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Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ
Miho Kanno 1977年、埼玉県生まれ。現在、7月クールの連続ドラマ『Tomorrow~陽はまたのぼる~』(日曜21時~、TBS系)に出演中。2009年の秋から放送開始の『坂の上の雲』(NHK総合)にも出演。またドキュメンタリー映画『パンダフルライフ』(毛利匡監督)ではナレーションをつとめる。「中国・四川省のパンダ繁育研究基地に海外の撮影クルーが入ったのははじめて。1年かけて熱意を伝えたたまものがこの作品。パンダがこんなに愛情深い動物だったんだと知り、ますます親近感がわきました」と菅野さん。8月30日全国ロードショー。 http://www.ken-on.co.jp/kanno/
森 鈴香(ジェイヌード) =インタビュー、文
奥村恵子=写真
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菅野美穂 インタビュー
あざやかにバトンタッチを決める方法
つらかったことも
時間がたてば輪郭がぼやけていいことだけが残っていく。
“忘れる”って神さまがくれた贈りもの。
年齢を重ねていくことで
確実に次のステージに進んでいる気がする。
おおらかにね。
30代の1周目で開けた視界は良好です
念願だったという30代に突入した菅野美穂さん。その1年目がまもなく終わろうとしています。
「この一年、仕事も遊びもめいっぱいしました。これまで手をつけてこなかったことも、どんどんやりたいと思うようになりました。夏の連続ドラマの出演も、これまではそんなに多くなかったんです。体力的にきびしいなって気持ちがどこかにあったのかもしれません。でも30になってからは……」
そして「うふふふふ」と肩をすくめる。「ずぶとくなったのかな。いまはキツさを楽しんでいます」。最近では仕事を“仕事”と思わなくなったそうです。
「とにかく楽しいんです。お芝居だけ一生懸命やっていればいい時期は、もうおしまい。いまは現場でも年長者としてどうふるまうかを考える。やっぱり順番なんですよね。バトンはすでに受け取っているし、これから渡していくものなんです」
現在オンエア中の連続ドラマ『Tomorrow~陽はまたのぼる~』で菅野さんの熱演が光るのは、天真爛漫でまっすぐな熱い志で患者と接する看護師、田中愛子。
「長年お世話になっている女医さんがいます。先生とは主治医と患者として、そして女性同士としてずっと結びついてきたと思っていました。でもわたしが看護師の愛子を演じたことで、これまでぜんぜん知らなかった先生の現実を教えていただいたんです」
聞けば自身で三代目になるお医者さまの家系に育った先生は、地方の開業医のきびしい日常を子どものころから間近に目にしてきたそうです。「医者は労働者じゃないと先生はおっしゃいました。“先生”とよばれる職業はすべて仕事というよりもひとつの生き方なんだと」
そして「これまでは患者の目線しかもっていなかったことに気づいた」と菅野さんはつづけた。
「どんな病気でも病院に行けば治るという安心感があたりまえのようにありました。でもお医者さんが大きなリスクや責任を負い、全身全霊で患者さんと向き合っているからこそ医療レベルが保てている。“あたりまえ”のひと言ではかたづけられないことが、たくさんあると気づかされました」
ひとごとではなかったけれど、知らずにいたことがたくさんあることをすこし悔やんだ。
「でも先入観がなかったぶん、見るもの聞くこと一つひとつにおどろきや感激があって吸収する力も伝えたい想いも強くなっています」
食べたいお皿には
ちゃんと手を
のばしましょう
「お芝居のなかでは、ひとの生き死にを目の当たりにしたり、大恋愛をしたり、立ち直れないぐらいのどん底に突き落とされたり、とにかく劇的な体験のくりかえしばかりだから、すこし感覚がマヒしてたのかもしれません。でもそれではいけないなと最近思うんですよね。『Tomorrow』では周囲の人たちからパワーをもらっているんだなってあらためて感じてます。作品をつくることそのものが、同じ時代に生きているひとたちと積みかさねたドキュメンタリーなんじゃないかなぁ。それぞれの役割のひとたちの思いがひとつの結晶になっていくんですよね」
キャリアを積み、自分のスタイルを表現できる立場になっても、そこに安住しようとはしない。
「なれていることをくりかえしていても“筋肉”は増えないでしょ。すこし無理をしてこそ得られる成果がかならずあると思うんです」
そしてどんなに忙しくても毎日リセットする時間をもつようにしている。
「撮影では体力はあまり使わないけど、緊張や集中で神経をたくさん使う。バランスが悪いんです。だから寝る前の5分間のヨガはどんなに遅く帰宅しても欠かしません。『人間も動物。“動く物”なんだから身体を動かさなきゃダメなのよ』と母に言われて、なるほどなぁと思いました」
休みの日にはふらりと散歩に出かけることも。
「蕎麦屋めぐりがマイブーム! 蕎麦屋のガイドブックももっています。ほかには最近、谷中や根津を訪ねたりもしました」
菅野さんは来年の秋から3年にわたって放送されるドラマ『坂の上の雲』で正岡子規の妹の律りつを演じる。根津、谷中は律のゆかりの地なのです。
「3年もかけて撮影するんです。だからふだんとはずいぶんちがう貴重な体験になりそうです。役と向き合う時間がたっぷりあるから、律が自然にわたしに染みこんでいく。わたし自身がリアルに3歳年をとるのが映像になっていくのも不思議ですしね」
当然、3年の撮影期間中にはほかの作品にも出演することになる。
「『坂の上の雲』をいったんはなれて出演者それぞれがちがう作品に参加する。そこで経験したことを持ちより、そしてまたわかれていく。これ、かなりおもしろいと思うんです」
とにかくやってみないと、が30代のキーワード。
「『やるぞ!』って腹をくくれるかどうかです。迷ったら、カーッとつっ走っちゃったらいい。食べたかったお寿司が次にいつ回ってくるかわからない、回転寿司といっしょです(笑)。いきおいが大事!」
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