作品紹介
細心の注意をはらって
行動したまえ。
命が惜しいのならね。
SNSの仮想空間『ルーム』で、
シロクマ探偵の助手をしている“ぼく”。
現実世界では、進学塾に通う受験生だ。
ぼくたち、塾の特別クラスのメンバーは、
受験前の最後の夏を『夏休みルーム』で
過ごすことにした。
「登山」「百物語」「海水浴」 楽しいはずのルームで
だれかが、ぼくを殺そうとしている!
犯人は、特別クラスのメンバーなのか?
それともSNSの幽霊……⁉
登場人物
- シロクマ
探偵 - ここはルーム。現実世界ではありません。
精神だけが集う場所。
- どうして“幽霊”は、
ぼくを殺そうとしたんですか? - ぼく
探偵助手
- ロボット
- なにが起こるかは、お楽しみ
- 透明人間にやられたのか?
- ゾンビ
- 妖精
- ……透明人間は、写真に写らない
- いや、おかしいって!
ここは、ルームだぜ - マリオネット
試し読み
夏休みルーム
はやみね かおる 著 / しきみ 画
発売日:2021年7月7日
四六版 296ページ
ISBN:9784023319103
定価:1078円(税込)
詳細ページ
スペシャルインタビュー
不可能な犯行が可能になるのはなぜ?
ミステリー小説で思考力を鍛えよう
発売を記念して、はやみね先生に「夏休みルーム」の読みどころや、おすすめの推理小説についてうかがいました。
- 編集部
- 『夏休みルーム』の読みどころを教えてください。
- どうしたら不可能な犯行が可能になるのか、考えてほしいです。とっておきのトリックを考えたので、おそらく、真犯人はわからないと思いますが、思考力は鍛えられるでしょう。(ΦωΦ)フフフ……
- はやみね
- 編集部
- トリックと犯人像のどちらを先に考えるのですか?
- 今回はトリックが先にできました。
- はやみね
- 編集部
- “チャット”のようなふきだしがたくさんあって、少し変わった小説ですね?
- 本を読み慣れていない子も読みやすいと思います。読書の入門書になれたら、うれしいです。
- はやみね
- 編集部
- SNSを舞台にしたのはなぜですか?
- 「この分野が発展すると、どうなるか?」と考えるのが好きなんです。以前、“リアルロールプレイングゲーム”を小説で描いたら、現実の世界で「リアル脱出ゲーム」がはやりだしたことがありました。
- はやみね
- 編集部
- 小説が時代を先取りしたのですね! ではボディースーツを着てSNSを楽しむ“ルーム”も、はやるかもしれませんね。
ミステリー好きの小中学生に、おすすめの作家の本はありますか?
- アガサ・クリスティやコナン・ドイル。もっと読みたくなったら「創元推理文庫」から探すといいですよ。
- はやみね
- 編集部
- 最後に読者へのメッセージをお願いします。
- コロナ禍で外出が難しい日が続きますが、夏休みを楽しんで! その手段として『夏休みルーム』を活用してもらえたら、うれしいです。
- はやみね
(初出:「月刊ジュニアエラ」2021年8月号)
はやみね・かおる
1964年、三重県生まれ。小学校の教師時代に、子どもたちに向けた物語を書きはじめる。89年、「怪盗道化師」で、第30回講談社児童文学新人賞に入選し、作家デビュー。イラストのチベットスナギツネは、はやみねさんのアバター。