2024年度大学入試状況分析①「大学入学共通テスト」女子占有率は過去最高
写真はイメージ(Gettyimages)
こんにちは。「大学ランキング」編集長の国府田です。
24年度の受験シーズンが終わったこの時期、ニュース等で注目されるのは、「大学受験、合格速報」や「今年の入試動向は?」といった記事。受験を終えたばかりの方々はもちろん、大学受験を控えた高校生とその保護者の方々にとっても、将来に待ち構える大学受験についてグッと意識が高まる時期なんだなと、記事へのアクセス数の多さからも感じとることができます。
そこで、本ブログでも、今回から3回に分けて、「2024年度大学入試状況分析」をテーマにした記事をお届けします。
第一弾は、大学入学共通テストについて。駿台予備学校が分析し発表している速報データをもとに、駿台予備学校の入試情報室部長 石原賢一さん(※肩書は取材当時)にお話を伺いました。(※データは2024年3月27日時点のもの)
■志願者数は32年ぶりに50万人を下回る
2024年度の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の志願者数は、前年度より20,667人減少し、491,914人。大学入試センター試験時代を通して6年連続の減少となり、センター試験3年目の1992年度以来32年ぶりに50万人を下回っています。
◯データ:出願資格別志願状況
駿台予備学校「2024年度入試状況分析【大学入学共通テスト】」より
共通テスト志願者の内訳をみると、浪人生は減少する一方で、現役志願率は45.2%と、過去最高となりました。全志願者数に占める現役生の割合(現役占有率)は85.3%で、過去最高だった前年度よりさらに0.1ポイントアップしています。
■今後も現役志向は高まる一方
石原さんいわく、「現役志向は高まる一方」とのこと。総合型選抜や学校推薦型選抜などのいわゆる『年内入試』で入学する人が全体の5割を超える影響もあり、浪人する人が減少している状況だといいます。センター試験と違い、共通テストは問題に特徴があり私立大入試とは乖離していることもあり、都市部の現役志向の生徒は併願できる私立大に焦点を絞り、共通テストを避ける傾向もあるようです。
◯データ:現役生・既卒生等別志願者数推移
駿台予備学校「2024年度入試状況分析【大学入学共通テスト】」より
■女子占有率は過去最高
男女別では、女子の志願者数は前年度より8,103人減少し、222,482人でこちらも6年連続減少。ただ、志願者数全体が減少しているため、女子占有率は45.2%で過去最高となりました。男女の人口比率ともほぼ変わらず、大学受験においての男女別の差はなくなってきているともとれる数値ですね。
◯データ:男女別志願状況
駿台予備学校「2024年度入試状況分析【大学入学共通テスト】」より
■2025年度からは新課程入試
新課程に対応した2025年度入試では、大学入学共通テストの教科・科目に大きな変更があります。石原さんは「新課程入試の初年度は移行期にあたるため、まずは基礎的な出題傾向になるのではないか」と予測します。「本格的な新課程入試は、新高校2年生が受験する2026年度から始まるとも言えます」と石原さん。
入試改革でさまざまな動きがあるいま、受験生にとって、きちんとした情報を得ることも受験対策の大きなポイントになります。朝日新聞出版の媒体でも積極的に情報を発信していきたいと思います!
*次回は、「2024年度大学入試状況分析②国公立大入試状況分析」をテーマにした記事をお届けします!
【今回ご紹介したデータの詳細】
駿台予備学校「2024年度入試状況分析【大学入学共通テスト】」