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國華清話会 第9回特別見学会 於・細川護煕氏工房「不東庵」・MOA美術館
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平成二十四年十月十六日、第九回目の國華清話会特別見学会が、湯河原にある細川護煕氏の工房「不東庵」と熱海のMOA美術館で開催された。午前十時半より会員百名がMOA美術館に参集し、四つの班に分かれて交替でバスで「不東庵」へ移動した。現地では細川氏のお話を聞きながら、氏が創作活動の拠点とし、晴耕雨読の暮らしを送る工房と茶室を見学した。
あわせてMOA美術館内にある光琳屋敷、茶室「一白庵」、応接室に細川氏の制作した焼物、書、絵画が陳列され、風情溢れる作品の数々を鑑賞した。光琳屋敷には茶器を中心とした焼物、床の間に掛軸、座敷には屏風などが飾られ、光琳ゆかりの空間に現代の息吹が吹き込まれた。美術館の応接室には「瀟湘八景」を描いた襖が八面と、油彩作品が壁に掛けられた。昼食はMOA美術館内のレストラン「桃山」で、オーガニックの食材を使用した松花堂弁当をとった。「一白庵」にもうけられた呈茶席では、細川氏制作の茶碗でお茶が振舞われた。
鑑賞後、総会と細川氏による講演がMOA美術館内の能楽堂で行われた。はじめに小林忠國華主幹より挨拶があり、細川氏とMOA美術館へ御礼が述べられた。引き続きMOA美術館の内田篤呉副館長から、細川氏を迎えた清話会開催への謝意が伝えられた。総会では山口万里子國華社事務局長から清話会第十期(平成二十三年十月一日~平成二十四年九月)の運営状況、事業報告、収支報告、第十一期予算などが提示されて、承認を得た。
引き続き永青文庫理事長・國華清話会会長である細川護煕氏の講演「細川家 美と闘いの七〇〇年」があり、展示された細川氏の作品の解説と、細川家の歴史にまつわる興味深いエピソードの数々が伝えられた。細川家は南北朝時代以来七〇〇年続く守護の家で、細川氏は二十六代目の当主。歌人としても優れた中興の祖・細川幽斎のこと、晩年細川家に招かれた宮本武蔵の巌流島決闘の真相、討ち入り後に細川家が身柄を預かった大石内蔵助をはじめとする赤穂浪士の逸話など、歴史を彩る事件の背景がドラマチックに語られた。
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