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Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ
Takao Osawa 1968年、東京都生まれ。94年にドラマ『君といた夏』(CX系)で俳優デビュー。その後ドラマ、映画、舞台、ドキュメンタリーなどで精力的に活躍。2008年は6月7日公開の『築地魚河岸三代目』(松原信吾監督)、秋には初プロデュースを務める『ラブファイト』(成島出監督)や『ICHI』(曽利文彦監督)、09年には『GOEMON』(紀里谷和明監督)が待機中。また『名作の誕生』(TBS系、日曜日22時54分~)ではナレーションをつとめている。
http://www.coreinternational.jp/
森 鈴香(ジェイヌード) =インタビュー、文
奥村恵子(Image)=写真
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大沢たかお インタビュー
月と太陽の
メリーゴーラウンド
時間がたった
出演作を観かえすことはありません。
大事なのは
つねに成長して進化しつづけることだから。
そう、”いま”を生きなきゃね。
もう一度走り出すための スタートラインに立ち
「一度きりの人生だから、まっすぐのほうがいいじゃない?」
その言葉のとおり、まっすぐなまなざしを向けながら「社会には調和が必要だから、突き抜けすぎても大変。むずかしいよね」と笑う。
「でもそれ以外の生き方ができないんです、ぼくには。自分の思ったことをやってみる。それがほかの人たちに“ちがう”と思われてしまうようなら、この仕事は辞めたほうがいい。叫びたいことがあるからこそ役者をつづけられる。だから自分を曲げてまで役者をつづける価値はないんじゃないかと思うんです」
最新作『築地魚河岸三代目』で演じた旬太郎はいまどきめずらしいくらいに気持ちのいい一本気の直球男。
「そばにいたら相当迷惑でしょうね(笑)。でも彼の突拍子もない暴走行動の原点はまわりのひとへの愛。スジが通っているんです」
偶然に飛びこんだ築地魚河岸の熱気と活気に魅せられて、旬太郎は商社のエリートサラリーマンの道を捨て、仲卸人の修業を積む。独自の流儀をもつ魚河岸のひとびとは“晴海通りの向こう側”のよそ者と旬太郎を疎ましく思うのだが、人柄を知るにつれ徐々に受けいれてゆく。
「彼の人柄によってみんなが本気で気持ちをぶつけあい、ほんとうの笑顔に出合うことができたからなんじゃないかな」。「すなおにまっすぐ生きているひとには不思議な力があるんですよね」と大沢さんは目を細めた。
「不惑の四十。実感できる言葉ですね。3月に40歳になったばかりだから、40代の道のりはまだ先がながいけれど(笑)。ぼくはデビューが遅くて26歳でした。そのころは台本で予習をして現場で復習する。ある意味整然としたやり方をしていました。でも3年がすぎたころ『なんだかおもしろくない』と感じるようになってきた。役者という職業がではなく自分のやり方が、です。それからは迷ったり失敗したり、ひとから学んだり。そんな30代でした。でも40代の入り口からふりむくと、これまでの試行錯誤も『これからもう一度スタートを切るのに必要だったんだ』と思えるんですよね」
そしてあらたなるスタートラインに立った大沢さんにとって仕事とはなんだろう。
「仕事に対する価値観って何でもアリだと思う。だから目的は家族を養うでもいいし、週末に遊ぶためでもいいし、地位や名声を得るためでもいい。でもお金を稼ぐ手段だけだとしたら、さびしいよね」
そして「一生つづけてゆくことだから」と力をこめていう。
「仕事って社会とつながる場所でもある。だから自分の存在価値を高めるためにもそこにいつづけるべきだし、それが可能な場所なんだよね」
そして仕事に一生懸命なひとたちには共通するものがあるという。
「それは仕事が人格の一部分になっているということ。人格と仕事がリンクしている。そんなふうにいえばいいのかな? いまのぼくはというと……」
大沢さんは月と太陽にみたてた輪を両手でひとつずつつくり、離れていた二つの輪を顔の前で交差させた。
「こんなふうに重なって皆既食みたいになってしまいそう(笑)。でも長いスパンでみると近づいたり離れたりのくりかえしです」
人格と仕事が乖離するとズレが生じる。こと役者という表現の仕事において、ズレは演技にひずみをきたしかねない。
「ひずみをなくすために仕事をつづけているのかもしれません(笑)。完全に消えたと思ったら、またべつのひずみが現れる。でも完璧な人間なんていない。だからまず自分のなかにあるひずみに気づいてあげること。そしてそれをなくすよう努力することが、表現者として生きていくのに大切なことなんじゃないかな」
カモメと、
少年へ還る日
この日の撮影は『築地魚河岸三代目』のロケ地にもなった隅田川に接する岸壁でおこなった。そばでカモメにエサをやるひとの姿をみかけると、大沢さんは「ぼくにもやらせてよ」とうれしそうに声をかける。そしてエサをつまんだ右腕を大きく横にのばしながらカモメたちの旋回をみまもる。
「この子だと決めて、ずっと見つめていると、ほら! 何度も戻ってくるよ。ぼくの手にとまらないかなぁ」
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