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國華清話会 第4回特別見学会

鑑賞風景

第4回京町家・杉本家−吉田家も(平成19年3月16日)

 平成19年(2007)3月16日、第4回目となった特別見学会が、京都の杉本秀太郎家および吉田孝次郎家で開かれた。

 会員約90名が2班に分かれて、まず懐石瓢樹で昼食をとったあと、綾小路通りにある杉本家を見学した。河野元昭國華主幹より御当主の杉本秀太郎氏の紹介と、見学会開催への御礼が述べられた。続いて杉本氏より、明治3年に建った杉本家の町屋のこと、呉服商・奈良屋として繁栄した杉本家のことについてお話しをいただいた。座敷や茶室には江戸時代後半から明治時代につくられた様々な雛人形が飾られ、京都では少し遅れて祝う風習があるという雛祭りの華やかなしつらいが見学者を迎えた。また座敷には「扇面・香包み屏風」「雪中柳白鷺屏風」なども飾られた。

 その後、杉本家から徒歩で新町通り沿いにある吉田家を訪ねた。御当主の吉田孝次郎氏より幼少のころの町屋暮らしのこと、異国情緒漂うモダンなしつらい、町家建築についてなどお話しをうかがった。2階や通り庭など、質実な京都の暮らしぶりも拝見した。

 明治3年に建った江戸の風情が残る杉本家と、明治40年頃に建った近代の香りが漂う吉田家と、建築時期の違いが生む両町家のそれぞれの雰囲気の違いも味わうことができた。