高校生を知る「大学案内」編① 大学案内をどのように活用している?
写真はイメージ(Gettyimages)
受験生たちが志望校を決めるにあたって欠かせないのが「大学を知る」ということ。
いまは紙媒体の「大学案内」に加えて、WEBサイト、SNS、アプリなど、情報収集の手段が増えています。
わたしたちも日々、様々な媒体、手法で高校生向けのコンテンツ制作をしていますが、実際の高校生たちはそれぞれをどのように活用しているのかとても気になります……。
そこで今回は、全国の高校1~3年生を対象に「学校案内に関する高校生の意識調査」を行っているマイナビ進学総合研究所研究員の青木湧作さんにお話を伺いました。
高校生は大学案内でどんな情報を参考にしている? デザインは重視する? 紙とWEB、どちらを参考にしている――?
今回から3回に分けて、「大学案内」をテーマにしたブログをお届けします!
大学案内はどんな目的で読んでいる?
○データ:(学校案内を)どんな目的で学校案内を読むことが多いですか?
「学校案内に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ)
どんな目的で学校案内を読むことが多いかという質問には、「様々な学校を幅広く知る目的」「ある程度絞り込んだ志望校群を比較する目的」という回答が多く、幅広い情報収集~比較段階での活用が多いことが窺える結果となっていました。
○データ:(学校案内を読む目的別に)その目的の場合、複数の学校案内の同じ項目を読み比べることはありますか?
*「Q.どんな目的で学校案内を読むことが多いですか?」に対して「様々な学校を幅広く知る目的」「ある程度絞り込んだ志望校群を比較する目的」「一つの学校について詳しく知る目的」と回答した者のみ対象。「学校案内に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ)
学校案内を読む目的別に複数の学校案内の同じ項目を読み比べることはあるかを聞くと、いずれの目的の場合も「ある」が7割を超える回答割合でした。
それではどこを読み比べているのか? それが以下のデータにあります。
○データ:(学校案内を読む目的別に)「複数の学校案内の同じ項目を読み比べる」と答えた方にお聞きします。読み比べる項目はどれですか?
*「Q.その目的の場合、複数の学校案内の同じ項目を読み比べることはありますか。」に対して「ある」と回答した者のみ対象「学校案内に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ)
青木さん:基本的に「読み比べている」というのが大学案内活用法の大きなポイントだと思います。また、どこを比べるのかという問いに対しては、様々な学校を幅広く知る目的・ある程度絞り込んだ志望校群を比較する目的の場合は「学部・学科の内容」、一つの学校について詳しく知る目的の場合は「学部・学科共通の科目・カリキュラム」という回答が最も多い結果となっています。
他校との差別化や特色をアピールするために個性的な大学案内にしたい、という思いもあるかもしれませんが、これらの「読み比べ」項目については奇をてらわずに見やすいデザインも意識した方がよいかもしれません。
○データ:複数の志望校の学校案内を読み比べて、志望順位が自分の中で明確になったことはありますか?
「学校案内に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ)
学校案内を読み比べて志望順位が自分の中で明確になったことはあるかという問いには、「ある」が7割弱の回答割合となっています。
○データ:学校案内の中身を読んで、志望度の順位がついた決め手は何でしたか?
*「Q.複数の志望校の学校案内を読み比べて、志望順位が自分の中で明確になったことはありますか?」に対して「ある」と回答した者のみ対象。「学校案内に関する高校生の意識調査」(マイナビ調べ)
青木さん:学びの内容や、サポート制度、お金にまつわることなど、読み比べの対象となる部分はあまり奇をてらわず、読みやすさを重視する方が、高校生の要望にマッチしていると感じます。一方で、他大学との差別化や個性のアピールをしたいという思いも大学にはあるはず。「学長メッセージ」「ゼミ・研究室」など理念や雰囲気をつたえる項目では個性を出していただくのもよいかもしれません。
今回のデータや青木さんのお話から、大学案内は比較検討の資料として活用されている傾向が強いことがよく分かりました。
次回のブログでは、「高校生を知る『大学案内』編② 誌面デザインは志望校選びに影響する?」をお届けします!
(文/「大学ランキング」編集部 国府田直子)
【今回ご紹介したデータの詳細】
「学校案内に関する高校生の意識調査」
調査主体:株式会社マイナビ
調査回収期間:2024年2月22日~2024年2月29日
調査対象者:マイナビ進学会員
有効回答者数:1,825 名
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