出会いの歓びを、体感させてくれる作品。
二十年の月日が紡いだ ふたりだけの物語
デビュー作『あなたの四月を知らないから』が、
「朝日新聞」「ダ・ヴィンチ」「an・an」「本の雑誌」など
複数の媒体でインタビューや書評が掲載され、
「キノベス! 2026」にもランクイン!
いま大注目の
書き手の最新刊。
写真・イラスト 水嶋みず
二十年の月日が紡いだ ふたりだけの物語
デビュー作『あなたの四月を知らないから』が、
「朝日新聞」「ダ・ヴィンチ」「an・an」「本の雑誌」など
複数の媒体でインタビューや書評が掲載され、
「キノベス! 2026」にもランクイン!
いま大注目の
書き手の最新刊。
写真・イラスト 水嶋みず
『友達だった人』絹田みやさんによるあらすじ漫画を公開!
1 / 14 ページ
2026年7月7日発売
中学生の藤原六花にとって、舘村曜は出会った瞬間から特別な存在だった。六花は、はっきりと自覚できないまま、友達と呼ぶにはあまりに強く、密やかな感情を曜に抱く。しかし、曜の転校が決まったことを境に、二人の関係だけでなく、六花を取り巻く人間関係も揺らぎ始め──。やがて音信不通となっていた曜との再会から再び動き出す二人の関係。二十年の月日と、大切に思う人との関わり方を巡る、渾身の長編小説。
詳細はこちら→出会いの歓びを、体感させてくれる作品。
この物語は、友情とも恋情とも呼ばず、ただ愛の物語と呼ぶのが一番正しいのだろう。 二人のかけがえのない愛の物語を読むことができて、幸せでした。 そして、リッカとヨウの互いを想う心の美しさは言葉を尽くしても語れないと思う。
人はわずかなひと言ですれ違い、繋がり、救われる。
恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。家族から家の購入を勧められる中、片思い中の"宇治"とは三月で会えなくなることを知り……。恋・お金・家、彼女が選ぶ人生とは。創作大賞2024(note主催)朝日新聞出版賞受賞作。
詳細はこちら→
書店員さんからのご感想
紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん
中学生の時に出逢い、
女性同士でありながらヨウに友達以上の感情を抱くリッカ。
そのどうにもできない切実な心情が、肌に伝わってくるようでした。
さらには、ヨウの転校による別離から深まっていく悲しみ。
音信不通の時間が重なる中で滲み出ていく
リッカのやるせない心象に、
私の心も擦り切れそうになりました。
しかし、
そんな空虚な日々を変える、思いがけない15年ぶりの再会。
喜びに胸が高鳴りながら、
想い出がよみがえっていく様子に温かな気持ちが込み上げました。
けれども、
長い月日で変わってしまったお互いの環境と状況。
そんな未来への不安に覆われていく様子に、
心にさざ波が立っていきました。
自分の想いが叶わなくても、ただそばにいたい。
今を一緒に生きていきたい。
そんな祈りのような願いが、胸に切なく沁みました。
友情と愛の境界線をたゆたいながら、
言葉をこえた大切な感情が芽生えていくような物語。
別れと再会を経て、変わりゆく時間の道を歩き続けた先で見つけた本当の心に、
胸がつまり涙が滲みました。
読み終えた後も、
失われたものと、生き続ける想いが交錯する中で、心深く灯り続ける絆の光に照らされています。
20年越しの深い愛が描かれた、とても素晴らしい作品を拝読させていただき、誠にありがとうございました。
未来屋書店大日店 石坂華月さん
あ、それ私も身に覚えがあるよ。
鼻先に甘やかな風が触れたような、くすぐったくなるような懐かしい光景が広がる。
全身からびっしりと生えた繊細なアンテナが震え立つような思春期。
あまりにも敏感で、一喜一憂する不安定な年頃のリッカと友人たちの独占欲や葛藤がクラクラするような詩的な言の葉で描かれていてドキドキする。
リッカにとってヨウは特別な友達。
制服のスカートを巻き上げた突風がぶわりと身体を駆け上がったかのような感覚から、気づけば誰もが大人になっていく。
答えを求めず、想いのカタチを秘めたままでいるのは決して弱さや優しさだけではない。大人になったリッカとヨウのブレない強さの裏側にある狡さに少し安堵もした。
たとえ泡のように儚く消えてしまったと感じても、変わらないものもそこには必ずあるのだ。
自分と人生を形づくる人に出会った幸せが、ただただ眩しい。
精文館書店中島新町店 久田かおりさん
誰よりも大切な人の幸せが、自分の幸せと同じとは限らない。その事実が心を切り刻んでいく。
こんなにも切実で愛おしい関係があっただろうか。
15歳で芽生えた感情は、少しずつ変わりながらもずっとそこにあったのだろう。お互いの心の中で生き続けていた思い、それを優しく冷たく隠してきた二人の、その年月の尊さよ。
出会いは別れを連れてくる。けれど名前のつけられないこの感情を無かったことにはできないのだ。
青山ヱリの文章が、描く世界が、胸にそっとしみ込む繊細な心の動きが、とてもとても好きだ。
大盛堂書店 山本亮さん
あなたが与えてくれる愛情にわざと気を引くためだけに拗ねてみたい。だけどわたしが存在しないあなたの幸福を見るたびに疾しい心苦しさと、とろけるような嫉妬を覚える。
そんなことを繰り返しながら、わたしたちの関係はいつでも完璧じゃないから、いつまでも完結しないから、これから何回でも新しい形を始められる。
やがてみんなにとっての掛け替えのない「好き」が物語へ溢れ出していった。
リブロ福生店 海老原眞紀さん
変わっていくものと変わらないもの。
どちらも大切でどちらもそっと抱えていたかった。
携帯でメールを送りあっていた中学生時代から、コロナ禍を経た現在まで。
主人公六花と同級生の曜、二人の関係がどこに向かっていくのか、気持ちはどう変化していくのか。気になって気になって読む頁を閉じられず最後まで一気に読んでしまいました。
単純化されていない登場人物が本当に良かった! 味わい深かった。
リッカ。
「本当に大切な気持ち」以外は黙って我慢するだけではない。
全然わかりやすいだけじゃなくって、矢野と付き合う事にしたり、ヨウのLINEを既読無視したり…
どうなっていくのかハラハラしたり予想を超えた展開に驚いたりしながら、気づいたら六花を応援してた。
ヨウ。
曜は六花にとって「会えた」という特別な人。謎めいたところもあるけど、でもマイペースを貫く強さを持った子でもない。
そして六花の上司、室井さん。登場した最初からずっと良かった!
