ニートの弟、未婚の姉、非正規の妹、親の資産を浪費する兄…。未婚化や雇用の不安定化で、自立できず頼る家族も持たない「きょうだい」が増えている。日本は、男性の3割、女性の2割が「生涯未婚」の時代を迎える。一方、非正規社員の割合は4割を超え、収入が不安定な人も多い。かつてなら「家族」や「会社」がセーフティーネットとなった日本。だが、それを持たないきょうだいを親亡き後は誰が支えるのか?
親の介護は想定している人も多いだろう。だが、「きょうだい」の介護や将来の面倒も見なければいけない時代がやってくるのだ。同世代だけに、きょうだいの介護は親よりも長く付き合うことになるかもしれない。
少子化も進む中、自分の子どもが家族内で唯一の「次世代」というケースも多いだろう。その子どもが、おじ・おばの将来も背負うことになるかもしれない。
「きょうだいというリスク」は新たな社会問題として急浮上するだろう。きょうだいの不安定化が幸せを左右する時代に、いまから備えなければ。