「今世紀のうちに雇用の75%は消滅する!」――。本書の原書 The Lights in the Tunnel は、2009年に自費出版されるやアメリカ国内外で大きな反響を呼び、「2045年問題」「雇用なき経済回復」などの機械と雇用収奪の問題を指摘する議論の嚆矢となった。気鋭のIT起業家である著者は、誰よりもシビアに労働市場の現実と未来を語る。低賃金の熟練工だけでなく、今後はホワイトカラーなどの中間層も収奪の対象となるだろう。経済学者はイノベーションによって新たな雇用機会が誕生するというが、指数関数的に発達するコンピュータによって新規雇用さえ奪われているのが現状だ。雇用格差は拡大し、このまま自由市場経済は破綻してしまうのか。危機を乗り越えるためにはどうすればいいのか。社会・環境保護を視野にいれた、著者独自のラディカルな未来構想が提示される。