仕事をする人として、尊敬できる人の存在は貴重だし、その尊敬が保ち続けられそうな所もとても良い!
「オセロ」と「状態」の会話など、大事な登場人物でした。
青山ヱリさん!
素敵な人達に出会わせてくれてありがとう!
くまざわ書店調布店 山下真央さん
読みながら胸がきゅっと苦しくなりました。
同性愛とまで行かなくとも、すごく大好きで大切な友達がいる人は多いのではないでしょうか。でも自分以外の人と仲良くしている姿を見ると、苦しくなる。自分が一番近くにいたい。 そう思う人は意外と少ないのかもしれません。私もどちらかといえば自分が一番近くにいたいタイプなので、リッカの気持ちが痛いほどわかります。リッカが矢野と過ごしたのは、矢野と過ごすのが楽で、矢野と過ごすと自分はマジョリティだと思うことができたからなのではと思いました。青山さんは矢野とリッカの関係をどう捉えていたのか、とてもお話が伺いたくなりました。
ヨウが大好きだから、ヨウに幸せになって欲しいと思う一方で、自分がヨウを幸せにしたかったのではないか。それでもやっぱりヨウが好きだから、ヨウの幸せを想うリッカを見ていると胸が苦しかったです。けれどヨウを救うことで、昔のリッカ自身のことも救えたのではないのでしょうか。リッカが不幸に終わるということではなく、ヨウと過ごす日々は無くなるけれど、ヨウにとってもリッカは大切な人。リッカはその思いを大切に生きていくのかなと思いました。就職、転職、結婚、妊娠、出産などライフステージが変化していく中で続く友情は何事にも代え難い、すごく尊いものだと思います。
人と人との関係性がすごく響きましたが、
リッカの仕事ぶりも読み応えがありました。
大きなミスをしてしまう、頼りになる先輩がいなくなる。残業しない同僚に思うことがある。きっとどれか一つは社会で働く皆が味わったことのある気持ちではないでしょうか。
文字にすると簡単だけど、いざ目の当たりにすると乗り越えるのは容易ではない。
それを乗り越え、ヨウの幸せを願うリッカは強く優しいひとだと思います。
リッカとヨウ、それぞれが幸せを見つけ、
そして二人とも幸せに過ごして欲しいと思いました。
未来屋書店碑文谷店 福原夏菜美さん
紡がれる言葉のひとつひとつが心にやさしく響く。惹き込まれて、抜け出せない。
紀伊國屋書店グランフロント大阪店 小泉真規子さん
この関係性を何と表せればいいのだろう。
愛情、友情、親愛、共依存…どれもただの「状態」で、
しかもずっと同じではなく時間と共に変化していく。
関係性が変わらないことを願いながら、でも変わっていくことを止められない。
だからこそ「ひと」は愛おしい。
胸の奥の奥の方で蓋をしていた、上手く言葉にできなかった想いたちを
引きずり出してこんな風に言語化されてしまったら
もう向き合わざるをえない。
言葉にならない想いというのもあるが、
言葉にすることで浄化する想いもあると、この作品が教えてくれた。
ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん
ヨウがいるから自分が自分でいられる。リッカのかけがえのない秘めた思いは、一言では言えない複雑で、切実で、眩しくふたりの時間を刻んでいく。
この気持ちが美しく輝いている。
その大切な名前のつけられないふたりの関係、気持ちは芯に根付いていて、荒らされることはない。愛しくて、心に響き続けている。
田村書店吹田さんくす店 村上望美さん
その関係性に名前がなくても、それが情であり愛であることは変わらない。ふたりの距離、過去、未来、すべてが鮮烈に愛おしく、胸をつくお話でした。
谷島屋ららぽーと沼津店 小川誠一さん
リッカとヨウ、この二人の微妙な距離感に惹かれました。友情と愛情のシンクロする部分について、考えさせられ気づかされた作品でした。
TSUTAYAサンリブ宗像店 渡部知華さん
友達。そこに「一番の」を付けても、「大切な」を付けても友達なのは変わらなくて、それがあまりにも切なくてしんどい。
リッカのヨウに対する気持ち、湧き上がる感情は、とても友達に抱くようなものではなくて、もっと強くて深くてしぶとくて…めちゃくちゃに尊いものに感じました。
リッカがいつかの私に似ているせいか、リッカに感情移入しまくりで、本当に本当に苦しかったです。
だからなのか、ヨウは狡いって思ってしまいます。笑
リッカはずっとヨウが大切だし、もはやヨウだったらなんでもいいってくらいの気持ちを抱えているのに対し、ヨウはリッカ以外にも大切な人は出来るし、その上でリッカも手放したくないって思っているはず。ずるい…でもそんなヨウもリッカは好きなんだろうなぁ、わかる。と、気付けば会話をするかのように読んでいました。
歳を重ねるごとに、ライフステージが変わるごとに、立場や状況も変わって人間関係も変わっていく。でも、変わらない想いはきっとある。
その想いをなんて呼んだらいいのかわからないけれど、きつくても苦しくても抱え続けているリッカが、強くてかっこよくて、眩しくて…愛おしい…!
読ませていただき、ありがとうございました!
