6/7発売の今村夏子さん『星の子』に書店員さんの熱い感想が続々届いています

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『星の子』(6月7日発売)

今村夏子さんの新刊『星の子』は「小説トリッパー」掲載直後から大きな反響を呼んだ話題の一冊。これまでに発表された単行本は『こちらあみ子』(三島由紀夫賞受賞)、『あひる』(芥川賞候補、河合隼雄物語賞受賞)の2作だけという寡作ながら、作品を発表するごとにファンを増やし続けている今村さんの、最新作にして最長編作です。今村さんを応援する全国の書店員の皆様から、絶賛の声が続々と届いています。その一部を紹介します。

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◆今村夏子がまた大変なものを書いた。
愛や優しさや信仰。その美しさと気持ち悪さの両面が同時に伝わってきて、うろたえてしまう。しかも今村さんは、どちらの面も否定したりしない。ありのままを書くよ、それが世界のほんとうだからと。静かに平易な言葉で、読むものの価値観をがんがん揺さぶる。とるに足らないけれど、いままで大事にしてきた杖がぼろぼろと折れる、そんな感じの不穏さがある。

誰にでもわかる言葉で、誰にも表現しえない世界を書き、誰でもないあなたの価値観を取り出す。さりげなくそんな小説を書く、今村さんはほんとうにこわい。天才だ。

――紀伊國屋書店新宿本店 今井麻夕美さん


◆今村夏子の眼差しは、どこまでも深く切れ味鋭く心の奥底にまでしみわたる…。目の前の風景のその先と、飾ることのない表情の裏側をも、鮮やかに見せてくれる。その描写力は本当に見事!!

日常に繰り広げられる人間模様は、時としてゾクリとした違和感を伴って肌を逆撫でし、またある時はフワリとした包容力をもって、傷ついた心を優しく温かく癒してくれる。

綱渡りのように危うい家族の絆、その葛藤の末に見えたラストシーンは、祈りの境地だ!

不器用だけれどもひたむきに生きる人間たちへの大いなる賛歌が聴こえてきた。

――三省堂書店営業企画室 内田 剛さん


◆「星の子」読ませていただきました。
世間と少し違う感覚を持つ主人公が、他人からどう思われても淡々と日々を送っていくさまが、今村作品の好きなところなのですが、今回は主人公だけでなく周囲の人物もとても個性的で、いっそう楽しませていただきました。

姉がどこに行ったのかが最後までわからないというミステリアスさも、とても好みです。また上等な文芸を読ませていただいたという満足感で読み終わりました。

――八重洲ブックセンター商品企画部 内田俊明さん


◆心が美しい、とは月並みだけれど『こちらあみ子』といい今村さんが語る主人公は、なんて素直な子なんだろうと思う。ちひろの人生をもっと読んでいたかった。

あと一枚でもいいので、大人になったちひろを付け加えてほしいと思うのは、蛇足でしょうか?

それぐらい、最後の終わり方も好きです。

――三省堂書店名古屋高島屋店 大屋恵子さん


◆これは家族の物語なのだろうか?
読んでいてずっと違和感を感じていた。
読み終わってもこの違和感はなくならなかった。

人は変わる、けど変わったことに気づかないのが人だ。
変わる恐ろしさ、変わったことに気づかない恐ろしさ、家族の話のはずですが読んでいて恐ろしかった。

特に最後の星空のシーンはドラマとかだと感動するところのはずが、すごく違和感がありました。あのシーンが何だかすごく怖かったです。

――MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店 勝間 準さん


◆本当に面白かったです!
しょっぱなから物語の世界に引込まれ、一気に読んでしまいました。こういう読書のワクワクをちゃんと味あわせてくれる今村さんは、とても力のある作家さんだと思いました。

新興宗教にハマっていく家族、というと、狂信的だったり常軌を逸した行動をしたり、ステレオタイプな描き方をした物語が多いですが、『星の子』の場合は、お父さんもお母さんもちーちゃんも、本人にとっては全てが至って「普通」の事、として描かれているのが新鮮に感じました。

そんな風に宗教をニュートラルな視点で見た小説って珍しい気がします。ちーちゃんにとっては、それは「宗教」なんていう仰々しいものではなく、日常の延長にすぎないからだろうなあと思いました。そして、その描写がとても好きです!

正体不明の水にハマる姉夫婦を心配する弟、両親に耐えられなくて家族から離れたお姉ちゃん、またちーちゃん家族のような、新興宗教にハマる人達…… 物語に登場する全ての人を、偏った一つの見方ではジャッジしていない、(両親から離れられなかったちーちゃんを可哀想な子としても描かないし、そういう両親から逃げ出す物語としても描いていない)そういう所がこの物語の要なのかなぁ、と思いました。

また、「あんたの事、友達と呼んでいいのかどうか分からない」と言う友達のなべちゃんがスゴイ!と思いました。白だか黒だか分からない、そのどちらかに決めなければいけないのか、という事すら分からない、自分が「分からない」という事を、そのまま認めて良いんだ、と思わせてくれる作品だと感じました。
(そういう状況は宗教に限らず、人種、ジェンダー、セクシュアリティ……様々な分野にあてはまることですが)

この先のちーちゃんが、何を感じてどんな大人になっていくのかものすごく気になります。こんな異常な家族/宗教は嫌だ!と突っぱねるのか、春ちゃんの彼氏みたいに、好きな人の信じるものを理解しようと努めるのか……。やっと周囲と自分との“差異”に気付き始めた所だから、この先色々な事を感じていくんだろうな……としんみり思いました。そしてそれを今村さんの言葉で書いたものを読みたいな、とも。

いずれにしても、どんな風に感じようとも何が正しい/間違っている、なんてないし、全ては自分次第なんだなと感じさせられました。

とにかく良かったです。ますますファンになりました。

――紀伊國屋書店和書販売促進部 佐貫聡美さん


◆心ざわつく作品です。

宗教的なものに洗脳された家族、はたからみれば異様な、隔絶したい状況のはず。

この小説は、ちひろの視線で彼女の成長、そして家族や周囲の人たちを描いていて、特殊な世界ではなく平凡な日常だけどなにか変、なにか心がひっかかる、と思う作品でした。

――ジュンク堂書店三宮店 三瓶ひとみさん

(お名前 五十音順)


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