【公式】塩田武士『存在のすべてを』9月7日発売

塩田武士

作家人生の節目となる一作
力の限りを尽くしました

塩田武士

トップの著者

本屋大賞2024第3位 & 第9回渡辺淳一文学賞受賞

塩田武士『存在のすべてを』

表紙
書名

ISBN:9784022519320
定価:2090円(税込)
発売日:2023年9月7日
四六判上製 472ページ

本屋大賞ノミネート

ニュース

推薦文

衝撃の誘拐事件から始まる展開に
心拍数は上がったままだ
これは「至高の愛」の物語
久米宏

「事実」の先に霧笛のように響く「真実」がある。
圧倒的な終着に胸が震え、しばし言葉を失った

稲泉連(ノンフィクション作家)

切なさが爆発しそうになった。
芸術と愛情の結晶に、涙が止まりませんでした

小橋めぐみ(女優)

心揺さぶられる小説である。
単に泣かせる切なさではなく、「家族として育っていく」ことの尊さを、
胸に染み通るように静かに捉えてあるからやるせないのだ。

池上冬樹(文芸評論家)

内容紹介

前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る「虚実」の迷宮!
真実を追求する記者、現実を描写する画家。
質感なき時代に「実」を見つめる者たち――
著者渾身の到達点、圧巻の結末に心打たれる最新作。

平成3(1991)年に神奈川県下で発生した「二児同時誘拐事件」から30年。当時警察担当だった大日新聞記者の門田は、令和3(2021)年の旧知の刑事の死をきっかけに、誘拐事件の被害男児の「今」を知る。彼は気鋭の画家・如月脩として脚光を浴びていたが、本事件最大の謎である「空白の三年」については固く口を閉ざしていた。
異様な展開を辿った事件の真実を求め、地を這うような取材を重ねた結果、ある写実画家の存在に行き当たるが――。
「週刊朝日」最後の連載にして、『罪の声』に並び立つ新たなる代表作。

自転車

装画・江副拓郎

序章 先行公開

前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る
「虚実」の迷宮!
スピード感溢れる物語序章を一挙公開します。

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登場人物紹介

門田次郎(もんでん・じろう)

大日新聞宇都宮支局長・54歳。
1991年、入社二年目だった大日新聞横浜支局時代に「二児同時誘拐」に遭遇、警察庁に詰めながら誘拐を担当する神奈川県警の刑事・中澤と出合う。
その30年後、中澤の死を契機に、未解決の誘拐事件に再び向き合い、再取材を始める決意をする。

中澤洋一(なかざわ・よういち)

神奈川県警刑事。1991年の「二児同時誘拐」の現場に関わり、被誘拐児の肉親に寄り添い身代金受け渡し時の現金持参人の指導役を担う。
事件は未解決のまま時効を迎え、中澤は定年を迎えた後も、ひとり捜査を続けていた。そして2021年、中澤は失意のうちに世を去る。

如月脩(きさらぎ・しゅう)

SNSで発表した「まるで写真のような」美少女の絵で人気の写実画家。その作品数の少なさから入手困難な画家としても有名であったが、30代の男性であること以外、その素性は謎に包まれていた。
しかし2021年、突如週刊誌に「イケメン」の素顔とともに、30年前の「二児同時誘拐」の被害者であったことを暴かれる。

岸朔之介(きし・さくのすけ)

画商。売れっ子の写実画家を大勢抱えた画廊「六花」を経営。

野本貴彦(のもと・たかひこ)

風景を描く才気溢れる写実画家。画商の朔之介の後押しによって機会を得るが、社交が苦手な不器用な性格から圧力に潰され、逼塞する。

土屋里穂(つちや・りほ)

かつて百貨店の美術画廊に勤務し、現在は父親の経営する新宿の「わかば画廊」を手伝う。如月脩こと内藤亮の高校時代の同級生。

レインボーブリッジ

装画・江副拓郎

書影について

表紙

装画にあしらわれたこの1本のロープから、あなたは何を感じ取るだろうか。

これは野田弘志氏の筆による〈THE-9〉(姫路市立美術館蔵)。
野田弘志氏は徹底したリアリズム描写で知られる写実絵画界の巨匠であり、対象を凝視することからその「存在」の本質を掴み取る鋭い筆致で、約半世紀にわたり日本の美術界を牽引してきた。北海道にアトリエを構え、大自然の中で日々、構想をめぐらせる。

本作品〈THE-9〉に描かれた一本のロープも、一見写真と見まがう緻密さである。
本書『存在のすべてを』の中には、野田氏との邂逅によって得られた知見とインスピレーションが存分に取り込まれている。

絵の具

門田次郎取材写真ギャラリー

この物語の主人公の新聞記者・門田次郎の足跡は、事件現場の横浜はもちろん、
北海道から滋賀、さらに北九州まで、実に全国にわたっている。
それはそっくりそのまま著者の取材先と重なる。ここでは著者の取材写真を一部公開する。

インタビュー

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