有隣堂ららぽーと海老名店 塚田亜紀子さん
学生時代の切ない想いが、ようやく落ち着いた時突然の再会。苦しんだはずなのに友人として受け入れてしまう。結果として学生時代があってこそのお互いの思いやりが溢れる環境に出来上がり、優しい陽を浴びていく人生となった。
くまざわ書店新潟亀田店 今井美樹さん
友情はかけがえのないものというが、それはエネルギーが必要で苦しく、時には激しく心を揺さぶられる。けれど人がそれを求めるのは、この先にある心の拠り所がかけがえのないものであるのを知っているからである。
優しく、心の奥底に突き刺さるこの作品は、深い優しさと愛に溢れている。
BOOKSえみたすアピタ富士吉原店 望月美保子さん
愛と友情が交錯する、それ以上の感情で二人の結びつきが痛くて物悲しい。気持ちが報われる事がなくてもそばにいてくれるだけでいい。幸せを心から願えたらもうふたりの関係は永遠だよね。巡り逢えたことに感謝したい。
ブックジャーナリスト 内田剛さん
なんと透明で眩しい情熱なのだろう!
出会いと別れ、そして再会。思いがけない変化に戸惑う心と身体。
言葉にならないピュアな感情が渦巻きながら溶けだしていく。
鮮烈にして切なくて瑞々しい…(ため息)
ままならない運命に翻弄される魂の交錯に激しく胸を締めつけられる!
ジュンク堂書店芦屋店 山ノ井さよりさん
メリーゴーランドは、いつも夢から醒めるように終わる。でも生活は続く。再び乗ったそれは視点も景色も変化していた。自分の感情を発露することが人を救うこともあるんだと知ること。次のメリーゴーランドはもっと景色も風も楽しめるよね。そんな余韻が心地よい読後感だった。
未来屋書店八戸店 中尾裕二さん
人は時が経てば変わるもの、と思いながらもあの頃と変わって欲しくないという思いもある。
自分だけにみせる姿、自分だけが知っている姿、自分が特別なんだと思えるそんな存在に出会えることは多くないんだろうなと感じます。そんな存在に出会えることでも幸せなのに、それ以上を願ってしまうのも仕方がないことなんだろうなと思います。
福岡金文堂志摩店 伊賀理江子さん
その人を好きだと思うとき、どの好きなのか考えるときがある。友情、憧れ、恋、愛情、好きにも色々あるけれど、まだ名前がついていない好きもあると思う。
自分を見失う程の強い感情で好きだと思う。
この気持ちを味わえることが苦しくて嬉しい。
日常を切り取るような物語の進み方に、その余白に読者は様々に想いを膨らませる。想像する隙間を残してくれる。
自分だけではどうしようもない関係を心苦しく感じながらも幸せの瞬間を感じる。
複雑で純粋なこの作品を体験できて幸せだった。
紀伊國屋書店さいたま新都心店 大森輝美さん
友情も友人関係も永遠ではない。私たちは完璧でもない。お互いを補完しながら、私たちは生きる。変わらない関係性はないが、それを超えた何かを信じたくなる。陳腐かもしれないが、相手を思いやる愛だろうか。
くまざわ書店南千住店 鈴木康之さん
リッカとヨウの20年間の愛と友情の遍歴をこんなにもすごい文章で表現できるとは、なんて素晴らしいことであるか? あなた、ぜひ読んで深く考えてください。
京大生協ブックセンタールネ 津田遥音さん
誰しも「友達」というものの不自由さを感じたことがあるのではないだろうか?
自分の周りの人達を友達、恋人、家族、同僚などカテゴライズしていき、その席が空席にならぬこと、その人達の役割をとても気にしてしまう。しかし、この作品に登場する人達の関係はそのような分類された名前のついた関係ではない。年齢も、性別も、役割も関係ない。相手への愛情から幸せを願い合い、支え合うものである。今一度、他者とどう関わるのか、考えさせられる。そんな人生の物語である。
未来屋書店四條畷店 川口真樹子さん
自分の感情が一体何なのか考え悩みながらも相手のそばにいることを選ぶ思いの強さを感じた。二人が自分らしくいれる場所を手に入れるためにカッコ悪さや弱さを見せ合い理解しようとする時間は、本当にあなたが大切で、あなたが私には必要なのだと言っているようだった。愛おしく、苦しい、だけど温かい物語がありました。
紀伊國屋書店新宿本店 新井沙佑里さん
輪郭が曖昧な感情。その名づけられなさにもがく姿が痛々しいほど切実で、胸の奥を掴みます。
もっと近づきたいのに近づけないもどかしさ。相手を大切に思うほど壊してしまいたくなる衝動。綺麗ごとでは済まない人間関係と、距離感の繊細さを、こんなにも真正面から丁寧に掬い取る物語が今まであったでしょうか。
伝えることも受け止めることも不器用なリッカとヨウ。互いを傷つけながら、それでも惹かれ合わずにはいられない二人の姿に、何度も胸を締めつけられました。
誰かを大切に思うことの幸福と暴力性。その両方を静かに突きつけられました。
未来屋書店岡山店 大内山杏奈さん
冒頭からすでに失恋の香りが濃密に漂っていて、胸がぎゅっと締めつけられて仕方がなかった。十代の頃、親友が他のクラスの子と仲良くしているところを見て勝手に傷ついたり、嫉妬したりしていたなぁと思い出した。ほとんど会わなくなった今も、ふとした瞬間にあの頃の思い出の中にいつでも戻れてしまう。塊魂懐かしすぎる。ヨウとリッカと同じ時代を生きているんだな、と嬉しくなった。
『あなたの四月を知らないから』を読んだ時にも思ったのですが、青山さんの言葉えらびと使い方が素敵すぎて思わず二回繰り返して読んでしまうくらい大好きです。
名前をつけられない関係や言葉にできない感情たちを、無理に名付けたり綺麗にまとめようとしなくていいんだと言ってもらえたような気がして、胸がいっぱいになりました。ヨウにもリッカにも、本当の自分だと思える自分でこれからも生きていってほしいと思いました。
うさぎや矢板店 山田恵理子さん
彼女たちの脆さと強さで、優しさに包まれた。
ブックマルシェ我孫子店 渡邉森夫さん
変わらないものと変わってしまったもの。
変わらないで欲しいと思うものと変わって欲しいと思うもの。
みな等しく時間は過ぎるが、その変容と経過はそれぞれに持つ熱量によっても異なる。
衝動的に壊してしまったもののその欠片を、いつまでも愛おしく眺めるように密やかに持ち続ける関係は、特別という平易な言葉よりも強固なものを残していく。
名前を付けられない関係を愛おしく思う人に届いて欲しい作品だ。
須原屋ビーンズ武蔵浦和店 岩谷妙華さん
優しさと、鋭さが混在する物語でした。
言葉にすると脆く指の隙間から溢れ落ちていくような儚いようで強い想いが、物語を通して漂っています。近いようで遠いようなリッカとヨウの関係が心をくすぐり、眩しかったです。10代の未完成な時代に成り立った「友達」は、ときが経ち関係値や価値観が変わってしまっても、変わらなくても、大切なひとへの想いは育まれ築かれていく。本文中の「ひとを変えていくのは、ひとではなく時間なのかもしれない」という言葉が、心にストンと落ちました。
未来屋書店春日部店 水上舞さん
一緒に過ごすキラキラ眩しい時間も、そばにいても辛くて悲しい時間も、そのすべてが愛しくて大切な時間。変わらないことに安堵し、変わることを憂慮する。お互いを大事に想うからこそ、本心を伝えられないジレンマがもどかしい。リッカとヨウ、二人の関係を友情とか恋とかそんな簡単な言葉で括りたくない。名前もつけられないけれど手放したくない、何よりも大切な感情を愛と呼ぶのだろうか? ずっとそばにいたいと思える人に出会えた二人は幸せだと思った。
未来屋書店加西北条店 尹悠子さん
青山さんの2作目、楽しみに待っていました!
