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Step ahead 日本女性としてさらに輝く先へ
Yuko Takeuchi 1980年、埼玉県生まれ。近作は映画『チーム・バチスタの栄光』、ドラマ『薔薇のない花屋』、そして最新主演作『ジェネラル・ルージュの凱旋』と病院を舞台にしたヒロイン役がつづく。宮藤官九郎さんが脚本を担当した『舞妓Haaaan!!!』の水田伸生監督と主演・阿部サダヲさんが再びタッグを組む、11月公開予定の『なくもんか』では、初のコメディー映画に挑戦する。
http://official.stardust.co.jp/yuko/
齋藤正弘(ジェイヌード) =文
奥村恵子(Image)=写真
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竹内結子 インタビュー
白磁のような人だけど
精神的にも経済的にも
お医者さんが安定してないと患者は不安。
お医者さんを守るシステムはないの?
かっこよくて尊い医師たちの戦いのあとで
考えさせられました。
みたことのない
わたしとの
出会いを求めて
「こんなのいいなぁと思う、花びんを描いてみませんか?」
そう竹内結子さんに問いかけられたとき、一瞬事情が飲み込めませんでした。
「田口公子という人物からは、はっきりした色が感じられませんでした。悪い色ではないんだろうけど、透明でもない。乳白色のような感じでしょうか」
そんなふうに自分が演じた田口という女性を語りながら、ふと出てきたのが、冒頭の問いかけ。すこし間を置いて「絵を描くのか」と気づいてからは、みずからの愚鈍さを悟られないよう、一気に花びんを描きあげました。
「その絵の花びんは、描いた本人をあらわしているんです」
テーブルの向こうからこちらの手もとにある絵を観察しながら、結子さんは話をつづけます。
「わたしが描くと、乳白がかった白くて、ツルリとした花びんになるんです。認めたくないと思いながらも、わたしと田口は似ているかも。薄々とそう感じてました(笑)」
芝居をとおして人間を知り、人間がくり広げるドラマを現実のことのように表現する女優たち。彼女たちが言葉にする役どころは、本人との距離感や相違点を教えてくれます。それはつまり、キャストと本人、ふたりの女性について語ってくれるということ。
竹内結子さんが演じた田口は、昨年大ヒットした『チーム・バチスタの栄光』の続編『ジェネラル・ルージュの凱旋』のメーンキャストのひとり。その田口との共通点として挙げられたのが、乳白色というキーワード。包み隠すことのない透明でも、他者を拒むような漆黒でもない色だからこそ、田口公子として生きた『ジェネラル・ルージュの凱旋』の時間には、いくつかのはじめての体験があったそうです。
たとえば、役づくりのこと。女優さんなのだから衣装やメーク、生活空間など、女性らしさを演じるためのきっかけが、一般的には多いはず。それなのに田口の場合、「メーク時間は15分。前の晩に髪を洗い、そのまま出てきたかのような無造作」とあっては、ちょっとお気の毒のようだけど。
「お医者さまでありながら止血するでもなく、『バナナが食べられなくなったら、もう生きていけない!』と訴える患者の言葉を受けとめるのが、心療内科医、田口の姿です。受け手に徹する役でしたから、あらかじめ準備はしません。いろんな人が自分の状況や感情を好き勝手にぶつけてくるのを、田口として『ああ、この人はこうなんだ』と受けとめていくのです」
結子さん自身も、他人にこぼされたり、あるいは聞かなくていいことまで拾ってしまうタイプだといいます。でも、そこでなにかしてあげないと、と思ってしまう人情に厚い結子さんに対して、リングサイドのセコンドの陰に隠れて、涙ながらになにかを訴えている。それが田口公子。
「そんな田口だったからでしょうか、共演の貫地谷しほりちゃんから意外なことをいわれました。わたしがこころを開いてくれたから、しほりちゃんもいろんなことを話せたって。わたしの好きなコーラ味のグミを『食べる?』と聞いたのがきっかけで、出番待ちの3時間くらい、ふたりでおしゃべりしたんです」
そんなふうに共演者と親交を深めたのも、今回がはじめて。
「いつものわたしだったら、進んでメールアドレスの交換はしないのに、今回は『はいはい、どうぞ』って(笑)。それも田口という女性を生きたからなのかなあって」
つくりこまないという役づくり。そして人づきあいは、あまり器用ではないと思っていたはずの自分の変化。そうしたことは作品としての仕上がりにも、投影されていると結子さんはいいます。
でもそれなのに、次の現場にその手ごたえはもちこまないといいます。
「おなじ感覚や体験をくり返すだけなら、あたらしい作品に挑む価値がないというか。チェンジ・ザ・ワールドが、今年のわたしのキーワードなんです。今回はこういうことがあった、じゃあ次はどんなことがあるんだろう? 橋の向こうになにかがあるかもしれないし、いきなり目の前にストンとなにか落ちてくるかもしれない。それを手にとらずにはいられない。『なに、なに?』って(笑)」
と話しながら、また田口との接点をみつけたみたい。
「やっぱりわたしも受け身なのかなぁ。でも来たものを『おっ!』と思えたら、迷わずに手をのばしたい」
わたしの世界を
変えていく。
すでにそのテーマは
はじまってます
色彩心理学で、白色系は純粋や誠実。そこに乳白が加わると、あたたかみが増すそうです。では筆者が描いた花びんを、結子さんはどのように分析するのでしょう?
「素材は土で、ピリッと割れてしまいそうな、薄い質感ですか……。まずぬくもりが伝わってきますよね、土はだれでも安心できる素材ですから。それと薄い材質なのは、やっぱり男性らしいデリケートさのあらわれではないでしょうか(笑)」
この鑑定はインタビューの最後の最後に、あえて尋ねて答えてくれたこと。
「わたし自身はその時々で本心を明かさず、あとから遠慮がちに『あのとき実は』と口を開くタイプ。やっぱり乳白なんでしょうかね(笑)」
そんな結子さんの次回作は、周囲への遠慮や恐れを知らない、開き直りの面倒くさい女。チェンジ・ザ・ワールド。それはもうすでに、はじまっている!?
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