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國華清話会 第5回特別見学会

鑑賞風景

第5回特別見学会。遠山邸東棟の床にかけられた鈴木基一筆「業平東下り図」を鑑賞する参加者(平成20年6月11日)

 平成20年(2008)6月11日、第5回目を迎えた特別見学会が、川越市近郊の遠山記念館・遠山邸で開催された。川越駅に会員約80名が集合し、送迎バスで講演会場の川島町民会館へ向かった。

 はじめに河野元昭國華主幹より挨拶があり、今回の開催にあたり様々な配慮と協力をいただいた遠山一行遠山記念館理事長、関口正之館長に対する感謝が述べられた。つづいて関口館長から、遠山記念館の創設者である遠山元一氏のこと、設立の経緯、展示作品のことなどが具体的に説明された。引きつづき遠山一行理事長より挨拶をいただき、遠山邸が建てられた事情、遠山家のこと、コレクション形成の経緯、屋敷のことなどの話をお聞きした。

 その後、川島町民会館からバスで遠山邸・遠山記念館へ移動して、広大な屋敷と部屋ごとに飾られた作品の数々を鑑賞した。東棟の床には鈴木其一筆「業平東下り図」が掛けられ、「志野茶碗 銘 草むら 美濃」が置かれた。中棟には床に上村松園筆「むしの音図」、喜多川歌麿筆「美人夏姿図」が並べて掛けられ、「筒茶碗 銘 時雨 唐津」が置かれた。その脇には池田弧邨筆「百合図屏風」が立てられ、向い側の台には速水御舟筆「塩原渓流図」6枚が連ねて置かれた。また安田靭彦筆「風神雷神図」に併せて「梅に弓箭箙模様振袖」と「桜紅葉に牡丹模様帷子」の2領の小袖が衣桁に掛けて並べられ、涼しげに室内が演出されていた。西棟の8.5畳間には英一蝶筆「布晒舞図」(重文)が床に掛けられ、その前に仁阿弥道八作「黒楽銀彩猫手焙」が置かれた。7畳間には床に「寛文美人図」と「長次郎 黒楽茶碗 銘 大威徳」、14畳間には床に岡田半江筆「春靄起鴉図」(重文)と「斗々屋茶碗 銘 鳴戸」が飾られた。

 この日は特別に2階にある和風と洋風を取り合わせた遠山元一氏の御母堂の私室も拝見し、また別棟の呈茶席ではお茶が振舞われた。