「わたしの好きは、一種類だよ」
この言葉に胸がぎゅっと締め付けられました。
リッカとヨウ二人の、言葉に出来ない想いも、言葉に秘められた想いも、優しくてせつない。
相手を大切に思っているからこそ、傷つけてしまったり、自分自身も傷ついたり。
それから、日常はプライベートだけではない。仕事パートもきっちり描かれていて良かったです。
室井さん素敵です! こんな上司のもとで働きたい! こんな先輩になりたい!
紀伊國屋書店相模女子大学ブックセンター 藤原亜希さん
声に出さない秘めた想いも、投げやりになったとしか思えない行動も、全てが痛々しい。だけど、周りが見えなくなるほど、誰かを想えることは少し羨ましく思う。
無償のようにみえて、嫉妬したり、苛立ったりするところが、とても人間らしく、感情移入してしまう。
種類の違う執着は、交わることはないのか、平行なままで、幸せになれるのか。そう問われている気がした。
未来屋書店宇品店 森島恵さん
勝手に自分で形作っていた物に自分で失望したり、怒りに似た感情を抱いたり…
共感できる部分も多く、胸が詰まる思いで読みました。
人を愛することに「正しい」も「間違い」も無い。
ただただ相手の幸せを願い、想う気持ちはなんて尊いのだろう。
紀伊國屋書店アリオ鳳店 吉原朋子さん
人を想うことの溢れるようなよろこびと苦しさの両方を、実感を伴って経験したような読書体験だった。
無邪気で幼かった中学時代と、15年後の大人になり、それぞれの事情を抱えた二人の関係性の変わってしまった部分、変わらない部分の細やかな描写もよかった。
紀伊國屋書店天王寺ミオ店 西澤しおりさん
甘く切なく、湧き起こる感情。その気持ちが何なのか言葉にはできなくても、確かな温度を持って、そこにあると感じさせてくれた。何にも代え難いその気持ちを、恐れずにありのまま受け止めたいと思った。
平和書店能登川店 山野有里さん
恋とか友情とか家族とか、どんな言葉を使っても言い表せない絆を感じました。ふたりがいつかその絆の名前を見つける日が来るのでしょうか。
未来屋書店姫路大津店 Aさん
正直、リッカ重いな…と思いながら拝読していたのですが、大人になって、リッカの記憶のなかのヨウとは違ってしまったと感じるようになってからの二人の気持ちのぶつけ合いは、わかる!という部分もあり、特別な思いをもった人への言葉にし難い感情に唸ってしまいました。
未来屋書店名取店 髙橋あづささん
若さって眩しくて痛いなと思った。学校と家庭の狭い世界でもがいていた、あの頃の閉塞感を思い出してちょっと苦しくなりました。
同性愛と異性愛って結局のところ、同性愛側がちょっと自己犠牲気味になってしまうのかなぁと考えてしまった。報われない愛って簡単に言ってしまいがちだけど、それでも根底にあるのはれっきとした愛なんだよなとリッカの深くて熱い思いに胸を打たれました。
みんな幸せになってほしい。心からそう願ってやみません。
紀伊國屋書店ゆめタウン博多店 富田智佳子さん
友情なのか愛なのかなんとも言えない六花の気持ちが切なかったです。
紀伊國屋書店グランフロント大阪店 梅谷翔也さん
青山ヱリさんの新刊を待ってました!!
デビュー作『あなたの四月を知らないから』を読んでから、個人的に推している作家さんですので楽しみにしておりました!
