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國華清話会 第12回特別鑑賞会

鑑賞風景

第12回鎌倉・建長寺の大庫裏大広間「得月楼」で貴重な仏画や彫刻の特別展覧(平成20年3月25日)

 平成20年(2008)3月25日、12回目を迎えた國華清話会鑑賞会が、鎌倉市の建長寺を会場に開催された。午前11時に大庫裏の大広間・得月楼に会員約110名が集まり、はじめに河野元昭國華主幹より、今回の清話会を暖かく迎えて頂いた建長寺と、清話会のために建長寺の名宝(鎌倉国宝館寄託)の輸送・展観をお願いした鎌倉国宝館への御礼が述べられた。

 ひきつづき建長寺派管長の吉田正道老師より、建長寺の歴史を中心とした講話があり、今日参加した皆さんが有意義な一日を過ごされることを望むと述べられた。

 鎌倉国宝館館長・三浦勝男氏の講演では、「大覚禅師像」や「大覚禅師墨蹟(法語・規則)」が一時建長寺を離れ、再び寄付されて建長寺の寺宝となったことなど、宝物の来歴などが中心に話された。

 「鉢の木」謹製の昼食の後、建長寺法堂に龍の天井画を描いた小泉淳作画伯の座談をお聞きした。島尾新・國華編輯委員がインタビュアーとなり、建長寺と小泉画伯との関わり、雲龍図制作の裏話、現在制作中の東大寺の襖絵についてなど、画伯の闊達な話に会場が沸いた。

 その後、会場を大庫裏・応真閣に移して、特別鑑賞会が開かれた。大広間を取り囲んで「蘭渓道隆像(文永八年自賛)」(国宝)、「大覚禅師像(経行像)」(重文)、「大覚禅師像(霊石如芝賛)」(重文)、「喜江禅師像」(重文)、「宝冠釈迦三尊像」(重文)、「水月観音図」「朱衣達磨図」「渡水羅漢図(羅漢龍宮行図)」「観音図」(重文)、「十六羅漢図(伝兆殿司筆)」「建長寺伽藍指図」「大覚禅師墨蹟(法語・規則)」(国宝)、「大覚禅師墨蹟(諷誦文並交名断簡)」(重文)、「蘭渓道隆書状」「蘭渓道隆罰傍」「地蔵菩薩像」「十王像」が掛けられた。床の壁には「釈迦三尊図」を中心に「猿猴図」が両側に掛けられ、その前には「北条時頼坐像」(重文)、「宝冠釈迦如来坐像」「青磁浮牡丹文大花瓶」「青磁龍牡丹文香炉」が置かれ、建長寺が所蔵する仏教美術を中心とした20数点もの名品が間近に鑑賞された。

 また大庫裏の応供堂には建長寺のご接待による呈茶席が設けられた。法堂の天井画(小泉淳作画伯筆、「雲龍図」)の鑑賞、建長寺近くにある小泉氏のアトリエと制作中の東大寺の襖絵「桜図」を拝見する機会も得た。

第十二回鑑賞会 特別展覧列品    ◎国宝 ◯重文


大庫裏・応真閣

大覚禅師像(経行像)一幅

大覚禅師像(霊石如芝賛)一幅

喜江禅師像 一幅 國華二四四号所載

大覚禅師墨蹟(法語・規則)二幅

大覚禅師墨蹟(諷誦文並交名断簡)三幅

蘭渓道隆書状 一幅

蘭渓道隆罰傍 一幅

宝冠釈迦三尊像 一幅 國華八三七号、一〇〇二号所載

水月観音図 一幅

朱衣達磨図 一幅

渡水羅漢図(羅漢龍宮行図)一幅

観音図 四幅(三十二幅のうち)

十六羅漢図(伝兆殿司筆)三幅(八幅のうち)

地蔵菩薩像 一幅

十王像 四幅(十幅のうち)

建長寺伽藍指図 一幅

猿猴図 二幅

釈迦三尊図 一幅

北条時頼坐像 一躯 國華二四四号所載

宝冠釈迦如来坐像 一躯

青磁浮牡丹文大花瓶 一口

青磁龍牡丹文香炉 一口