司馬遼太郎 街道をゆく 公式ページ

このエントリーをはてなブックマークに追加

嵯峨散歩嵯峨散歩

地図

旅のルート旅のルート

【旅の時期】 1984年12月5日~6日

嵯峨野の旅は、古くは、「絶壑ノ間ニ孤立ス」と表現された山峡の水尾から始まった。司馬遼太郎は、はるか昔この地に辿り着いた清和天皇に触れ、天皇を祀るお社を護持し続ける里人の心遣いに注目する。嵐山の渡月橋では、古代、山城国(京都)に定住し、土木技術によって田野を切り開いたといわれる渡来系氏族の秦氏について考える。見まわせば、渡月橋下の中洲も松尾大社も、現代に残る秦氏の足跡なのだった。天竜寺塔頭の妙智院で嵯峨名物の湯豆腐を食べながら、司馬さんの思いは遠く豆腐の起源にまで遡る。旅は「芸能」や「売り掛け」の神として信仰を集める車折神社で締めくくられる。かつてこの社を「ヨリナリサン」と呼んでいた女性の懐かしい思い出を振り返りながら。

水尾
平安初期に退位後出家した清和天皇を祀るお社がある。柚子を多く栽培し、10月~5月には民家で柚子風呂、水炊きの接待(有料)もある。
京都府京都市右京区嵯峨水尾
鳥居本
愛宕神社の門前町として古くから参詣者でにぎわう。嵯峨野の奥座敷、清滝や水尾へもここを通る。重要伝統的建造物群保存地区。
京都府京都市右京区嵯峨鳥居本
天龍寺
暦応2年(1339)、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うため、夢窓疎石を開山として建立。元との天龍寺船貿易で資本を捻出した。
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
渡月橋
嵐山の法輪寺再興に伴って架けられた橋がはじまりといわれる。当初は現在よりやや上流にあった。「くまなき月の渡るに似る」と亀山天皇によって命名された。
大悲閣千光寺
保津川の突貫工事や高瀬川(京都~伏見)の開削を手がけたことで知られる江戸期の豪商、角倉了以の木像を安置する。
京都府京都市西京区嵐山中尾下町62
松尾大社
大宝元年(701)に、渡来系氏族の秦忌寸都理が、海上交通の守護神として知られる筑前国宗像社の神を勧請して創建したといわれる。現在は酒造の神としての信仰を集める。
京都府京都市西京区嵐山宮町3
車折神社
平安末期の明経博士、清原頼業を祀る。商売繁盛や売掛金の回収など、現世利益の信仰を集める。境内には芸能上達を願う宝塚関係者らの玉垣も並ぶ。
京都府京都市右京区嵯峨朝日町23

司馬遼太郎 街道をゆく | 第26巻 嵯峨散歩、仙台・石巻

司馬遼太郎 街道をゆく 26

嵯峨散歩、仙台・石巻

仙台・石巻仙台・石巻

地図

旅のルート旅のルート

【旅の時期】 1985年2月25日~28日

大阪空港から仙台へと飛んだ司馬遼太郎は、機上から見る富士の光景に<奥州人がいつ富士をみたか>と、歴史上いく度か興った東北の勢力の西上を思い返す。仙台南方の阿武隈川河口を訪ね、伊達政宗の造った運河「貞山堀」を目にした司馬さんは、400年の時を経て静かに保存されている運河の佇まいに仙台藩の風儀の奥深さを感じた。さらに桃山文化の風を残す岩沼の竹駒神社、仙台の大崎八幡宮へ詣り、ここにも大藩の骨太な文化を見いだす。芭蕉の『奥の細道』に沿うように、北東に歩を進め、「遠の朝廷」多賀城跡では、政庁跡や多賀城碑に、古代から続く詩へのあこがれを思う。松島湾に臨む港町塩竈では、陸奥一宮であった鹽竈神社を訪ね、奥州の古風を感じる。松島では観光化されすぎて芭蕉への厳粛な敬意を失ったかに見える風を嘆く。終着点の石巻で日和山山上から、政宗が改修させた北上川を眺めた司馬さんは、あらためて政宗に「すっきりした男」という印象を抱き、また北上川の中洲にあるロシア正教の教会堂に「東北のハイカラさ」を感じとるのであった。