やはり青山さんの文章表現に惚れ惚れしました。中学生の若い頃はもちろん、大人になりライフステージが変わった部分やコロナ禍という今を生きる誰もが経験したあの頃を、丁寧に繊細に描かれていると感じました。
そして「リッカ」と「ヨウ」の成長といいますか、歳を重ね、様々なことを経験したからこそ得たものが垣間見える部分はまさに尊いものでした。
当店でも「リッカ」や「ヨウ」と同じ目線になって読んでいただける方が多いのではないかと思いますので、作品の魅力を推してたくさんの方に読まれることを願っています。
紀伊國屋書店愛知産業大学ブックセンター 柴田真奈美さん
「わたしの好きは一種類だよ」──このひと言にリッカの想いすべてが込められている気がして、今思い出しても胸の奥がギュッと痛くなります。言葉に乗せて二人の関係を表すことが全てではない、だから責められない、責めたくない。それでも割り切れない…。一緒に「生きる」って、果てしなく奇跡みたいなことで。だからこそこんなにも尊いんだ。
いつまでもずっと読んでいたい。やっぱり私は青山さんの紡ぐ言葉が好きでした。
未来屋書店入間店 佐々木知香子さん
友愛の狭間で感じる不器用で割り切れない想いに翻弄されながらも、自立している二人が頼もしくもありました。
リッカとヨウの時間がこれからも続けばいいなと思いました。
梅田 蔦屋書店 河出真美さん
何年も何年も会わずにいても忘れられない、特別な誰かがいる人に読んでほしい。ここに一つの、あなたにだって起こり得たかもしれない、物語の終わりと始まりがある。
くまざわ書店西新井店 塩里依子さん
友情よりももっと深くて、家族よりももっと切実。こんなにも強く想い合い、一緒に生きたいと思える人に、一体どれだけの人が出会えるだろう。
リッカとヨウが見た景色、触れてきたものの柔らかさ、変化していく心が繊細に伝わってきて二人と共に20年の月日を歩んでいるようでした。
未来屋書店武蔵狭山店 柴田路子さん
言葉にできない思いをのせて
言葉少ない会話が胸にささりました。
お互いに求め合う優しさが
溢れかえっていた。
結婚の誓いの言葉がふと、うかびました。
病める時も健やかなる時も富める時も、
貧しき時も、愛し、敬い、慈しむことを誓いますか。
そんな二人に見えました。
紀伊國屋書店札幌本店 関咲蘭さん
青山さんの言葉のひとつひとつが、囁くように語りかけてくる。
言葉で言い表せられずとも、名前はなくとも、確かにそこにある愛しさに胸が満たされました。
ネットギャリーより 書店関係者
物語の解像度が高すぎる。
鮮烈な色彩が瞳をさし、彼女たちの呼吸が首元をかすめるようだった。
見ることも、触れることも、できるはずもないのに。
二人が出会い、別れ、再びの別離に怯えながら過ごした時間。
どうして「あなた」でなければならないのか。
彼女の想いが胸になだれ込み、とっくに切り離せなくなった恋が愛へと変わって根付いてしまう。
言葉にできない衝撃を体内に留めておくことは、正しい選択なのか、それとも。
物語に引きずり出された感情を、瑞々しいまま真空にして、保存できたなら。
未来屋書店成田店 森川由香さん
前作に続き、とてもとても素敵なお話でした。 淡い色を重ねていくような、繊細で、でも何か力強いものも感じました。友情かもしれない、それ以上かもしれない。言葉には表せない何かがこの二人にはあると感じました。その気持ちは、くすぐったくなったり、切なくなったり、人の感情とはとても果てしなく世界が広いと思わせられました。深い愛情で繋がっている二人だからこそ、迷惑をかけたくない、でも正直でありたいと思う。葛藤がリアルに描かれ、心を打たれました。愛という感情の形が様々であること、それがここまでも他を揺さぶるものであること、その綺麗な部分も複雑な部分もすべて美しかったです。すべてが愛おしいです。
明屋書店下関長府店 南隆大さん
僕の中での青山さんへの「青山さんなら間違いないんじゃないか」という信頼が確固たるものになるには充分過ぎるほど、今作も良かった!
文章力(自分が文章力を語れるほどの者ではないのは承知した上で)が、確実に上がったなぁと感じました。
中でも比喩表現は、読んでて「くぁあぁぁ‼︎‼︎ この表現、いいなぁ‼︎‼︎‼︎」と膝を叩きたくなるようなものが散見されました。
変わらない事を許さない時の流れの中で
揺れ続ける女性二人の【友情】にスポットライトを当てつつ
仕事や結婚、子育てなどにも目を向けさせるストーリーも
読者それぞれの切実な想いや願いを乗せて読まれることでしょう。
ライフスタイルの可能性が広がったことによって
現代社会に疲弊してしまいそうな時
この作品は、六花と曜の間柄の様に【時には想いをぶつけ合い、時には愚痴を言い合える友達】みたいな存在になってくれる
そんな気がするんだよなぁ。
装画はどうなるんだろ…
前作に続き
水嶋みずさんが担当されたら嬉しい。
ネットギャリーより 図書館関係者
関係を名付けないと落ち着かない風潮があるけれど、名付けがたい関係もあるし、
下手に名付けてしまうことで関係が変化してしまうことがこわくもあったりする。
相手といるときの自分が一番好き、だったり、
相手といるときの自分が一番自分らしい、だったり。
特別ではあるけれど、それが一般的なパートナーとして認められない関係だと、
これだけの危うさをはらむのだなぁというのがひりひりと伝わってくる。
互いを思うベクトルの向きはちょっとずれているけれど、
力は等しいんだろうな、そんな風に感じられました。
正和堂書店 猪田みゆきさん
友情とも愛情とも取れる曖昧で、それでもしっかりとした絆の二人の物語を読めて良かったです。
こんな関係だってあっていいんだよ。そう囁いてくれているような気持ちになります。
有隣堂淵野辺店 大久保あすかさん
読み返してみても、二人の関係性の尊さは変わらず胸に残った。どんなに強く願っていても、ひとは時間によって変わってしまう。けれど、その変化を受け入れられるようになるのもまた時間なのだ。
