第6回朝日時代小説大賞優秀作、2冊同時発売!

松永弘高
『決戦!熊本城――肥後加藤家改易始末』

将軍家の威光か、肥後侍の意地か。
改易に隠された驚愕の計略とは!? 歴史の真実に迫る長篇時代小説

松井今朝子選考委員、絶賛!
「簡潔な言葉で人物をすっくりと立ちあがらせる描写の的確さに加えて、江戸初期の不穏な空気をみごとに伝える緊張感のある文体」(選評より)

(この程度の落ち度で国持ち大名が取り潰されるなどという御沙汰が、あってよいものか)
 乱を望んでいるのは、家光の方であるようにさえ思える。
城から出て国境に陣を張るにせよ、籠城するにせよ、加藤家家来としては、とにかく、一戦せねばならないであろう。そうしなければ、世間から笑われる。命が永らえたとしても、笑われた者はもはや武士ではない。他家に召し抱えられることは考えられない。
――本文より

【著者略歴】
1976年、東京都に生まれる。明治大学卒業。会社員生活を経て、執筆活動に励む。2014年に「泰平に蠢く」(単行本化に際して『決戦!熊本城』に改題)で第6回朝日時代小説大賞優秀作となる。

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片山洋一 
『大坂誕生』

「大坂再興の大任、御身に任せる!」
大御所家康から直々に大命を下された松平忠明。豊臣滅亡後の荒廃した彼の地を、反徳川包囲網の中、知略と胆力で乗り越えて次々と大胆な計略を練っていく――。

縄田一男選考委員、絶賛
「私はかなりの好感を持って読んだ。忠明は大坂の人々を誠意をもって説得していくのだが、ここには、人と人とが本音でぶつかり合い、やがて、互いを理解していく理想が描かれていく」(選評より)

「将とは槍の上手でもなければ、帷幕にて謀り事をする者のことでもない」
「では将とは何でござりましょう」
「将とは、家臣に場を与える者のことだ」
「場を?」
「そうだ。槍振るう者に勇を出させ、謀り事を言上する者に耳を貸してやるのが将なのだ。七十余年……この家康もそのように心掛けて参った。また将軍にも幼き頃よりとくと教えて参った」                                 
――本文より

【著者略歴】
1974年、大阪府に生まれる。大阪芸術大学卒業。会社員生活を経て、自転車販売店経営のかたわら執筆活動に励む。2014年、『大坂誕生』が第6回朝日時代小説大賞優秀作となる。

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