介護ミステリ。
この言葉に、最初は主人公が苦難の果てに犯行に及ぶ?あるいは犯人がそんな介護疲れなのか?と思い浮かべました。
すみません、そんなありがちな内容ではありませんでした。
もちろん、介護のリアルとして介護疲れや介護によって家族が不和になること。それは、本当にリアルに描かれていました。
その上で予想もしていなかった結末が待っている。
ネタバレなしで読書を楽しみにしている方には、この程度の説明でしかご紹介できません。
けれど、さすが湊かなえ作品!読後感は、そう思えると私は思っています。
正和堂書店 猪田みゆき
魅力的な登場人物、ページを捲る手が止まらないストーリー。引き込まれました。少しずつ顔を見せる不穏さと平穏な日常のバランスがとても上手く、一気読みでした。
未来屋書店碑文谷店 福原夏菜美
老いから人は逃れることはできない。身体は衰え、嫌な思い出も大切な思い出も忘れていってしまう、、、だが心の片隅に閉じ込めた記憶にも物語がある。過去の物語を紐解いていくことが、こんなにも面白いミステリーになるなんて。湊さんのさすがの手腕に脱帽です!
未来屋書店春日部店 水上舞
今や誰もが直面する介護問題をテーマに、介護の現実を突きつける陰鬱な部分があるものの、どん底に落とす話ではないので最後まで一気に読める。
湊かなえさんの新たなる方向性が見える作品。「湊かなえ」=「イヤミス」という先入観を持つ人にこそお勧めしたい。
啓文社岡山本店 三島政幸
嫁姑、女の嫉妬、複雑に絡み合うありとあらゆるしがらみが生きた証となり生きにくい世の中を嘲笑っている。
謎を解く様に次第に絡んだ糸が少しずつ解かれ悲しい現実が見えた時、叫ばずにはいられないほどの衝撃を受けた。
知らなければ良かった。怖いもの見たさに一気に読み進めてしまった。
湊かなえさんの手中にまたハマってしまった。凄いとしか言えない一冊でした。
BOOKSえみたす富士吉原店 望月美保子
読んでいる間中、胃の腑がちくちくするような不安感が付き纏い、1ページ1ページ恐る恐るめくり続けました。彼女たちの今、過去、その時…介護というものの密室さ、そこに閉じ込められた声に、胸がぎゅっと締め付けられるようでした。遠くない将来、きっと直面するであろう介護。彼女たちの声が想像の中の自分と重なり、胸がいっぱいになりました。
紀伊國屋書店鶴見大学ブックセンター 伊勢川詩織
嫁姑問題の最新形。介護を担わされる女たちの声をすくい、からまった糸をほぐしていくミステリ。登場人物それぞれに感情移入し、のめり込んで読んだ。
HMV&BOOKS OKINAWA 中目太郎
湊さんの作品の中では一番オトナの作品ではないだろうか。そしてこの重厚感は新たな湊かなえの顔になるだろう。そう思わせてくれる作品だった。人は迷い、間違い、後悔し、それを糧にして前に進んだり、立ち止まったり振り返ったりする。ずっと大人になってもその迷いが晴れないこともあるだろうが、いつかその迷いも赦しと感謝に変わる日が来ることもある。同じ分だけ混ぜられた迷いと後悔と赦しと感謝は人生の縮図のようでもある。
ブックマルシェ我孫子店 渡邉森夫
ゴミ屋敷の片付けから紐解かれていく過去の出来事、人には言えない秘密。さまざまな思い出が交差するC線上の物語。
イヤミスの女王、湊かなえさん新境地となる介護ミステリ!とても読み応えがあった。
CHIENOWA BASE 鈴木智春
なぜか女性だけの役割になっている介護に、苦しく胸が痛んだ。憤りも感じるけれどこれが現実なのも知っている。先へ先へとページをめくる手が焦った。気持ちが慌てて、この物語はどこへ向かうのだろうと貪るように読んだ。
水を飲む描写だけでこんなに不穏な心持ちになるなんて初めてだ。まだ胸がザワザワしている。
ひとときも落ち着かせてくれない湊さんの作品はやはり絶品。特別な読書体験だった。
福岡金文堂 志摩店 伊賀理江子
登場人物たちに感情移入し、息苦しい心地がする。介護は他人事ではなく、私たちの姿であると突きつけられる。心安らげる居場所がない女性たちの、鬱屈した思い、苦しみが身にしみて感じられ、胸が張り裂ける思いがした。
湊かなえ先生の作品はいつも私の感情の芯に触れ、深く胸に刻まれる。
心を惹きつけてやまない、唯一無二の介護ミステリ。湊かなえ先生の新たな傑作!!