変わらないもの、変わってほしくないもの、変わるもの。それぞれのさざめくような心の動きが描かれていた作品だった
TSUTAYA黒磯店 阿久津さん
リッカとヨウの名前のつけられない関係に心を奪われました。
ただ生きていくだけのことがままならない世の中で、誰かと共に生きようとする二人が尊い。これからの生活が、穏やかで何者にも奪われませんように、と祈りたいです。
精文館書店尾張一宮店 渡辺咲さん
「この人といる時の自分、好きだな」と思えることができる幸せ。それをお互いが、強く、何十年と大切にしてきたなんて奇跡以外の何物でもないと思う。
三洋堂書店富田店 土井陽子さん
リッカにとって、ヨウの存在は、ひと言ではとても言い表せない大切な人なんですね。年月を経ても、男とか女とかの次元を超えて大好きで、大切だと思える人がいることが、今風に言えば「尊い」というのでしょうか。
現代パートではコロナ禍の暮らしを描いていて、あの頃の何とも言えない息苦しさや後ろめたさが、急に生々しく蘇ってきました。知らず知らずもう何年か前のことになっていて、良くも悪くも時が流れていることを実感します。そんな中、20年を経ても変わらない大切な存在があるからこそ、リッカは今の自分でいられるのだろうと思いました。
また全くの余談ですが、リッカの取引先に「土井さん」が出てきて、なんだか嬉しいけれど落ち着かないような気持ちで読ませていただきました。私も土井さんのような「ブレないし正しい」人を目指したいです。
マルサン書店サントムーン店 原田里子さん
中学時代はふたりで完結することのできた絆が、大人になり様々な人と出会うことで変わっていく。その痛み、変化していくことへの淋しさと恐れの中で、新たな絆を紡ぐ強さを見つけるふたりの姿に、晴れやかな風が心を吹き抜けます。
紀伊國屋書店エブリイ津高店 髙見晴子さん
多様性…そんな言葉では表せないこの感情は何だろう。
リッカの20年、ヨウの20年。辛い事もあった。でも再会し、幸せなときを過ごしている。
二人がこのまま幸せでいられますようにと願わずにはいられない。
Life with Books イオン南松本店 立木恵里奈さん
友情でも愛情でもない、目に見えず言葉でも言い表せない絆で結ばれた二人の姿が、愛おしくもあり眩しくもあり羨ましくも思えました。
二十年という歳月の中で、見た目や周りの環境は変わっても、自身の中にある感情や想いは変わらずに、自分が自分でいられるように、お互いの存在を確かめ合うように名前を呼び合い、時には衝突しながらも笑い合える関係は何ものにも代えがたく思えました。
この関係が永遠に続いてほしいと願い、二人をそっと見守っていたくなる物語だと思いました。
有隣堂藤沢本町トレアージュ白旗店 小出美都子さん
むせかえるような若さから始まって落ち着いた関係にたどり着くまでたくさんの感情が行き過ぎた。
名前の付けられない関係をこうして物語として手にする事でこれは自分の物語だと感じる人も多いと思う。
きっと曜のためだけに傷付きたかった六花が曜の幸せと共に生きていけますように。
紀伊國屋書店イトーヨーカドー木場店 上原千尋さん
友達という言葉では括れないリッカとヨウの関係性を目の当たりにして、言葉にできないものの美しさと愛おしさを感じることができました。
未来屋書店明石店 大田原牧さん
誰かを愛するのに、その関係に名前なんて必要ないのではないか。
月日が経ち、愛おしさの矢印の向きが変わったとしても、あえてその関係に名前を付けなくてもよいのではないだろうか。
ただ、愛おしい。
それでいいんだと思った。
沢山の人たちの顔が、次々と浮かんでは消えていく。
かつて持て余した感情に、もう一度心を乱されるような物語だった。
水嶋書房くずはモール店 井上恵さん
特別な絆でつながっているふたり。楽しくて甘やかな時間を過ごし、離れ、再会する。いったいどこに行き着くのだろうかと胸がきゅっと締めつけられた。ふたりの関係をなんと呼んだらいいのかは分からないけれどただただお互いが尊くて大切で一緒にいる、それだけでじゅうぶんなのだと思えた。切なく美しい物語でした。
明屋書店くりえいと宗像店 和歌山寿美さん
青春小説と思って読み出した。そんな甘酸っぱく易しいものではなかった。
誰しも何かしら秘密を持っている。ひとりで抱え、打ち明けられず、澱のように心の底に沈めている。
苦しみ抜いた先、罪悪感まみれの秘密に、ふと赦しを与えられる。慈悲深く、しかし移ろいやすく儚い、だからこそ美しい終章。
個人的には、主人公が抱くデザイナーとしての矜持、それが報われる場面で泣けた。お仕事小説として読んでも熱い一冊。
ブックスタマ武蔵小山店 野田恭子さん
愛か恋か友情か。そんな簡単に区別できない特別な感情を抱ける人と出会った二人の物語。最近多いLGBTQ の恋愛小説かと思いきや、もっと深くて尊い人との繋がりを感じさせてくれる小説でした。リッカにとってヨウが特別な人なのは、痛い程伝わってきたけど、ヨウにとってのリッカはどうだったのか、この分かりそうで分からない気持ちの伝え方の方が切なくて尊くて難しい。ヨウがリッカの前から消えていた15年が、なぜだったのかが描かれていないところが、想像を掻き立ててくれた。
くまざわ書店西新井店 中沢雅さん ネタバレあり
前作の「あなたの四月を知らないから」を読んだ時と似たような読了感です。また今作の登場人物たちのその後がしあわせでありますようにと願ってます。
リッカの視点から描かれていく時代が、同年代だからか余計に同じ時間を過ごしていたと勘違いするくらい同じ時間を生きていて、離れてからのツールがmixiだったり、コロナ禍だったり、そして出会ったあとのコロナの影響が、そうだったな、とリアルに描かれていてどんどんのめり込んでいきました。塊魂懐かしすぎる。病院の待合室や人混みを避けたり不要不急だったりちょっと人混みで飲食をしたら感染するかもしれないと思われたり…マスクを外せない、周りに気を遣い続ける、息苦しい時期が確かにあったなと久しぶりに思い出した。
