司馬遼太郎 街道をゆく 公式ページ

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因幡・伯耆のみち因幡・伯耆のみち

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【旅の時期】 1985年5月26日~30日

司馬さんは、かかりつけの開業医・安住先生の故郷、鳥取県智頭町の早野を訪ねてみたいと思う。早野は千代川の源流域で、千代川は鳥取平野を潤し、因幡国はこの川なくしては成り立たなかったのではないか、と思う。まず早野に行き、川沿いの国道を鳥取市まで下る。夜、町に出た司馬さんは、町のほどよい暗さに安らぎを覚える。そこから柳宗悦の民藝運動のこと、それが吉田璋也によって鳥取でも展開されたことを考える。翌日、因幡国庁跡へ行き、国守として赴任してきた万葉歌人・大伴家持に思いをはせる。そして少年のころの「砂漠へのあこがれ」を思い出しながら鳥取砂丘を訪ねる。翌朝、鳥取を発って「因幡の白兎」の神話で知られる白兎海岸に向かう。神話に登場する白兎、ワニ、大国主命について考察し、白兎神社を創建した亀井玆矩を思う。玆矩が城主となった鹿野町を散策したあと、倉吉に。その途中、三徳山皆成院で食べた木綿豆腐のおいしさに驚き、倉吉絣の伝統を守る福井貞子さんの著書『木綿口伝』の魅力を語る。米子に泊まって市内から大山を遠望し、大山寺では、後醍醐天皇の倒幕挙兵に参じた名和長年のことを考える。最終日、大山を海から眺めるため、島根半島最先端の西洋人設計による美保関灯台まで足を延ばす。帰途、美保神社で、江戸期の北前船で富を得た船頭たちが寄進した石灯籠に往時の賑わいを感じ、旅を終える。

早野
黒尾峠の麓の集落で、千代川の源流の地。田植えが早くワサ(早稲)を植えるため、この地名になったという。
鳥取県智頭町早野
因幡国庁跡
東西150メートル、南北200メートルほどの規模で、国指定史跡。その一部が整備され、公園となっている。
鳥取県鳥取市国府町中郷
鳥取砂丘
東西16キロ、南北2キロに砂丘が広がり、日本ばなれした景観になっている。「馬の背」とよばれる高さ48メートルの台地からの展望はすばらしい。
鳥取県鳥取市
白兎海岸
「因幡の白兎」の神話で、だまされたワニが怒って赤裸にした白兎が泣いていたところを、大国主命に救われたという伝承のある海岸。
鳥取県鳥取市白兎
夏泊港
長尾鼻の西海岸沿いの崖下にある、こぢんまりとした漁港。鹿野城主・亀井玆矩が朝鮮出兵の際に知り合い、因幡に来るように誘った筑前の漁民が開いたという。
鳥取県鳥取市青谷町
鹿野城跡
亀井氏が、玆矩・政矩の2代、37年間、この城で統治した。のち「一国一城制」で破却され、現在は堀や石垣の一部が残るだけだが、二の丸跡が城跡公園として整備されている。
鳥取県鳥取市鹿野町鹿野
三徳山三仏寺
慶雲3年(706)に役行者が開山したという古刹。嘉祥2年(849)に円仁が弥陀・釈迦・如来の三尊を安置したため三仏寺とよばれるようになった。
鳥取県三朝町三徳
倭文神社
「伯耆一の宮」で、安産の神としても知られる。この地方では織物が盛んだったため、主神は織物の神・建葉槌命。現在の社殿は、文化15年(1818)の再建。
鳥取県湯梨浜町宮内
大山寺
開山については諸説あり、修験道が山岳仏教化した奈良時代と思われる。戦国期には多数の僧兵を抱えるほど繁栄した。
鳥取県大山町大山
美保神社
『出雲国風土記』に登場する古社。文化10年(1813)再建の本殿は、大社造の社殿を2つ並べた「比翼大社造」(「美保造」ともよばれる)で、重要文化財。
島根県松江市美保関町美保関608

司馬遼太郎 街道をゆく | 第27巻 因幡・伯耆のみち、檮原街道

司馬遼太郎 街道をゆく 27

因幡・伯耆のみち、檮原街道

檮原街道(脱藩のみち)檮原街道(脱藩のみち)

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【旅の時期】 1985年10月

司馬遼太郎は、坂本龍馬ら幕末の志士たちが土佐から伊予へと脱藩した道筋を辿る旅に出る。最初の晩、高知市内で檮原出身の女主人がいるスナックを訪れ、土佐の脱藩者たちが身分の自由を求めたことを考える。翌日、向かった佐川町では、青山文庫を訪れ、その収集をした田中光顕を思いながら、酒造業の古い街並みを歩く。東津野村(現・津野町)に入ると、室町時代、義堂周信と絶海中津という五山文学の雄が輩出した高い文化をもつ地であったことを思いつつ、茶畑や高野の茶堂に立ち寄る。檮原町では町長らの出迎えを受け、神在居の「千枚田」や六志士の墓に参る。かつて檮原への道は別の山を通っていたと教えられ、坂本龍馬を思う。夜は三嶋神社の拝殿で津野山神楽を見学する。翌日は宮野々の番所や、海津見神社を訪れたあと、県境の姫鶴平で高知の人々と別れて、松山へと向かう。


高野の茶堂


神在居の千枚田

佐川町立青山文庫
龍馬自筆の手紙や高杉晋作の遺墨など、維新の志士たちの資料を多数所蔵している。
高知県佐川町甲
酒蔵通り
土佐藩筆頭家老深尾氏の城下町だった、古い白壁や木格子の家が続く町並みがある。
高知県佐川町上町
高野の茶堂
高野三嶋神社にある。同所にある「高野の舞台」は国重要有形民俗文化財。
高知県津野町北川
千枚田
高知県西部を代表する棚田。檮原町の入り口。
高知県檮原町神在居
六志士の墓
津野山郷出身の6人の志士の墓。檮原町中心部を見おろす丘の上にある。
高知県檮原町檮原
三嶋神社
司馬さんが神楽を見学した三嶋神社。
高知県檮原町川西路
宮野々番所跡
県境の村、津野山郷には番所がいくつもある。
高知県檮原町宮野々
姫鶴平
愛媛県との県境の尾根沿いに広がる四国カルストの高原。牛の放牧が見られる。
愛媛県久万高原町

司馬遼太郎 街道をゆく | 第27巻 因幡・伯耆のみち、檮原街道

司馬遼太郎 街道をゆく 27

因幡・伯耆のみち、檮原街道

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この巻の目次この巻の目次

  • 【因幡・伯耆のみち】安住先生の穴/源流の村/家持の歌/鳥取のこころ/因幡采女のうた/劇的な農業/人と物と自然/白兎の浜/亀井茲矩のこと/茲矩と鴎外/夏泊/しづやしづ/伯耆国倉吉/『木綿口伝』/伯耆の鰯売り/海越しの大山
  • 【檮原街道(脱藩のみち)】遺産としての水田構造/自由のための脱藩/土佐人の心/佐川夜話/世間への黙劇/善之丞時化/坂龍飛騰/武陵桃源/津野山神楽/赤牛と黒牛の高原

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司馬遼太郎 街道をゆく 27

因幡・伯耆のみち、檮原街道

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