司馬遼太郎『街道をゆく』

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中高生から大人まで!
司馬作品に出合う、最初のきっかけに。
文字が大きくなった〈用語解説・詳細地図付き〉が登場。

私はどうにも
近江がすきである

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司馬遼太郎『街道をゆく』
〈用語解説・詳細地図付き〉
近江散歩

ISBN:9784022513502

「私はどうにも近江が好きである」と、『街道をゆく』シリーズで、すでに足を運んだ滋賀県を再訪した司馬さん。彦根城や姉川の古戦場、安土城趾などをめぐる旅の合間に、安藤広重の浮世絵に描かれたままの、変わらないたたずまいのもぐさ店を見かけ、胸をなでおろします。バブル経済を迎えようとする1980年代初頭の日本で繰り広げられていた乱開発。その魔の手が、琵琶湖の水質汚染を招いていることを目にし、旅の終盤では日本の行く末を憂う言葉が散見されるようになります。

奈良にきた以上、
阿修羅にごあいさつに
ゆきますか

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司馬遼太郎『街道をゆく』
〈用語解説・詳細地図付き〉
奈良散歩

ISBN:9784022513519

春浅い東大寺を訪れた司馬さんの目的は千年以上つづくお水取り(修二会(しゅにえ))を見学することでした。藤原鎌足の墓所がある多武峯(とうのみね)、藤原氏の氏寺として栄えた興福寺など、時の権力者の意向で翻弄された歴史を持つ寺社仏閣を訪れたあとに、気が遠くなるほどに何ひとつ変わらない伝統行事に触れ「この世にはうつろわぬものがあるという安堵感」があると述懐し、文明や文化のあり方について思索を深めていくようすを感じられます。

とりあえずは
江戸っ子の
産地じゃないか

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司馬遼太郎『街道をゆく』
〈用語解説・詳細地図付き〉
本所深川散歩

ISBN:9784022513526

東大阪在住の司馬さんが、「とりあえずは江戸っ子の産地じゃないか」と思い、訪ねることにしたのは本所深川でした。川並(筏師(いかだし))や鳶の頭(かしら)に話を聞き、本所の町家が舞台の「文七(ぶんしち)元結(もつとい)」、この辺りで江戸時代に盛んに行われていた「大山詣(おおやままい)り」、富岡八幡宮が登場する「富久(とみきゅう)」といった古典落語を枕に名所を訪ね歩きます。三遊亭園朝や三代目柳家小さんなど明治時代に活躍した落語家たちに触れたあとには、夏目漱石、芥川龍之介ら明治の文豪たちにまで話が及んでいきます。

わたしにとっての
神田は、おもに
神保町のことである

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司馬遼太郎『街道をゆく』
〈用語解説・詳細地図付き〉
神田界隈

ISBN:9784022513533

「古本屋さんと出版社と、それに付随する印刷屋のまち」神田。江戸時代は火事を避けるための野っ原(=火除地(ひよけち))だったこの町は、時代が転換したことで、近代日本の知性を支える学生街へと変貌していきます。福沢諭吉、森鴎外、夏目漱石、正岡子規、岩波書店の創業者である岩波茂雄、そして司馬さんが敬愛する古書店の店主たち……。この街に住み、かかわった人びとの足跡をたどり、近代日本の知性の源泉に迫ります。

司馬遼太郎 space 司馬遼太郎 (しば りょうたろう)

1923年、大阪府生まれ。大阪外事専門学校(現・大阪大学外国語学部)蒙古科卒業。60年、『梟の城』で直木賞受賞。75年、芸術院恩賜賞受賞。93年、文化勲章受章。96年、逝去。主な作品に『燃えよ剣』、『竜馬がゆく』、『国盗り物語』(菊池寛賞)、『世に棲む日日』(吉川英治文学賞)、『花神』、『坂の上の雲』、『翔ぶが如く』、『空海の風景』、『胡蝶の夢』、『ひとびとの跫音』(読売文学賞)、『韃靼疾風録』(大佛次郎賞)、『この国のかたち』、『対談集東と西』、『草原の記』、『対談集日本人への遺言』、『鼎談時代の風音』、『街道をゆく』シリーズなどがある。