リッカの気持ちがどんどんこっちに向かって悲鳴みたいに聞こえて、だけどヨウも、変わったけど変わりきってなくて、何かに向かって叫んでいて、すごいいろんな音がした物語だった。
ヨウ目線の話があったらまた感想は違うのかもしれないけど、リッカ視点から見たヨウは本当に掴めなくて、なのに掴ませてきて、謎すぎる。ネオンをリッカに出会わせてくれてありがとうだけど、ヨウの行動はずっと読めなくて、リッカと同じく苛立ちもした。智くんと勝手に幸せになってくれ。なんて言ってぱっと突き放したい存在だった。なのに、「リッカといるときの自分がいちばん好き」なんて、狡いなぁ。それに対して「ヨウといるときの自分がいちばんほんとうの自分だと思える」なんて返すリッカも、狡いから似た物同士の二人だったなぁ。
土井さん好きすぎます。さっぱりしていてはっきり物を言う姿、ずばっと言ってくれて好きです。最後まで現れてくれて、この人のいる世界の話をもっと見たいと思ってしまいました。
室井さんは最初から最後までいい上司だった。こんな人なかなかいないし、室井さんならきっと必ず会社を立ち上げてくれるからそれまで踏ん張ろうって思える、不思議な力がある。こんな人になれたらなと思う理想像。
ネオンはそのままステキに育ってくれ。あなたがメロンと名づけてくれたから救われた人が隣にいます。あなたの力は計り知れない、未来しかない。
その名前をいつか、呼ぶ日が来ることを願って。
恋愛だけではない、複雑な友情や依存しそうな関係をこんなさらさらした文章で綴られているこの本がわたしはすきです。大切な物を少しだけ見せてくれた彼女たちに感謝します。
発売がたのしみです。
未来屋書店水戸内原店 倉田真実さん ネタバレあり
叶わぬ思いにリッカが胸を焦がすたび、胸の奥がギュッとなった。かつて夢見た、ヨウとの幸せな未来。その未来を自分以外の誰かと歩む姿はリッカにとってこの上なく残酷なことだと感じた。それでも魂から惹かれ合う二人が性別を超えた人としての繋がりを求める限り、この物語は続いていくのだろう。
作品の最後、リッカの決意のようなものを感じた。この先何があってもこの人を好きでいるという覚悟が人を強くするのだろうか。
この世界のどこかにいるリッカとヨウが幸せでいますように、と願わずにはいられなかった。
未来屋書店四條畷店 安藤由美子さん ネタバレあり
うわぁ、やられた…
最終場面、の禰音のことばに、リッカの全てがふわっと抱きしめられたのが、こちらにも伝わってきた。
ただの文章ではなく、その時の温度や匂いまで紡ぐことができる青山ヱリさん。
彼女だからこそ、名前をつけることができない関係や、感情をここまでの物語にできるのだろう。
ずっとこれからも、作品を読みたい書き手だ。
梅田 蔦屋書店 永山裕美さん ネタバレあり
その人といることで、自分が自分であることがわかる、
身体の底から満ちあふれるほどの想いをなんと呼べばいいのか。
こんなにもすべてを費やし、ひとに愛情を注ぐことが出来ることに、そして、
とても一言では言えない、言葉にできないほどの想いを20年間、
ひとは抱えることができる、ということに、心を動かされました。
ラストで、ヨウが禰音の脇腹をくすぐる場面は
互いのぬくもりを確かめ合い、その存在をいとおしむ瞬間として、
とても印象的で、前作『あなたの四月を知らないから』の最後を思い出しました。
母親の腕に口を当てて、息を吹き込み、くすぐって笑わせる──その何気ない、
ありふれた仕草に宿っていた幸福さがあざやかによみがえってきました。
未来屋書店仙台上杉店 東海林紗希さん ネタバレあり
リッカとヨウ、時を経るにつれて関係性を変えていくふたりの行方に目が離せず、ページをめくる手が止まらなかった。
リッカもヨウもお互いに対して友情以上の感情を抱えているし、再会がなければネオンも生まれていなかったかもしれない。そう思うととても運命的なのに、それ以上は決して交わることはないのがもどかしい。関係性に正解なんてないとはわかってるけれども。
未来屋書店つくば店 堀口愛さん ネタバレあり
恋しい気持ち、友情、愛情、いろいろな感情のあわいで描かれるふたりの20年。言葉にするのが難しいような感情が、丁寧に描かれている。光のみえる終わり方が好き。
ジュンク堂書店郡山店 郡司さん ネタバレあり
自分の全てを捧げてもいいと思えるほどの人に出会えたのに、ずっとそばにいたいその想いが強くなるほど伝えられない。リッカの気持ちに気づいているはずなのに急にいなくなったり突然現れて大きな悩みを打ち明けたり、「ヨウはずるいよ」と思ってしまうほどリッカに感情移入してしまいました。自分が幸せにしてあげたいのに幸せになっていくのを見守るだけなんて。でもヨウは、リッカがずっとそばにいてほしいかけがえのない存在だと言ってくれた。決して報われないと思っていた想いが届いた瞬間うれしかった。お互いを必要とする4人が新しい形の家族になる。これ以上のハッピーエンドは無いと思いました。登場人物の感情や表情さえも浮かんでくるほど丁寧な描写、全身で物語を体感できる作品でした。
紀伊國屋書店京橋店 坂上麻季さん ネタバレあり
学生時代って、友達や好きな人へ向かう気持ちがまっすぐでひたむきで本当に特別だった。
お互いに大事な存在なのに、思いの種類がちがうとき、どうすれば思い合っていられるんだろう。
大人になるにつれ、足りなくても違うものでバランスをとったり、打算や見返りがちらついたり、ただひとつを大切に思うだけではいられなくなる。
大人になったヨウのことをずるいと思ってしまった。あっさり家族になれる人を選ぶなんて。
でも、家族には永遠になれなくても、ネオンを一緒に育てたのはかけがえのない時間だったし、生まれる前からそばにいられたことと戸籍でつながれることを比べたらどちらの方が近いんだろう。
夫婦も友達も家族も、ずっと同じ関係ではいられない。
それなら、ネオンがくれた言葉のように、ずっと胸に残る瞬間は、家族という絆と等価なのかもしれない。
