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Superfly

スーパーフライ 2004年、大学の音楽サークルで越智志帆さんを中心に結成。07年にシングル「ハロー・ハロー」でデビュー。1stアルバム『Superfly』ではオリコンアルバムランキング2週連続1位、2ndアルバムでは2作連続1位獲得。1960~70年代の音楽への敬愛にSuperflyならではの多彩な“音”をミックスさせた独自の音楽性、そして志帆さんの圧倒的なボーカルが魅力。6月から全国32都市を回る過去最大規模のツアー「Superfly Tour 2011“Mind Trave
ler”」が決定!
http://www.superfly-web.com/

小西樹里=インタビュー、文
奥村恵子(image)=写真


Superfly インタビュー
そのままのわたしでいい

歌いながら
深い呼吸をすることが、
自分が生きていると実感できる
瞬間だったのです


ふと立ち止まったら
外の世界が広がった


 今年デビュー4周年を迎えたSuper
fly。6月に発売される待望のサードアルバム『Mind Travel』は、じつはこれまでのアルバムと作りかたが少し違っています。デビューしてから「息をつく暇がないくらい走り回っていた」というSuperflyの越智志帆さんは、アルバムの制作に入る前に1カ月間のお休みをとったのが大きかったのだそう。
「お休み中は、いろんな人の話を聞いたり、外でゆっくり食事をしたり……。地元の愛媛に戻って自然の偉大さにあらためて気がついたし、見た映画や飼っているイヌとか、外からの刺激を受け入れられるようになって、自分の心の深いところに触れることができました。それまでは『なにか感じなきゃ』と焦るくらい空っぽになっていたから、とにかくインプットしたいという気持ちがあったんです。お休みしてリセットができて、すごく穏やかな心境で日々を暮らせるようになりました。そんな日々のなかだからこそ生まれる、幸せや喜びや不安の感情をかたちにして伝えたいと思いました」  そうしてできあがった14曲をまとめたアルバムのタイトルは、曲名にはない「Mind Travel」(心の旅)。それは、ひとりで悶々と悩みながら感じたことを歌にしているときの感覚が、旅先で異空間にポンとおかれたときに世界のありようをボーッと眺めながら自分の答えを探しているときの感覚と近かったからです。
「『Mind Travel』は、今までの作品の中でいちばん楽しみながらできました。お休みを経て、いま自分が何を感じられるのかなっていうのも楽しみだったし、いろんな雰囲気の曲を歌える楽しみや喜びを素直に感じていました。メロディーについても、今までは多保孝一くんの作る完璧なメロディーを守らないといけないという気持ちがすごく強くあったんですけど、私が発信したいこととメロディーがあっているかどうかを慎重に追求できました。そういう“崩す”楽しさや、そこからまた新しい曲に変わっていく楽しさもこの作品に濃く出ています。雨の日でも雨をやませてくれるような明るい曲ばかりなので、落ち込んだときも幸せな気分のときも、そばにいることができるアルバムだと思っています」  志帆さんが書く歌詞にある、背中をすっと押してくれるようなポジティブさや日常のふとした瞬間の心の機敏さは、これまでとすこしも変わりません。でも、どこか肩の力が抜けたようなやさしさが伝わってくるのは、きっと自分自身と本気で向き合いながら心の旅を続ける強さが備わっているからなのでしょう。また、昨秋にはじめたジョギングが、予想外のところで自分自身の発見につながったのだとか。
「『Sunshine Sunshine』で“簡単なことさ/歌は呼吸をすること/生きていると/今を感じる瞬間なんだ”という歌詞を書きました。歌うことは自分にとってあたりまえで楽しくて、喜びでもあり快感でもあったけど、なんでこんなに気持ちがいいのか、自分でもわかっていなかった。だけど、ジョギングをしていて、長い間走って苦しくなったときに、ふとゆっくりと深呼吸をしてみたんですよ。そうしたら頭がすごくスッキリして歌うときの感覚とすごく近かったんです。歌は思いっきり息を吸い込んで、言葉と一緒に思いっきり吐き出すことのくりかえしだから、深呼吸のくりかえしなんだってことに気がついて、ああ、そういうことだったのかって。歌いながら深い呼吸をしていることが、自分が生きていると実感できる瞬間だったんです」


必要とされたとき
そばにいられる音楽を


 3月11日、志帆さんはテレビ局の楽屋で東日本大震災に遭いました。
「震災後の2、3日は現実に対して音楽の力の及ばなさを痛感してつらかったです。そして『You & Me』(アルバム未収録)という曲に、被災地と被災地を見守る人たち双方への想いをこめました。きびしい現実に直面したとき、音楽は必要とされないけれど、私は音楽を作ることしかできません。音楽を作りたいという気持ちは大きいけれど、受けとってもらえる人がいてはじめて成立するのが音楽だから、必要とされないと考えるのはとてもつらかった。そんなときにマネジャーと会話をし、配信した曲の売上金を被災地に送れるかもしれないと聞いて。電話を切った直後に『You & Me』のメロディーがリフレインしはじめました。きっかけがなかったら、作りたいという気持ちをなかなか曲に表現はできなかったかもしれないので感謝しています。“がんばれ”とか“ひとりじゃない”と私は言えないけれど、一人ひとりが気持ちを強く持つことが大事だと信じています。被災地の方々に心のケアが必要なときがきたら、音楽でそばにいられるようなものが用意できているといいなと思います」
 今年27歳になり、「30代になるのが楽しみ。30代になると何が見えるのか、早く感じてみたい」という志帆さん。6年前に上京してきたばかりのころは根拠のない自信だけがあったと笑いますが、Superflyの曲は私たちに、どんなときでも自分を信じていられる気持ちの強さをわけてくれます。
「なにかを信じるだけで行動を起こせるのはすごいですよね。いまも自分にすごく可能性を感じられる瞬間がたまにあって、急に積極的に動こうとする自分がいるんです。こういうものを作りたいと確信が持てたときの自分の想いは強い。デビューしたころは、インディーズ活動をしていたわけでもなくてキャリアがなかったので、自分で自分を信じていました。あのときの私に声をかけるとしたら、『そのままでいいよ』って声をかけてあげたい。『自分、がんばれよ』って(笑)」