かつて95パーセントを輸入に頼って防腐剤にまみれたレモンは、今では国産で皮まで食べられる安全なものが普及しはじめている。その先端的リーダーである愛知県・豊橋市の果樹園農家5代目河合浩樹が、5年かけて成功した完全無農薬レモンの栽培方法と哲学とは。
河合果樹園のレモンは、独自に考案した鉢植え栽培をしておりほかのレモン栽培法とはドラマチックに異なる。これにより、完全無農薬の果実特有の黒い斑点が解消される。また完全無農薬を実現するために、害虫の天敵となる昆虫に着目した河合は、30数種類もの虫を観察して昆虫の世界が見えてくる「虫眼」を会得した。あわせて雑草を活かす方式を考えつき、教科書のない中、自然とたゆまず対峙することで自然から学び、5年かけて安全でジューシーで栄養素の高いレモン作りに成功した。
今では全国に「河合レモン」のファンがおり、ときに完売状態で問い合わせが絶えないほどである。レモン栽培にとどまらず、販路も自ら開拓。そのビジネスモデルにも着目する。レモン農家ならではのレモンレシピも紹介。