司馬遼太郎 街道をゆく 公式ページ

北海道の諸道

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旅のルート旅のルート

【旅の時期】 1978年9月3日~12日

『北海道の諸道』は函館から書き起こされるが、実際のルートは千歳空港が起点である。新聞社勤めだった21年前に、作家の今東光さんに同行した時のことを思い出す。札幌から新十津川を経由して旭川、陸別へ向かう道のりで、司馬さんは、厳しい環境の下、北海道の原野を切りひらいた人々のことを考える。<多分にキリスト教的な要素の加わった>明治はじめの開拓使から始まり、劣悪な環境下で労働を強いられた囚人や屯田兵の時代をふり返る。『胡蝶の夢』を連載中だった司馬さんは、関寛斎が開拓した陸別を訪れる。空路函館入りし、中世、道南にいた「渡」と呼ばれた和人集団へと思いが飛ぶ。また、アイヌとの抗争を抑え、台頭した松前氏が京風文化を希求し、中央との均一化を図った背景を思う。江差では、沈没した軍艦「開陽丸」の遺品確認作業に立ち会う。


松前城


陸別

高田屋嘉兵衛像
箱館を拠点にした廻船業者。ロシア軍艦に捕えられカムチャツカに幽閉される。小説『菜の花の沖』の主人公。
北海道函館市宝来町
函館ハリストス正教会
万延元年(1860)、箱館ロシア領事館付属聖堂として建立。翌年、領事館付司祭としてニコライ来日。高い鐘塔は元町地区のシンボル。
北海道函館市元町3-13
松前城
アイヌの乱を平定した武田(蠣崎)信広を祖とする松前氏の本拠。道内唯一の日本式城郭。
北海道松前町
復元された「開陽丸」
江差沖合には戊辰戦争で新政府軍と戦った旧幕府軍の軍艦「開陽丸」が眠る。
北海道江差町
厚田村
厚田村は作家の子母澤寛、画家の三岸好太郎兄弟ゆかりの地。
ルーラン海岸
旧樺戸集治監本庁舎
明治14年(1881)に政治犯や重罪犯の収監を目的に設置。館内に独居房や囚人の獄衣などを展示。
北海道月形町1219
新十津川町
明治22年(1889)の集中豪雨によって家屋が損壊した奈良県十津川村の村民が入植した地。
陸別町
『胡蝶の夢』の主人公のひとり関寛斎入植の地。ゆっくえぴらの丘には、寛斎を祀る祠がある。

この巻に登場する人物この巻に登場する人物

この巻の目次この巻の目次

  • 【北海道の諸道】函館/道南の風雲/寒冷と文化/高田屋嘉兵衛/函館ハリストス正教会/松前氏の成立/蝦夷錦/松前の孟宗竹/最後の城/レモン色の町/開陽丸/政治の海/開陽丸の航跡/江差の風浪/海岸の作業場/札幌へ/住居と暖房/札幌/厚田村へ/崖と入江/集治監/新十津川町/奴隷/屯田兵屋/関寛斎のこと/可憐な町

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司馬遼太郎 街道をゆく | 第15巻 北海道の諸道

司馬遼太郎 街道をゆく 15

北海道の諸道

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