石巻


鹽竃神社

貞山堀
阿武隈川河口から北へ、三十数キロにわたって掘られた運河。工事は伊達政宗の時代から明治維新後まで続けられた。
阿武隈川河口
仙台市中心部から南に約24キロ。司馬さんは河口にかかる亘理大橋から、仙台湾に注ぐ阿武隈川を眺めた。
竹駒神社
承和9年(842)創建で、日本三大稲荷の一つという。
宮城県岩沼市稲荷町1-1
岩沼市の街並み
空襲を免れた市中心部の商店街には、蔵造りの街並みが見られる。
大崎八幡宮
慶長9年(1604)、伊達政宗の仙台開府とともに造営が開始された。本殿、拝殿、石の間は国宝。
宮城県仙台市青葉区八幡4-6-1
仙台城趾(青葉城趾)
伊達政宗によって慶長8年(1603)完成した。当時から現存するのは石垣のみ。
宮城県仙台市青葉区川内
瑞鳳殿
昭和54年(1979)に再建された伊達政宗の霊廟。資料館も併設。
宮城県仙台市青葉区霊屋下23-2
魯迅下宿跡
仙台医学専門学校(現東北大学医学部)に留学していた魯迅の下宿「佐藤屋」の跡。
宮城県仙台市青葉区米ケ袋1-1-11
東北大学 片平キャンパス
本多光太郎の開いた金属材料研究所や魯迅が学んだ階段教室がある。市西郊の青葉山キャンパスには理学部・工学部の研究室や講義棟が置かれている。
宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
一番町
東北随一の繁華街。時計の下には支倉常長を象ったブロンズ彫刻が施されている。
JR仙台駅
東北新幹線開業とともに整備されたペデストリアン・デッキ(歩行者回廊)は司馬さん絶賛。
多賀城跡
奈良時代、陸奥国府と鎮守府が置かれていた史跡。芭蕉ゆかりの多賀城碑もある。
宮城県多賀城市市川
鹽竈神社/志波彦神社
律令時代から続く陸奥国一宮。志波彦神社は鹽竈神社の境内にある。
宮城県塩竈市一森山1-1
御釜神社
毎年7月4日~6日、「塩竈」の名の由来となった藻塩焼神事が行われる。
宮城県塩竈市本町
塩竈港
観光桟橋からは松島への遊覧船が出港する。芭蕉もここから船で松島へ渡った。
瑞巌寺
伊達家の菩提寺であった臨済宗の寺。本堂、庫裡は国宝。宝物館も併設されている。
宮城県松島町松島町内91
日和山公園
中世に葛西氏の居城・石巻城が築かれていた標高56メートルの小山。芭蕉と曾良、川村孫兵衛の像があり、旧北上川河口や石巻港、牡鹿半島が見渡せる。
宮城県石巻市日和が丘1
旧石巻ハリストス正教会教会堂
明治13年(1880)建築の日本最古の木造教会堂。ビザンチン様式を模した八角形の外観で、内部は畳敷きになっている。東日本大震災で被災し、移転・復元の方針。
宮城県石巻市中瀬3-18

司馬遼太郎 街道をゆく | 第26巻 嵯峨散歩、仙台・石巻

司馬遼太郎 街道をゆく 26

嵯峨散歩、仙台・石巻

この巻に登場する人物この巻に登場する人物

この巻の目次この巻の目次

  • 【嵯峨散歩】水尾の村/水尾と樒が原/古代の景観/大悲閣/千鳥ケ淵/夢窓と天龍寺/豆腐記/渡月橋/松尾の大神/車折神社
  • 【仙台・石巻】富士と政宗/沃土の民/神々のこと/宮城野と世々の心/屋台と魯迅/東北大学/大崎八幡宮/千載古人の心/塩と鉄/陸奥一宮/奥州の古風/詩人の儚さ/海に入る北上川/石巻の明るさ

ご購入はこちらご購入はこちら

司馬遼太郎 街道をゆく | 第26巻 嵯峨散歩、仙台・石巻

司馬遼太郎 街道をゆく 26

嵯峨散歩、仙台・石巻

Copyright 2013 Asahi Shimbun Publications Inc. All rights reserved. No Reproduction or publication without written permission.