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國華清話会 第7回特別見学会   於・野村美術館、碧雲荘

鑑賞風景

野村美術館では清話会会員たちが展示室会場で谷晃・学芸部長による野村コレクションの成り立ちの説明を受け、企画展と別室の特別展示を楽しんだ

 平成21年(2009)11月24日、京都の野村美術館と別邸の碧雲荘で國華清話会第7回特別見学会が開催された。会員80名が午前の部と午後の部と2つの班に分かれて集まり、午前の部は午前10時半より、午後の部は午後12時半より挨拶と講演、総会が行われた。

 初めに挨拶に立った河野元昭國華主幹から、開催にご協力いただいた野村美術館に対する感謝が述べられ、続いて大塚芳正國華社事務局長より清話会第7期(平成20年10月〜平成21年9月)の運営状況、事業報告、収支報告、第8期予算などが提出され承認された。次いで谷晃野村美術館学芸部長の「野村得庵と野村コレクション」と題した講演があり、2代目野村徳七(号得庵)の茶の湯や能楽、蒐集にまつわるエピソード、野村家の迎賓館である碧雲荘という空間を利用して、花鳥風月が凝縮された日本文化の再構築を試みた得庵の意図など、近代数寄者の一人としての得庵の思想や人物像について語られた。

 午前の班はその後2班に分かれて野村美術館と碧雲荘を鑑賞し、〈順正〉で湯豆腐の昼食を取り自由解散。午後の班も講演の後に2班に分かれて野村美術館と碧雲荘を見学した。

 碧雲荘では、東山を借景とした約6000坪に及ぶ庭園を特別にご案内いただき、羅月、芦葉、南光席、大書院など点在する建物と、紅葉に彩られた庭木、池や瀧などの水辺の景色などを堪能した。美術館では特別に床に掛けられた「佐竹本三十六歌仙(紀友則)」(重文)を鑑賞し、同じ座敷には与謝蕪村筆「草廬三顧・蕭何追韓信図屏風」が立てられた。ロビーに狩野元信筆「大滝図」が掛けられ、雪村筆「風濤図」の飾られた立礼席でお茶をいただいた。

第7回見学会 特別展覧列品    ◎国宝


佐竹本三十六歌仙(紀友則)

大滝図 狩野元信筆

草廬三顧・蕭何追韓信図屏風 与謝蕪村筆


立礼席

掛物 風濤図 雪村筆

花入 信楽耳付

釜  釣鐘形 銘 國家安康

水指 丹波櫛目

茶器 漆壺斎作 七宝蒔絵鮟鱇形

茶碗 道楽作黒 銘 かわら

茶杓 薮内竹陰共筒 銘 福阿弥

蓋置 唐津竹節

建水 桜皮紅葉漆絵