文庫
リタの鐘が鳴る
竹鶴政孝を支えたスコットランド女性の生涯
早瀬 利之
ISBN:9784022647467
定価:660円(税込)
発売日:2014年9月5日
A6判並製  258ページ 
品切れ・再販未定

NHK連続テレビ小説「マッサン」のモデルとなった女性の物語。大正9(1920)年、スコットランドの片隅で暮らす女性・リタが、日本からウイスキー作りを学びにきた留学生・竹鶴政孝と恋に落ち、結婚を誓う。しかし当時の日本といえば、教科書にさえ出てこない「未知の国」。祝福する者は誰もおらず、二人は静かに日本へ向かう。竹鶴政孝26歳、リタ24歳の秋だった。リタは、もう二度とスコットランドには戻らないと決心し、日本人になりきろうと必死の努力をする。竹鶴のウイスキー事業がうまくいかないときでも、「マッサンの夢は、わたしの夢」と語り、折れそうになる竹鶴の心を「あなたのウイスキーが喜ばれるときが必ずくる」とひたすら励まし続けた。北海道の余市蒸留所では、リタの鳴らすカウベルが、朝8時、昼12時、終業時間の5時の3回響いた。作業員たちは「奥さんの鐘がなった」と笑い合い、その音色は、余市の町にもカランコロンと響いたという。戦時中、スパイ容疑をかけられた迫害にもめげず、嫁に優しく、孫を愛したリタは、竹鶴との純愛を貫き、竹鶴の夢を見届けるようにして死んでいく。息を引きとる前に、リタは白い腕を、夫・政孝の膝の上にそっと置いたという。64年の生涯だった。

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