Step ahead さらに輝く先へ

伊勢谷友介


Yusuke Iseya 1976年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部修士課程修了。98年、在学中に『ワンダフルライフ』(是枝裕和監督)で俳優デビュー。2003年には『カクト』で初監督を務めた。また08年、「人類が未来の地球で生き残るためにいったい何ができるのか?」というテーマを掲げ、新しいビジネスモデルを展開する「リバースプロジェクト」を発足。12年は、監督第2作『セイジ─陸の魚─』が2月18日に公開される。 http://www.rebirth-project.jp/

写真=ミズカイケイコ
森 鈴香(ジェイヌード)=インタビュー、文


伊勢谷友介 インタビュー
人類のひとりとして
いま地球を見つめる

どんな仕事であっても
そこに社会ができる。
たがいに切磋琢磨し
問題を乗り越えていく。
その関係性がおもしろいんです


35歳の大人として
僕がなすべきこと


 未来の地球上に、人間は存在するのだろうか──。いま、この疑問に対して危機感を持って行動しているひと、それが伊勢谷友介監督だ。2008年、伊勢谷監督は、人間の生活によって本来の姿から変わり果てた地球と社会の環境を見つめ直し、未来の人類の生活を新たなビジネスモデルとともに創造する「リバースプロジェクト」を立ち上げた。斬新なアイデアで衣食住をはじめエネルギーや教育、メディアなどの分野で活動している。
「監督として映画をつくるときはもちろんですが、役者としても、つねに作品がもつテーマに賛同して参加しています。僕が持っているテーマは、リバースプロジェクトでの活動をふくめて“人類が地球に生き残る”ということです。だから、それに関して人々の思考をうながしたり、サステナビリティ、つまり“継続しうるカタチ”を提唱しつづけたいと思っています。映画であれば、そのアンチテーゼになる作品でもいいですし、僕が作品の中で悪者として“最悪”を示すこともあります。表現としてはどっちの方向に転んでも、僕というフィルターを通して社会にあるものを表現しているんです」
 03年、監督デビュー作『カクト』を撮り終えた26歳の伊勢谷監督は、「何になりたい」という目標は達成した。でも「何を為したのか」という自身への問いには答えられなかった。そのころ出合ったのが、のちに自身で映画化することになる小説『セイジ』。この物語と向き合ううちに生まれた「映画はあくまで“虚像”。実像を作らなければ」という使命感と監督のなかに存在していたテーマが重なり、プロジェクトは生まれた。そしていま「35歳の大人として何を為すべきか」という問いが自分の中心にあるという。
「“希望を持っていこう”ではなく、“ちゃんと見つめよう”ということ。いま地球では、人間が生きていくうえでの一番の敵が僕たち自身になってしまっているんです。それに気づかないまま、この環境をなんとなく続けていくことは、人類を絶望たらしめることになる。だけど、この状況をあきらめずに行動することが、僕自身の正義です。将来について考えることは、人生をどう楽しむかということではなく、変革していく社会に対して自分は何ができるのか、現実にどう反応していくべきなのか。それを行動に移せば、自分の仕事になるんですよ」



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