心底惚れぬいた松戸・平潟河岸の遊女のちせを身請けするために、命懸けの商いに手を染める高瀬舟の船頭・修次。社会の最底辺にあり、先の見えない不安に苛まれながら、けっして希望を捨てずに生き抜く人々の姿を叙情豊かに描く長編時代小説。銚子から利根川、江戸川を抜け日本橋まで荷を運ぶ舟運や、食売旅籠と呼ばれる遊郭など、江戸の世相・風俗がありありと描かれている。
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