司馬遼太郎 街道をゆく 公式ページ

台湾紀行

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1月の旅 旅のルート1月の旅旅のルート

【旅の時期】 1993年1月

「国家とはなにか」を考えながら台湾をゆく。台北へゆき、作家の陳舜臣氏とともに官邸へ招かれ、李登輝総統に会う。台北のまちを歩きながら、この地とかかわりあった明治の日本人の名が脳裏に明滅。新竹のシリコンバレー、山中の景勝地・日月潭などを訪れ、嘉南平野にある「烏山頭水庫」で、ダム工事を指導した八田與一の銅像と夫妻の墓碑を見る。高雄から台南へ。大航海時代のオランダ人が建てた赤崁楼とゼーランジャ城を見て、担仔麺を食べながら、彼らの活動ぶりを思い描く。その後に台湾を統治した鄭成功の短い生涯を惜しむ。


基隆


総督府


龍山寺

台北
台湾の政治・経済の中心地で街は繁華。総統府や蒋介石を記念して建てられた中正紀念堂、龍山寺があり、古い街並みも残る。
総統府
日本統治時代の台湾総督府だった建物が戦後修復され、中華民国の総統府となった。
中正紀念堂
蒋介石を記念して中正公園に建てられた。巨大な蒋介石像がある。
龍山寺
台北市内でもっとも歴史が古く、参拝者で賑わう寺。
新竹
企業や研究所が立ち並ぶ「シリコンバレー」がある。
日月潭
美しい湖がある台湾有数の景勝地。
烏山頭水庫
八田與一が設計・造営したダム湖「珊瑚潭」を中心に、現在リゾート公園になっている。
台南市官田区嘉南里68-2
台南
17~19世紀の台湾の治所。オランダ人の築いた赤レンガ建築の赤崁楼やゼーランジャ城がある。
赤崁楼
オランダが築いた赤レンガの要塞跡。現在は中国式楼閣、オランダ人を逐った鄭成功の銅像がある。
ゼーランジャ城(安平古堡)
オランダが築いた城塞跡。

4月の再訪 旅のルート4月の再訪旅のルート

【旅の時期】 1993年4月

高雄から新営へ足を延ばし、嘉義市南郊で、北回帰線の標柱と二・二八事件の記念碑を見た後、高雄から特急列車で台東へ。フィリピンから日本に向けて北上する黒潮にふれ、柳田国男の海上の道を思う。東部の台東と花蓮では「高砂族」の生活や日本統治時代の街の名残を見て歩く。花蓮のホテルで家族旅行中の李登輝氏に再会。記述は花蓮で終わるが、旅は基隆、台北まで続いた。

高雄
台北に次ぐ台湾南部の大都会。市中に愛河が流れる。
新営
戦前、日本人も働いていた製糖工場があった。司馬さんは同行者の恩師・沈先生を訪ねた。
嘉義
近郊に北回帰線の碑、二・二八事件の記念碑がある。
高雄から台東へ
高雄駅から鉄道で台湾東部へ。大武駅から黒潮が流れる海が見える。
知本温泉
台東近郊の温泉地。
台東
南国情緒あふれる、台湾東南部最大の都市。アミやプユマの人びとが多く暮らす。司馬さんは卑南郷にプユマの大野さんを訪ねた。
花蓮
日本統治時代、官営の開拓移民村の吉野村があった。かつて花蓮港として栄えた。
基隆
古くから拓けた台湾北端の港街。中正公園の丘からは港が見え、航海者を見守る大観音像が立つ。

この巻に登場する人物この巻に登場する人物

この巻の目次この巻の目次

  • 【台湾紀行】流民と栄光/葉盛吉・伝/長老/でこぼこの歩道/歴史の木霊/二隻の船/李登輝さん/続・李登輝さん/南の俳人たち/老台北/馬のたとえ/児玉・後藤・新渡戸/潜水艦を食べる話/客家の人たち/看板/魂魄/沈乃霖先生/伊沢修二の末裔/海の城/海獠の貴公子/八田與一のこと/珊瑚潭のほとり/鬼/小川草木/嘉義で思ったこと/山中の老人/日本丸が迎えに/浦島太郎たち/大恐慌と動乱/寓意の文化/山人の怒り/大野さん/千金の小姐/花蓮の小石/太魯閣の雨
  • 対談 場所の悲哀:李登輝/司馬遼太郎

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司馬遼太郎 街道をゆく | 第40巻 台湾紀行

司馬遼太郎 街道をゆく 40

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