紀伊國屋書店 久留米店 池尻真由美
ドラマのない人生なんてない。
人それぞれ、自分の人生の主人公なんだと改めて感じました。
登場人物、一人一人の人生に引き込まれました。楽しいことだけを覚えていられたら幸せなのに……。でも辛いことがあるからこそ、幸せをより深く感じることができるんですよね。
人としての営み、人生が見事に描き出されていました。
文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子
認知症、介護という重厚なテーマに軸足を置きながらもミステリとしてのリーダビリティが凄まじく、やはり圧巻の湊かなえだった
くまざわ書店錦糸町店 阿久津武信
時に委ねた事実と向き合うべきときがきたとき、自分を受け入れ、大切にすることができるのか。時間をかけた一歩の重みを感じた。
明文堂書店金沢野々市店 瀬利典子
ずっと、現代の女性の生き辛さの話だと思っていました。とんでもない!ヒューマン・ドラマからの、衝撃的なサスペンス・ミステリーへの大変換。こんな超絶テクニック、読み手はとても敵いません。ラストに待つ謎解きは、圧巻。是非、鮮やかな多重構造、そして欺かれる楽しさを、じっくりと体験して頂きたいです。
蔦屋書店熊谷店 加藤京子
全ページが面白すぎる!
イヤミスだけじゃない、酸いも甘いも両方たっぷり楽しめる、湊かなえさんファンならば必ず読んでおきたい一冊だと思います
宮脇書店新屋島店 三浦はるか
序盤は介護に関する切なさや辛さ、あたたかさに泣いていましたが、途中から顔を出すミステリー要素にはさすがとしか言いようがありません。
後半は時間も忘れて一気読みでした…!
大垣書店イオンモールKYOTO店 村瀬萌夏
孤独な私をあの場所に呼び戻したのは変わってしまった叔母だった。ぼんやりとした記憶。隠された禁断の秘密。捻れた運命。絡まった記憶の糸が解れた時に浮かぶのは事件の真相だ。目を背けてはならない人生の愛おしさに気づかされ、切実な人間の営みに心が奪われる。ミステリジャンルに確かな爪痕を刻む、湊かなえの新たな代表作となること間違いなし!
オフィスアルパカ 内田剛
読み終えた瞬間深いため息と同時に、未来への光が差した感じがした。
介護という閉鎖的になりがちな中で、嫁と姑のぶつかり合いが、現代でもなくならない今の世の中。
外の世界に頼っていいんだよ、と、社会に投げかけてる一冊だった。自分が親の介護に直面した時、また読み直してみたいと思った。
くまざわ書店新潟亀田店 今井美樹
あったかもしれない未来。なかったことにしたい過去。後悔に身もだえして封印したひとつやふたつ、誰にだってあるはず。
しかも、この高齢化社会だからこそ起こりうる想定外の記憶の暴露とは!
紀伊國屋書店広島店 藤井美樹
うわ、気持ち悪い!!これこそ読みたかった湊かなえだっ!!
読み進めるほど息苦しさが加速して、それでも読む手を止められない……。
きっとこれから上下巻の本を見たら、この物語を思い出してしまうだろう。
萬松堂 渡邉典朋
まさに一気読みしました!!近い将来私にも訪れるであろう介護問題。そして嫁姑問題。何度うなずきながら読んだだろう。そこに叔母の秘密というミステリ要素が重なりすごくおもしろい作品でした。まさに「新たなる代表作」でした。共感しかない!
紀伊国屋書店エブリイ津高店 髙見晴子