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Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ
Ryoko Hirosue 1980年生まれ。2008年は野田秀樹さんの舞台『キル』にはじまり、連続ドラマ『ヤスコとケンジ』ではコミック原作のドラマに初挑戦。第32回モントリオール世界映画祭グランプリ受賞作『おくりびと』はロングランの大ヒットに。明けて09年は1月6日にスタートした連続ドラマ『トライアングル』を皮切りに、映画は5月1日公開の紀里谷和明監督作品『GOEMON』、秋公開予定の根岸吉太郎監督作品『ヴィヨンの妻 桜桃とたんぽぽ』などが待機中。
齋藤正弘(ジェイヌード) =文
丸谷嘉長=写真
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広末涼子 インタビュー
はじめましてを歓迎します
30代への
カウントダウン?
わたしには
無縁だと思います(笑)
いつもよりはやい冬の訪れを、広末涼子さんは11月上旬のパリで感じていました。早朝から出かけていったモンマルトルの丘では、見渡す景色すべてが冷たい霧におおわれていたり、リヴォリ通りの黄色にそまった街路樹も、急な冷えこみに身をちぢめているようです。
「このドラマのクランクイン直前に、5センチくらい髪をカットして、すこし明るめにカラーリングしました。『髪が軽くなった』と感じられるだけでも、あたらしい作品をはじめる前にいちどスイッチをオフにする、気持ちの切り替えになるんです」
パリから撮影をスタートしたあたらしい作品とは、現在オンエア中の連続ドラマ『トライアングル』のこと。これまでいわゆるサスペンスとはあまり縁のなかった涼子さん。今回はチャレンジングな作品になりそうです。
「新人でないのにチャレンジを意識できるのって、とてもしあわせなことだと思うんです。年齢を重ねると、“はじめて”の経験がすくなくなりますよね。意図的に“はじめて”を避けたり、あえて保守的になることも必要だったりします。でも自分ひとりの力では生み出せない刺激や、成長させてくれることって、やっぱり仕事のなかの“はじめて”にあると思うんです」
たとえば『トライアングル』の撮影直前にクランクアップした映画の現場では、「緊張のあまりに、おなかが痛くなったのも、いまではいい思い出です(笑)。おかげさまで、たくさんの“はじめて”に恵まれています」とうれしそうに言います。
「40代、50代と年齢を重ねた生きざまが、顔にあらわれている俳優さんがいますよね。でも女優の場合、円熟の魅力はもちろん、美しくありつづけることも求められると思うんです。“見られること”に緊張感や責任感をつよくもつのも、女優にはとても大事なこと。そんな思いをつよくさせてくれたのが、『トライアングル』でわたしのお母さんを演じている風吹ジュンさんです。撮影のあいまに『眼の充血には、こんな食べ物がいいのよ』とアドバイスしてくださったり、親切に接していただいてます」
こころの美しさが容姿にあらわれる。そして容姿を磨きつづけることが、こころの豊かさにもつながる。そのすてきなお手本と出会えて、涼子さんにもいい刺激になったみたい。
「20代後半って、中途半端。はやく30代になりたいと思っていた時期もあります。でも危機感やプレッシャーを募らせて、意識や行動にブレーキをかけてしまうのはよくない。いまを充実させることや、高い目標に目を向けるほうが、わたしらしくていいかなって思うんです」
だからでしょうか。「アラサー」という言葉を涼子さんが口にすることはいちどもありませんでした。かわりに「30代を意識するのはヤメよー会の会員第一号です!」と楽しそうに宣言してくれました。
むずかしいを
飛び越えれば
可能性は無限大に
広がります
パリからはじまった『トライアングル』の撮影は東京、大阪、そして上海へと舞台を移していきます。
「フランスへの機内では、読みたかった本を読むのに費やしました。わたしには1日が24時間では絶対的に足りないんです。やりたいことがたくさんあるし、やらなきゃいけないこともあって、いつもいっぱいいっぱい。だから飛行機のようなできることに制約のある環境って、ひとつのことに集中できるからとても貴重なんです」
そして「役に助けられることがある」と涼子さんは言います。それは自分ではないもうひとりの女性としての濃密な時間のなかに充実感、地に足がついたリアリティがあるから。
「映画やお芝居を観て、泣いたり笑ったり、すなおに感情を動かすことができれば、誰でも役者になれると思うんです。だから子役さんのお芝居には、ありえないような奇跡が起きたりするんです。でもおとなになると経験がジャマをしたり、『こんどはこんなアプローチでいってみよう』とか意識が働きすぎたり。自然体を保つのがむずかしくなってきます。でもだからこそ、この仕事に完成型はないし、可能性は無限大だと思うんです。たいせつなのは、ハート。カラダひとつでチャレンジしていくことができるから、やっぱりわたしは女優というお仕事が大好きなんです」
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