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Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ
Aoi Miyazaki 1985年、東京都生まれ。2008年にNHK大河ドラマ『篤姫』で歴代最年少の主演という大役を務めあげ、09年は青山円形劇場での舞台『その夜明け、嘘。』(2月7~23日)で幕を開ける。つづいて映画『少年メリケンサック』(宮藤官九郎監督、2月14日公開)、『劔岳 点の記』(木村大作監督、6月20日公開予定)が待機中。またドキュメンタリー『感動地球スペシャル 宮﨑あおい 心にしみるアフリカ~生命輝く大地・ルワンダ』(3月1日16時5分からCX系でオンエア)にも出演
http://www.aoimiyazaki.jp/
森 鈴香(ジェイヌード)=文
奥村恵子(Image)=写真
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宮﨑あおい インタビュー
すべての運命は必然だから
想いがまちがって伝わるのが
いちばん悲しい。
だからインタビューはいつも一生懸命。
でも「どうして感動したの?」という質問に、
無理して理由をつけるとウソになってしまう。
こころを動かされることに理由はないこともあるし。
だけど一生懸命”伝える”ことは
がんばるようにしています。
ライヴのステージで
ほほ笑む宮﨑あおいと
ライヴの客席で
立ちすくむ栗田かんな
昨年12月8日、宮﨑あおいさんは日本武道館のステージに立っていました。それは和製ロック界の重鎮から若き歌姫まで総勢16組のアーティストが一堂に会した「Dream Power
ジョン・レノン スーパー・ライヴ」。そのなかで“女優・宮﨑あおい”はジョンの遺志を未来へと語り継ぐ名曲『Love』と『Imagine』の歌詞をやさしい笑顔で、明るくゆっくりと朗読したのです。
「お客さんとステージをつくっていくライヴ感をアーティストは日常的に体感しているんですよね。それってすごく幸せなんだろうなって感じました。それに、歌っていいなぁ。こんなふうにみんながひとつになれるものなんですね」
その夜、音楽をとおしてこころが熱くなる体験をしたあおいさん。最新作『少年メリケンサック』ではレコード会社の新人発掘部で働く契約OL、栗田かんなを演じています。契約切れ寸前の苦境に立たされ、「今度こそ売れる新人を!」と動画サイトをあさる毎日。パソコンとにらめっこをつづけるかんなの目に飛びこんできたのは、“ヤバい”ライヴパフォーマンスを繰り広げるイケメンパンクバンド。しかし契約交渉のために彼らを訪ねたかんなの前に現れたのは、くたびれ果てたダッサイオッサンたち。
宮藤官九郎さん監督脚本作品ならではの、ぶっとんだ物語にふさわしく、これまで見たことのないハジケた宮﨑あおいさんがそこにいます。
「この作品の撮影をしたのは『篤姫』の撮影期間中でした。だから『どうやって切り替えてたんですか?』ってよく聞かれるんですけれど、わたしには“切り替え”という概念そのものがないんです。現場に入ると自然にその役になるので、たいへんと感じたこともないんです」
だからはじめて演じる思いっきりハジケた、いまどきっぽい女の子だからといって、役づくりに精神を集中させていくという作業をすることもありません。
「そういえば男性の役者さんにはそういう作業をされる方が多いかもしれませんね。男性のほうが繊細で敏感なんじゃないですか? 女性はあっけらかんとしてるのかも(笑)?」
守ってあげたい…
その想いは
世界に広がっています
かんなが発掘したバンドのベーシストを演じる佐藤浩市さんとは、昨年公開された『闇の子供たち』で共演したばかり。
「『闇の子供たち』では緊迫した状況で、おたがいの主張がぶつかりあう役どころでした。こんなこと生まれてはじめてのことでしたが、撮影中に声が出なくなってしまったんです。プレッシャーや緊張もあったと思うんですが、なにより浩市さんのオーラに圧倒されてしまったんでしょうね。正確には浩市さんが演じた臓器移植を必要とする子どもの父親に。でも『少年メリケンサック』の現場で再会した浩市さんは、髪にパン粉をつけた“汚いおじさん”になっていて(笑)」
そんな佐藤さんと木村祐一さん、田口トモロヲさん、三宅弘城さんの4人が演じるバンドメンバーたちと撮影の3週間をすごすうちに、あおいさんのなかに生まれてきたのは「お母さんの気持ち」。
「23歳のわたしが言うのもおかしいんですけれど、かんなちゃんとしても『わたしがいてあげないと!』ってわが子のような気持ちになるし、宮﨑あおいとしても4人の役者さんたちが困っていたり、傷つけられたりしたら守ってあげたいって思えてきたんですよね。お仕事をするたびに守りたい大切なひとがふえていくし、守ってあげたいと思ってもらえることも多くなってくる。そうすると『わたしでいいんだな』っていう小さな自信と安心感に包まれるんです」
共演者やスタッフとのあいだに生まれる親密な感情や絆。それは『少年メリケンサック』でも、確かに感じることができたようです。たとえばクランクアップのその夜。
「わたしの最後の撮影が朝の3時までかかってしまって。浩市さんたち4人は居酒屋を転々としながら、わたしを驚かそう、喜ばせよう、泣かせようってあれこれ策を練りながら待っててくださったんです。路地に咲いている花を摘んできてくださったり(笑)。後日みなさんにはお礼のお手紙をお届けしました。こんなふうにうれしいことを、これからも出会う人たちと重ねていけたらいいですね」
「すべてはめぐり合わせだと思います」と、まっすぐな瞳を向けしっかりとした口調で、あおいさんは言います。
「すべては運命であり、必然なんだと思うんです。いろんなできごとが不思議とちゃんとつながってくる。だからつらいことに直面しても、“いい出会い”なんだと思います」
そしてあおいさんが表紙を飾った小紙のバックナンバーを手にとりながら、なにかを確かめるように言葉をつづけます。
「むかしから考えていることはずっと変わらないんです。昨年お話ししたことと、いまのわたしではなにもちがってないと思ってます。もともと頑固だから一生変わらないんじゃないかな(笑)」
あおいさんが数年前から抱きつづけている夢は、貧困に苦しむ世界の子どもたちのために学校を建てたいということ。
「でも夢として語っているだけで、なにも形に残せていません。だからすこし焦りはじめています。幸せなことにモルディヴや中国の雲南、最近ですとルワンダなどにドキュメンタリーなどの仕事で訪ね、たくさんの“知る”という経験をさせていただきました。だからいまのわたしが最低限担えるパート、“伝える”を着実にがんばっているところです」
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