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國華清話会 第11回特別見学会   於・髙梨本家・上花輪歴史館

鑑賞風景

高梨邸での鑑賞

 平成二十六年五月二十九日、第十一回國華清話会特別見学会が千葉県野田市にある髙梨本家・上花輪歴史館で開かれた。髙梨家はキッコーマン創業家のひとつであり、江戸時代より醤油醸造を家業とする。
 会員約百名が午前十時に上野駅に集合し、バスで野田市へ向かい、午前十一時半より上花輪歴史館に隣接する髙梨邸のホールで講演が行われた。
 はじめに小林忠國華主幹が挨拶し、貴重な見学の機会を提供くださった髙梨家に感謝のことばが伝えられた。次いで髙梨家三十代目当主でキッコーマン株式会社特別顧問の髙梨兵左衛門氏の講演が行われた。野田に拠点を置いた髙梨家の先祖のこと、醤油業の移り変わり、コカコーラを日本で初めて製造した経緯、キッコーマンという社名の由来など、髙梨家の視点から日本産業史の一端がわかりやすく語られた。
 邸内で京料理かねき謹製の昼食をとった後、上花輪歴史館を見学。上花輪歴史館は髙梨本家の旧邸宅と庭園、土蔵、屋敷林などの歴史的建造物から成っている。書院造や数奇屋造の座敷には、二十七代目・二十八代目当主が蒐集した瀧和亭コレクションが飾られた。瀧和亭(一八三〇~一九〇一)は幕末から明治に活躍した文人画家で、明治から昭和にかけて四十五年間にわたり國華主幹を勤めた瀧精一(東大教授)の父にあたる。
 見学後、午後三時より髙梨邸内のホールでホーム・コンサートが催された。田島好一国立音楽大学名誉教授(バリトン)と藤原歌劇団の二渡加津子氏(メゾ・ソプラノ)、細木原美沙氏のピアノ伴奏による素晴らしい歌声が披露され、清話会では初めての音楽の趣向を楽しんだ。髙梨氏自身も日ごろの声楽のご成果を発表された。邸内では野点のお茶をいただき、ホールで音楽を堪能した後にはキッコーマンのマンズワインが振舞われた。

観覧作品 ※印以外は瀧和亭筆


住居棟


愁色飛雁図屏風


猛虎図衝立


九皐処士図


虚心雙石図襖絵

狩野山雪 西湖金山寺図屏風


     など


展示棟


蘭竹之図


竹石之図


八百遐齢図


蓬莱雲気図


南極寿星図


     など