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第20回國華清話会特別鑑賞会 於・東大寺本坊・東大寺ミュージアム・清凉院

鑑賞風景

東大寺ミュージアムでの森本公誠師の講演

 平成二十四年四月六日、東大寺本坊・東大寺ミュージアム・清凉院を会場に、國華清話会第二十回特別鑑賞会が開かれた。会員約百名が奈良公園のシルクロード交流館内にあるクイーンアリスに集まり、昼食の後、二つの班に分かれて三会場を見学した。
 東大寺本坊では小泉淳作画伯筆の「聖武天皇・光明皇后御影」と全四十面に渡って描かれた「東大寺本坊襖絵」を拝観した。奈良時代の装束に倣って考証された端正な肖像と、大広間に描かれた大画面障壁画「吉野の桜」「しだれ桜」「東大寺本坊の桜」「蓮池」、上段の間に描かれた「鳳凰」「飛天」「散華」は、ともに画伯渾身の力作で、華麗な彩色画の世界を堪能した。
 清凉院では江戸時代の大仏殿の再興に力を尽した公慶上人の御影像を安置する公慶堂を拝観し、勧進所には呈茶席が用意された。
 その後東大寺ミュージアム小ホールで講演会が開かれ、小林忠國華主幹の挨拶に続いて、東大寺ミュージアムの梶谷亮治館長、東大寺文化センター総長・森本公誠師の講演が行われた。梶谷館長は「開館した東大寺ミュージアム」と題して、天平彫刻と東大寺をめぐる最新の成果を示しながら、展示された天平美術について話された。森本師は「聖武天皇と東大寺」と題する講演で、仏教を根幹とした聖武天皇の政治的な理想と東大寺が果たした役割について、豊富な史料をあげて論証された。東大寺ミュージアムの「奈良時代の東大寺」展では「不空羂索観音立像」および「不空羂索観音像宝冠」「日光菩薩立像」「月光菩薩立像」「誕生釈迦仏立像及び灌仏盤」など天平時代仏教美術の名品を見学した。


観覧作品


東大寺本坊

小泉淳作筆「聖武天皇・光明皇后御影」

小泉淳作筆「東大寺本坊襖絵」


清凉院

「公慶上人像」


東大寺ミュージアム

「不空羂索観音立像」

「不空羂索観音像宝冠」

「日光菩薩立像」

「月光菩薩立像」

「誕生釈迦仏立像及び灌仏盤」

「聖武天皇・光明皇后御礼服(復元制作)」ほか。