第15回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞の授賞式が12月10日、東京・新宿区内のホテルで行われ、文化貢献部門の大賞に選ばれた『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』(朝日新聞出版)の著者、朴裕河さんが韓国から来日して出席しました。

 授賞式では、まず、早稲田大学の鎌田薫総長から各大賞受賞者に、表彰状と記念メダルが授与されました。続いて、選考委員を代表してルポライターの鎌田慧氏が受賞作品を講評、『帝国の慰安婦』については、「(この作品には)すごく驚かされた。帝国主義の枠組みの中で、人間の精神がどうなっていくのかを、丹念に掘り起こした。ほとんどの委員が推薦し、ほぼ満場一致で受賞した。今後の日韓関係の中に自立していく歴史的な作品だ」などと語りました。

 これを受けて、朴さんは受賞スピーチの中で、「(韓国で刑事起訴されているため)日本の入国カードに『刑事判決を受けたことがありますか』と書かれていて、それがすぐ目に入ってくるような入国だった」と自らがおかれている状況に触れながらも、「一般人に読んでほしいと思って書いた」「今回、本当にいろいろな方たちに助けていただいた。みなさんに感謝できる場を与えられてうれしい」などと話しました。
 授賞式の後、レセプションが開かれ、受賞者たちを囲んでお祝いの会話が弾み、和やかなひと時となりました。


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