高校生を知る「大学案内」編③ 紙派? WEB派? それぞれの活用法は?


写真はイメージ(Gettyimages)


スマホネイティブ世代といわれる高校生たちは、大学受験にあたってはどのように情報収集しているのでしょうか。

「大学案内」は紙とWEB、どちらを活用している? スマホでみられる情報も多い中、わざわざ紙の大学案内を取り寄せる理由は?

高校生へのアンケート結果では、すこし意外なデータも…!

前回に引き続き、全国の高校1~3年生を対象に「学校案内に関する高校生の意識調査」を行っているマイナビ進学総合研究所研究員の青木湧作さんにお話を伺いました。

志望校選びで影響を受けた情報(広報手段)は?

○データ:次のうち、それぞれから得た情報が志望校検討にどれぐらい影響したかを選んでください。※「学校案内・パンフレット」には入試要項・募集要項は含まれません


「学校案内・パンフレットや学校公式WEBサイト等に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ)


広報手段ごとに志望校検討の影響度を聞いたアンケートでは、「学校案内・パンフレット」「学校公式WEB サイト」「入試要項・募集要項」 の順となっていました。一方「学校の SNS 」「オープンキャンパス(オンライン形式)」 は低い割合になっています。

やはり志望校を選ぶにあたっては、きちんと細かい情報を参考にしている人がほとんどで、SNSやオープンキャンパスなどは雰囲気や補足情報の確認に活用する方が多いのかもしれません。

紙派? WEB派? それぞれの使い分けは?

○データ:学校公式 WEB サイトでも情報を得られるなか、紙形式の学校案内・パンフレットを請求する理由としてあなたの考えや行動に当てはまるものを全て選んでください


「学校案内・パンフレットや学校公式WEBサイト等に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ)


紙形式の資料を請求する理由を聞くと、WEB よりも 「読みやすい」 という回答が圧倒的に多く、「複数の学校を読み比べやすい」 という回答も多くみられます。また、サイト上に載っていない情報を期待する声もあるようです。


○データ:学校公式 WEB サイトと学校案内・パンフレットからの情報収集について、当てはまるものを全て選んで下さい。


「学校案内・パンフレットや学校公式WEBサイト等に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ

紙の「学校案内」とWEB サイトで、見る順序を聞いたアンケートでは「学校案内を見てから公式WEBサイトの情報を見にいった」が50.9%「公式WEBサイトを見てから学校案内を請求した」が44.0%という結果でした。また、どちらかしか見ないという回答は1割前後の回答に留まっており、ほとんどの人が両方の情報を活用していることが分かります。

青木さん:WEBに関しては、基本的に高校生はスマホでみています。その場合、カリキュラムなどの情報は小さなスマホ画面では見づらいことが多く、見易さの観点で言うと紙の大学案内が重宝される傾向にあるようです。
また、高校生はスマホの通信制限がかかりがち、ということもポイントかもしれません。月の後半だとギガを使い切ってしまい、WEBサイトを快適に見られない状況になってしまうという声もありました。

紙とWEB、見る順序は?

○データ:次の情報のうち「学校案内・パンフレット」と「学校公式 WEB サイト」どちらの情報が参考になりましたか?それぞれ選択してください。


「学校案内・パンフレットや学校公式WEBサイト等に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ)

各項目において、「学校案内・パンフレット」と「学校公式WEB サイト」のどちらが参考になったかを聞いたアンケートでは「学校全体の特色・取り組み」「興味のあった学部・学科」の情報は 「学校案内・パンフレット」 のほうが参考になったという声が多くなっています。
​​​​​​​一方で「オープンキャンパス日程・内容」「交通アクセス」「入試情報」は 「学校公式 WEB サイト」 についてはWEBサイトのほうが参考になったという声も多くありました。

青木さん:WEBサイトは自発的に検索しないと出てこない情報、見つけられない情報もあります。それに比べて、紙の大学案内はパラパラとめくるだけで情報が目に入ってくるので便利と感じるようです。一方で、イベントの日程確認や入試情報など、更新性の高いものなどはWEBで検索する人も多い結果になりました。
紙とWEBを併用している高校生がほとんどなので、大学側もメディアの特性に応じて情報の見せ方の工夫、使い分けをすることが大切だと思います。


本ブログでは3回にわたって、アンケート結果を元に、さまざまな角度から高校生の「大学案内への意識」に迫ってみましたがいかがでしたか? 意外なデータはありましたでしょうか。お読みくださったみなさんの参考になれば嬉しいです。

(文/「大学ランキング」編集部 国府田直子)


【今回ご紹介したデータの詳細】
「学校案内・パンフレットや学校公式WEBサイト等に関する高校生の意識調査」
調査主体:株式会社マイナビ
調査回収期間:2023年2月17日~2023年2月24日
調査対象者:マイナビ進学会員(高校3年生のみ)
有効回答者数:1,131名
https://souken.shingaku.mynavi.jp/research/other/

【お話をお伺いした方】
【お話をお伺いした方】
マイナビ進学総合研究所 研究員  青木湧作さん 高校生の進路選択に関する調査全般に携わる。前職はトヨタ自動車株式会社。中南米地域の事業企画を担当。京都大学経済学部出身。2014年マイナビに入社。高校訪問を通じ進路サポート活動に従事。その後、上級学校向け募集管理システムを扱う部署や事業戦略、コンテンツ編集の部署を経ながら、2022年より現在の調査業務に従事。
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