加えられたキーワードだ。
「これまでのわたしはどこか自分にいいわけをしたり、へりくつを言ってしまうところがありました。そして日々『あれをしたい、こう生きたい』という欲でいっぱいでした。とくにあたらしい作品のつくりはじめのころは自分と向きあう時間が増えるので、自分のイヤな面ばかりが見えてくるんです。『もっとこんなふうになりたい』という欲望や願望と対峙せざるをえなくなる(笑)。でも凛ちゃんと出会えたことで、欲をそぎおとした自分でありたいと思えるようになりました」
柴咲さん自身にも大きな問いかけをあたえてくれた凛という女性。それは武術家の最強少女であるだけでなく、女性としてのこころの在りかたや生きかたを、柴咲さんにおしえてくれたのだ。
「本広克行監督とは作品の“こころ”について、たくさんお話ししました。カンフー映画といったら、やっぱり男性が主役。でもこの『少林少女』では女の子が武術をする。そのことの意味を知りたかったんです。監督とは、深い愛でやさしく包みこむようなものを見せていきたいということで考えが一致しました。大事なのは敵対する相手でも、そのひとを否定してはいけないということ。こころのやわらかさとすこやかさ、凛ちゃんならばそれを伝えられると思えるようになりました」
武術の神髄は暴力ではなくて、大切なひとを守ること。そう気づいたとき、いま柴咲さんが大事にしている“思いやる気持ち”と作品のメッセージがつながった。
「こころのやわらかさやすこやかさって、自分のいきざまにつながっていくこと。でも実際のわたしは、自分自身をきちんと愛してあげることさえむずかしくて、どうでもいい、適当でいいやと思ってしまうことがあるんです。だからいまはそうした考えを取りのぞくために日々闘い(笑)。ちいさなことでも自分にちょっと手をかけてあげると、気持ちがすこやかになれる。それがひとへの思いやりにもつながるんじゃないかと思えるようになりました」
でも1年後も2年後もおなじ考えかたでいるかというと、そうではないかもしれないと柴咲さんは笑う。
「いつも一定のところにとどまっていたくないんです。演じるのだって健全な役ばかりだったらあきてしまうから(笑)」
自分の足で立って
全体の景色をみないと
わからないものです
「わたしは、鏡なんです」
ひととのかかわりあいのことを、柴咲さんはそんなふうにいう。
「機嫌がよければすぐ顔に出るし、イヤなときは『やだっ!』ていう顔になってしまう。意志もすごく強いと思います。でも相手が疑い深い様子だと、わたしもうかがうような接し方になってしまうし、逆にあっけらかんとしていると気楽にさっぱりとしていられる。わたしは鏡。映すものによって姿がかわるんです」
たとえば『少林少女』で共演した岡村隆史さんとの関係はこんなふうだった。
「岡村さんはすごくニュートラルな方。存在感は大きいのに場の空気にしっくりなじませることのできるひとなんです。だからわたしも肩に力をいれることなく、合わせやすかった。あれ? 岡村さんが合わせてくださってたのかな(笑)」
あたらしい作品の現場には、そんな出会いがあれば奇跡だって起こる。
「現場ではものすごく考えて、真剣に作品と向き合います。どうしたら映画のなかで生きられるんだろう、どうしたら自分とおなじような想いで作品を観てくれるだろうって。だからいろんな目線をもつようにしています。作品をつくる過程で見えてくることもたくさんありますから」
たとえば仲村トオルさんをはじめとする体格にまさる男優たちとのアクションシーン。
「背の高い人が相手だと、相当がんばらないと気持ち的にも絵的にも負けてしまう。凛ちゃんという女性の精神的な強さも武術家としての強さも画面をとおしても伝わるようがんばりました」
柴咲さんは大きな眼をまっすぐに向けて、こう話してくれた。
「疑問やものたりなさは残したくないし、妥協もしません。そうやって一つひとつ丁寧に積み重ねていくと、しっかり受け容れていただけるものになると思うんです」
強く透明に輝く多面体のガラスは色とりどりに照らされながら、その角度によって幾色にも輝きを増す。柴咲さんの瞳は、そんなプリズムのような光をたたえていた。
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