大学受験の保護者を知る③「受験の情報収集について」



イラスト:Gettyimages

こんにちは。「大学ランキング」編集長の国府田です。
前回から引き続き「大学受験の保護者を知る」をテーマにしたブログ、第三弾をお届けします。今回は「受験の情報収集」について。

学校公式HPやパンフレットではどんな情報を見ているのか。進路を決めるにあたって求めている情報はなにか……。

高校1~3年生の保護者を対象とした「2023年 高校生の進路に関する保護者調査」(マイナビ調べ)のデータをもとに、マイナビ進学総合研究所研究員の青木湧作さんにお話を伺いました。

■WEBでよく調べられている情報は?

◯データ:WEB情報の中で閲覧したことがあるもの

「2023年 高校生の進路に関する保護者調査」(マイナビ調べ)
 
子どもの進学先候補として、WEB情報の中で閲覧したことがあるものはなにかという問いについて、「見たことはない」が最多回答。次いで「学校公式WEB サイト」「進学情報サイト」の回答が続きました。
 
◯データ:学校公式WEBサイトでよく見た情報

「2023年 高校生の進路に関する保護者調査」(マイナビ調べ)
 
前項で「学校公式 WEB サイト」と回答した424名を対象に「学校公式WEBサイトでよく見た情報」を聞いたところ、「興味のあった学部・学科」「学校全体の特色・取り組み」がいずれの学年の保護者でも多い回答割合に。次いで「学費・奨学金」や「入試情報」という結果になっています。

青木さん:傾向としては、(前回のブログで触れた)「保護者の悩み」と回答が重なっていると思います。親としてはやはり、お金のことと、偏差値に関わることが気になっているようです。

■紙の学校案内、パンフレットでよく見られている情報は?

◯データ:学校案内・パンフレットでよく見た情報

「2023年 高校生の進路に関する保護者調査」(マイナビ調べ)
 
「学校案内・パンフレットでよく見た情報はなにか」という問いについては、WEB情報と同様に「学校全体の特色・取り組み」「興味のあった学部・学科」「学費・奨学金」「入試情報」の情報がよく見られていました。

青木さん:この質問は、高校生に聞いたデータもあるのですが、保護者とほぼ同様の回答でした。

■ニュース記事が進路決定に影響することも

WEBや学校が発行した紙冊子(入学案内・パンフレット等)以外にはどんなところから情報を得ているのでしょうか?
 
◯データ:進学先候補について新たに知る機会

「2023年 高校生の進路に関する保護者調査」(マイナビ調べ)
 
なんと「一般のニュース」が最多回答に。次いで「高校から配布された資料」「子どもから口頭で学校名を聞く」など「高校」と「子ども」から得る機会が多い結果となっています。

青木さん:これは2年前の調査結果ともあまりかわっていません。ちなみに高校生に同じ質問を投げたところ、回答として多かったのは「高校の先生からの情報」や「進学ガイダンスや個別相談会」でした。

高校生は日々、学校に通っているので納得の結果とも言えます。一方で保護者の方々は普段自分たちが生活するうえで目にするニュースから、子どもの進学先にとって有益な情報を得ているということが伺えます。

■大学受験における親子関係、保護者の関わりかたについてのまとめ

今回、取材にご協力いただいた青木さんは「大学受験においても、親が子と一緒に進路を考えるという傾向は続く、もしくは増えるのではと思っています」と言います。
 
青木さんに保護者に対してのメッセージを伺うと「親が気になることと子が気になることは違うこともある」と。「親が子にアドバイスするときには、違う目線からの意見を伝えてあげることも大切です。同時に、子が進路を決めるには、2年間、3年間かけてじっくり考えるときもあるということを理解してあげること。マラソンのように、長期間、伴走してあげるというスタンスをとってあげてほしいと思っています」とおっしゃっていました。
 
さて、本ブログでは3回にわたって、アンケート結果を元に、さまざまな角度から高校生の保護者の意識に迫ってみましたがいかがでしたか? 意外なデータはありましたでしょうか。お読みくださったみなさんの参考になれば嬉しいです。
 
 
【今回ご紹介したデータの詳細】
「2023年 高校生の進路に関する保護者調査」
調査主体:株式会社マイナビ
調査回収期間:2023年5月19日~2023年5月21日
調査対象者:全国の高校 1~ 3 年生の保護者(回答時に 40 歳以上で、長子として高校生を養育する保護者)
有効回答者数:1,200名

【お話をお伺いした方】
【お話をお伺いした方】
マイナビ進学総合研究所 研究員  青木湧作さん 高校生の進路選択に関する調査全般に携わる。前職はトヨタ自動車株式会社。中南米地域の事業企画を担当。京都大学経済学部出身。2014年マイナビに入社。高校訪問を通じ進路サポート活動に従事。その後、上級学校向け募集管理システムを扱う部署や事業戦略、コンテンツ編集の部署を経ながら、2022年より現在の調査業務に従事。
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