どんなことも移り変わっていくから、だからこそ心が通う瞬間が尊いんだと胸がいっぱいになりました。
興文堂平田店 名和真理子さん ネタバレあり
人が生きていく中で、何も変わらずにい続けることは難しい。
変わり続けていく中で、様々なものを失いながらも、自分を生きていく人間の美しさが描かれていると思いました。
ラスト、禰音の成長と真っ直ぐな言葉に、六花とともに胸がいっぱいになりながら、変わっていくということそのものが、生きているということなのだと、急に世界が広がったように感じました。
もう、あの頃には戻れない寂しさを感じながらも、時間を積み重ねた自分の歩幅で、ちゃんと前を見て進む登場人物たちが、まぶしく愛おしい。遠くから瞬き続ける夜空の小さな星の輝きみたいな物語だと思いました。
ネットギャリーより 教育関係者 ネタバレあり
色んな形の家族があるからもう驚かないぞ! 昭和生まれのおばさんでも! 本人が幸せなら一番。と頭で分かっていてもいざ我が子が一生独身。同性同士での生活と子育てをするとなると訳ありじゃんと受け入れられる自信なし。やっかいな生き物。織りなす言葉の響きが美しく情景を浮かべながら読めました。
ネットギャリーより 図書館関係者 ネタバレあり
型にはめられたような名前はない二人の関係性
一方通行に見えながらも実は…
最後のシーンも好き。子どもの素直な感性で呼ばれた我が子。たくさんの感情が交差するそれぞれの幸せは何か考えながらも離れがたい二人にもとらえられる。
二人のママという関係でもない。
不思議な関係のまま長年友達でいる。
不安を感じながらも二人の関係は続いていく。
三洋堂書店新開橋店 山口智子さん ネタバレあり
引き込まれた。変わらぬ思い。変わっていく関係性。口にする事はないはずだった秘めやかな六花の思いが長い時を経て言葉になった時、それが自分だけの独りよがりな思いではない事を知った時、六花の思いは浄化された。曜に貪欲さと狡さを感じながら、六花も誰にも言えない秘密があり禰音と過ごす事で心を癒やしている。二人ともそれでいいのだと思う。大人になり、それぞれの場所でプライドを持って奮闘する彼女たちがこうやって自分にとっての大切なものを見失わず新たな関係性の中で生きていける事に救いを感じた。大切な人との関係の形はその数だけあるのだと知った。
東大生協本郷書籍部 内山博子さん ネタバレあり
分かりやすく「友情を超えた恋慕」とか「愛以上の愛」とか関係を言い表す言葉を探すのは難しくない。でもこの世に無数にある陳腐な言葉で、簡単にこの人たちの関係は表せない。むしろそんなレッテルを無理やり貼るのは間違っている気がする。
中学生の頃のただ単純に一途に想っていれば良かった時とは変わり、社会人としての責任や振る舞いに侵略される想い。変わらないのに意図せずして変わってしまう。それを仕方ないと一刀両断出来たら楽なのに。
リッカとヨウがちゃんと狡いところがあるのも現実の人間らしくて良かった。あと禰音ちゃんが可愛かった!
ブックスオオトリ四つ木店 吉田知広さん ネタバレあり
激しすぎる情念のようでいて、どこまでも深い愛のようでいて。
自分の人生を搔き乱すほどの、コントロールできない「好き」という感情。
その痛切さに胸を抉られました。
時間を経て、知りたくなかった姿も知って、自分も周りも変化していく。それでも続いていく二人。
ラストシーン。彼女たちが愛おしい娘とともに、葛藤に苛まれることもあるだろうけれど、穏やかにこれからの日常を送っていってほしいと思いながら読了。
こんなに登場人物たちの幸せを願った作品は久しぶりでした。
啓文社 岡山本店 丸尾英樹さん ネタバレあり
友情や恋愛とも違う、もっと根源的なつながりを感じる愛情を抱くかけがえのない唯一無二の存在に出会ったら、お互いを大切にし、求め合い助け合い、共に生きたいと欲するのが当然でしょう。けれどもその想いを押し付けず胸に秘めているのは、その人を大事にしたいからこそ。リッカとヨウがそれぞれ仕事と出産・育児という苦難を乗り越えていけるのは二人が生きることに対して真摯でいるからに違いありません。私の読書史上、相手を思うストイックさがこれほど切ない小説は今までにありませんでした。願わくばその名前をいつかリッカが呼ぶ日が来ますように。
焼津谷島屋吉田店 河本理絵さん ネタバレあり
私たちはどれほど自分の身近にいる人でも、その本心を知ることはできない。性別も環境も時代も当たり前に皆違う。そして結婚や育児をする者とそうでない者の間には、よりわかり合うに困難な壁がある。この物語では後者の心の内が、その変化と共に丁寧に描かれていた。
子どもを産み育てることの奇跡と幸運を、歳を重ねるほど実感するようになる。体が女であれば、その本能のようなものからは逃れられないと思う。自分には不可能なことであったとしても、心から祝福できなければ、また自分自身を責めてしまう。六花の心の声に共感し安堵する者は一定数いるはずだ。
相手を想うからこそ嘘をついたり、言葉にしないこともある。私は、相手も自分も大切にするための言葉を探せる人でありたいと思った。
宮脇書店本店 藤村結香さん ネタバレあり
きっと彼女たちなら大丈夫、ラスト2頁に込められているありったけの愛に一瞬で目を潤ませながらそう確信しました。六花と曜にこれからも沢山の幸福がありますように。
人は誰しも心の奥底は分からないもので、大切な誰にも言えない気もちをひた隠しにしているものだと思います。けれどそれは時に自身を苦しめるものになる。だからこそ"この人がいる"という支えは大きいのでしょうね。様々な小さくない感情を互いに想いあう二人を見ていると改めてそう感じました。私もコロナ禍に娘を出産しました。一人で入院して産んだ娘と二人きりを過ごした時の長さは一生忘れないと思います。自分でも感情が落ち着かなくて泣いたりしたなあーと。
私自身の中に六花を曜を許せない部分も抱きしめたくなる気もちもあるのが答えのような気もしました。