2024年度大学入試状況分析②「国公立大」系統別、地区別の志願状況は?


写真はイメージ(Gettyimages)


こんにちは。「大学ランキング」編集長の国府田です。

前回から引き続き、「2024年度大学入試状況分析」をテーマにした記事をお届けします。今回は、国公立大の入試状況分析です。系統別、地区別では、どんな傾向がみられるのでしょうか…?

駿台予備学校が分析し発表している速報データをもとに、駿台予備学校の入試情報室部長 石原賢一さん(※肩書は取材当時)にお話を伺いました。(※データは2024年3月27日時点のもの)

■国公立大志向は高まっている

◯データ:設置・日程別志願状況


駿台予備学校「2024年度 国公立大入試状況分析【全体概況】」より
 
文部科学省が2月20日に発表した「2024年国公立大一般選抜の確定志願状況」によると、確定志願者数は423,238人で前年度並みとなりました。
2021年度以降は42万人台で推移していますが、石原さんはその背景に、「コロナ禍の緩和とともに共通テストの平均点アップにより出願を諦めなかった受験生が増加したこと」「地方の根強い地元志向や、厳しい経済状況の影響による国公立大志向の高まり」があると分析します。

■芸術、総合科学、歯の3系統が2年連続で増加

◯データ:系統別志願状況


駿台予備学校「2024年度 国公立大入試状況分析【系統別志願状況】」より
 
系統別の志願状況を見ると、2年連続で「芸術」「総合科学」「歯」が増加しています。石原さんによると、「芸術」はメディア系、「総合科学」は情報系を含むため、学部の新設等で受け入れの枠が増えたのが要因とのこと。大幅に増加している「スポーツ・健康」は「パリオリンピックで報道が増えたことが影響しているのではないか」と石原さんは分析します。
文系の系統では、コロナ禍の影響を受けて留学などが不安視された「外国語」が5年ぶりに増加しました。全体的にはまだ理系が強いですが、顕著になっていた「理高文低」は少しずつ緩和してきているようです。

■地方では国立が増え、公立が減少

◯データ:地区別志願者指数(前期日程)


駿台予備学校「2024年度 国公立大入試状況分析【地区別志願状況】」より


◯データ:地区別志願者指数(後期日程)


駿台予備学校「2024年度 国公立大入試状況分析【地区別志願状況】」より
 
地区別で見ると、前期は北関東、九州・沖縄でやや増加、甲信越・北陸でやや減少しています。
全体としては、地方の国立大が増えて、公立大が減少しました。これは、共通テストの平均点が高かったため、レベルの高い国立大を志望する人が増えたからと、石原さんは分析します。


今回は国公立大学の入試状況についてお伝えしました。次回は、「2024年度大学入試状況分析③私立大入試状況分析」をテーマにした記事をお届けします!
 
【今回ご紹介したデータの詳細】
駿台予備学校「2024年度 国公立大入試状況分析

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