2005年ごろから日本で起きた「嫌韓」という現象。「嫌韓本」が書店コーナーに作られたことは記憶に新しい。とりわけ、2010年以降、伝えられたのは、歪み、ステレオタイプ化した「韓国」の姿だった。
日本に吹き荒れた「嫌韓」論調や「ヘイトスピーチ」はなぜ起きたのか。そもそも日本人は、どのように韓国を認識してきたのか。歴史的にみた韓国と日本の違いや、韓国人の意識構造、韓国政治の現実、大統領の「リーダーシップ」、エリート主義から変貌する市民社会、在日コリアン問題などを分析すると、リアルな韓国が見えてくる――。
「韓国通」3人の学者による、客観的かつ冷静な韓国分析の決定版。
I 韓国文化・思想、日韓問題――――小倉紀蔵
第1章 韓国文化の特徴とその変容
第2章 変化と不変化の韓国社会――エリート支配、市民の権力、道徳性
第3章 日韓相互の眺め合いに対する解釈
II 韓国政治、イデオロギー、市民社会―――大西裕
第4章 政党政治の変容――地域主義からイデオロギーへ
第5章 大統領の強力なリーダーシップという幻想
第6章 変貌を遂げる市民社会――エリート主義から多元主義へ
III ヘイトスピーチ、在日コリアン、参政権・国籍―――樋口直人第7章 排外主義とヘイトスピーチ
第8章 在日コリアンの仕事の変遷
第9章 在日コリアンの参政権と国籍