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國華清話会 第3回特別鑑賞会

鑑賞風景

第3回根津美術館(平成15年11月19日)


 平成15年(2003)11月19日(水)、東京・青山の財団法人根津美術館において國華清話会会員総会ならびに第3回鑑賞会が開かれた。

 会員総会は根津美術館講堂を会場に午前10時より行われ、根津美術館理事長・根津公一氏のご挨拶に続いて、辻惟雄國華主幹より國華社の事業を支える清話会会員諸氏へ向けて深謝の意が表された。また、平成15年12月には『國華』の長年にわたる文化的業績に対して、國華社が菊池寛賞(財団法人日本文学振興会主催)を受賞したことが報告された。

 議事では秋山光和國華清話会会長の挨拶に引き続き、天羽直之國華清話会事務局長からの議事報告、河野元昭國華編集委員による「國華所載 琳派名宝選」と題する特別講演が行われ、『國華』に掲載された琳派作品を中心にその魅力の一端が、國華DVD-ROMを使用した美しい映像で紹介された。

 午前11時からは、紅葉に彩られた庭園に点在する茶室・弘仁亭と一樹庵(被錦齋)を会場に鑑賞会が行われた。弘仁亭には床に芸阿弥筆「観瀑図」(室町時代、重文)が掛けられ、その前には「青磁尊形花生 銘夕端山」(明時代)が置かれた。「観瀑図」を前に島尾新・國華編集委員による解説が加えられ、参加者は熱心に耳を傾けた。書院には「天狗草紙」(鎌倉時代、重文)、「蒔絵菊花図硯箱」(室町時代、重美)が置かれ、花頭窓から入るやわらかな光のもとで天狗をモティーフに異形を描くやまと絵の格調高い描写が間近に鑑賞された。

 一樹庵(被錦齋)では賢江祥啓筆「飼馬図」(室町時代、重美)双幅作品が床に、そして「耳付花生 銘寿老人」(桃山時代)が飾られ、脇床に「黄瀬戸獅子香炉」(桃山時代、重美)が置かれた。獅子頭や猿のような動物をあしらった香炉のユーモラスな造形や、祥啓が中国画にならって描いた「飼馬図」について、祥啓が描く水墨画との画風的な相違をめぐり辻國華主幹に質問が寄せられるなど、2棟の茶席を飾る多彩な道具の取り合わせが美術についての様々な興味や関心を呼び起こしていた。

 鑑賞会終了後は、根津美術館で開催中の「鎌倉常盤山文庫創立60周年特別展 菅原通濟 粋美の世界」を鑑賞し、講堂では川村耕太郎國華清話会会員のはからいでお茶が振舞われた。少し早い紅葉が錦のように織り成すなか、根津美術館ならびに会員諸氏の支援に支えられ、國華清話会第3回鑑賞会は終了した。