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國華清話会 第8回特別鑑賞会

鑑賞風景

第8回金刀比羅宮(平成18年6月1日)


 平成18年(2006)6月1日、8回目となる國華清話会鑑賞会が香川県・金刀比羅宮で開かれた。はじめに昇殿参拝し、緑薫殿で金刀比羅宮・琴陵(ことおか)容世宮司より、自然や文化財の見所がたくさんある〈こんぴらさん〉を今日は楽しんでほしいと挨拶があった。

 次に新書院へと会場を移し、田窪文化顧問が「金刀比羅宮の文化財」をテーマに講演され、第10代別当・宥存の時代に若冲・応挙の障壁画が成立したこと、第19代別当・宥常の時代に高橋由一の作品が奉納されたことなど、金刀比羅宮の歴史と文化支援を中心に紹介された。

 その後、表書院と奥書院、高橋由一館特別展示室での特別観覧となった。表書院では円山応挙の代表作として名高い「上段の間」「山水の間」「七賢の間」「虎の間」「鶴の間」(ともに重文)各部屋の装飾性豊かな襖絵を、部屋のなかに入って間近で鑑賞した。奥書院では伊藤若冲筆「上段の間」の「花丸図」が特別公開され、精巧な花卉図が並ぶ華麗な若冲画の世界を堪能した。また岸岱筆「春の間」「菖蒲の間」「柳の間」の金碧障壁画と、柳の間の大床に掛けられた蘆雪筆の「鯉魚図」など、京都画壇の華やかな画面が鑑賞者を迎えた。高橋由一館特別展示室では「なよ竹物語絵巻」(重文)、狩野探幽筆「山水図屏風」、伝狩野永徳筆「富士山杉樹屏風」、伝土佐光元筆「源氏物語屏風」が、清話会のために特別に展示された。