ロンドン、リヴァプールをへて3月31日、空路ダブリンに入った司馬遼太郎は、3日間、ダブリン市内及び近郊を見学する。
4月3日からはゴールウェイ、アラン諸島、ケリー半島などを巡りダブリンに戻る5泊6日の旅をする。アイルランド島の西端に近いコングの村では、そこで撮影されたジョン・フォード監督の映画『静かなる男』をもとに、アイルランド人とアイルランド系移民の民族性について考察。アラン諸島では、記録映画『アラン』などを手がかりに、岩盤だけで土がない過酷な自然の中で生きるということについて考える。さらに、ケリー半島、キラーニィ、ケンメアと回りながら、イェイツや小泉八雲を素材に、妖精大国としてのアイルランドに思いをはせた。