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第22回國華賞贈呈式
第22回國華賞(2010年度)は選考の結果、次の2名の受賞者に國華賞が贈呈されました。同賞は日本および東洋の美術に関する優れた研究に対して、毎年、國華賞顕彰基金から贈られます。本年度の選考は、浅井和春氏(青山学院大学教授)を委員長とする12名の國華賞選考委員により行われました。展覧会図録賞、奨励賞については該当作なしとの結論で、賞の贈呈は見送られました。
 第22回國華賞受賞者の2名。向って右から古原氏、内藤氏。 |
[國華賞]
古原宏伸氏(奈良大学名誉教授)
『米芾「画史」註解』上・下 (中央公論美術出版、2009年9月、2010年6月)
[國華賞]
内藤栄氏(奈良国立博物館学芸部部長補佐)
『舎利荘厳美術の研究』 (青史出版、2010年3月)
贈呈式は10月28日、東京・築地の朝日新聞本社レセプション・ルームで行われました。秋山耿太郎朝日新聞社社長が冒頭にあいさつ、続いて河野元昭國華主幹から受賞者に賞状・副賞・記念品が手渡されました。國華賞受賞の両氏はともにご夫人同伴で出席。浅井和春選考委員長が選考経過を報告したあと、同会場で和やかな祝賀会が催されました。
■選考理由
『画史』は北宋の書画家である米芾が著した画家や絵画に関する覚書や注釈をまとめた著作である。しかし、個々の断章(条)から成り、難解な用語や内容的に相矛盾する条も見られるため、部分的に引用されても、全体を通じた解釈は皆無であった。古原氏はこの書に綿密は考証を加え、米芾の観画の記録として立体的に再構成した。本書は、『画史』についての初めての精緻な註解であり、『画史』の定本といえる。『画史』の全体は198条に整理し直され、各条に釈文を加え、さらに資料として関連する地図、絵図、写真、参照絵画の複写など、上・下巻を通じて1000点近い豊富な挿図が収録されており、中国絵画史の重要な証言である『画史』が、その数層倍の厚みと深さで蘇った。
■略歴
古原宏伸氏
1928年、東京に生まれる。62年、東京教育大学仏語仏文学科卒業、65年9月、東京大学大学院中国哲学専攻博士課程中退。同年10月、京都大学人文科学研究所助手。69年4月、奈良大学文学部助教授、79年4月、教授、97年3月依願退職。
この間、台北国立故宮博物院留学(67〜68年)、東京大学東洋文化研究所留学(71〜72年)、米国プリンストン大学、カリフォルニア大学バークレー校留学(76〜78年)。80〜82年、ドイツ・国立東洋美術館(西ベルリン)で同館所蔵中国絵画図録を作成。ハイデルベルク大学東洋美術史研究所客員教授(83年)、国立台湾大学芸術史研究所客員教授(90年)を歴任。
■選考理由
舎利荘厳美術は平安・鎌倉時代に多様な展開を見せたが、それはどのような信仰に基づいたものか。著者はこれまでに蓄積された舎利信仰についての研究や実作品の展示資料を検証しつつ、舎利荘厳の核となる舎利搭や舎利容器などの形や意匠を、空海、叡尊、重源らの思想、経疏や儀軌、事相集などから読み解き、その造形がどのような信仰に立脚しているかを明らかにした。従来の工芸史の研究方法は、技法や素材の研究、あるいは形式分類が中心であるが、それらの成果を踏まえての思想史的アプローチは、仏教工芸史に新たな可能性を示すものである。
■略歴
内藤栄氏
1960年、埼玉県蕨市に生まれる。83年、筑波大学芸術専門学群卒業、88年、筑波大学大学院博士課程芸術学研究科単位取得退学。同年、サントリー美術館学芸員、94年、同館主任学芸員、96年、奈良国立博物館学芸課主任研究官となる。現在、奈良国立博物館学芸部部長補佐、工芸考古室長、情報サービス室長、神戸大学大学院客員准教授。2006年、筑波大学より博士号(芸術学)授与。
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