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國華清話会 第5回特別鑑賞会

「柳橋水車図屏風」を前に

「柳橋水車図屏風」を前に

 平成16年(2004)10月28日(木)、國華清話会の第5回鑑賞会が東京・新橋の東京美術倶楽部で開催された。ホールには会員約100名が集い、会員総会ののち國華名誉顧問・水尾比呂志氏により「〈数奇(寄)〉といふこと」と題した特別講演が行われた。
 午後からは茶室も含めると延べ200畳にも及ぶ大広間に会場を移し、特別鑑賞会となった。会場には伝周文筆「江山之隠図」(重文)をはじめ鎌倉時代の「平治物語絵巻断簡」や「稚児太子図」、古筆手鑑「梅の露」全葉、伝藝阿彌筆「山水図」、本阿彌光悦筆「柳梅図」、俵屋宗達筆「駿牛図」、「柳橋水車図屏風」、狩野探幽筆(隠元賛)「朱達磨図」、尾形光琳筆「白鷺図」、池大雅「密林草堂図」など書画の名品のほか、薩摩茶碗・銘「残月」、彫三島・銘「垣根」、雨漏堅手・銘「橋立」、織部茶碗・銘「破傘」などの茶道具、古九谷五彩鳳凰文大皿、中国・東魏時代の白玉半跏思惟像など計35点が所狭しと並べられた。
 茶室・済美庵では床に飾られた伝土佐吉光筆「馬医草子断簡(大汝の図)」(重文)を鑑賞しながら、裏千家流の後藤弌子氏によりお茶が振る舞われた。 都会の喧噪を忘れさせる屋上庭園を望みながら、名品に触れ合うことができた充実した秋の一日であった。